銅が欠乏するとどうなる?症状と適切な摂取量について解説
- 銅の欠乏は、身体にどんな影響があるの?
- 銅はどれくらい摂れば十分なの?
- 銅はどんな食材に豊富なの?
貧血予防に欠かせない必須ミネラルである銅は、不足すると貧血や毛髪異常などの不定愁訴の原因になります。
また、銅は白血球の減少や骨の異常が現れる可能性があり、子どもの場合では、成長障害を起こすこともあります。
そこで今回は、「銅をどのくらい摂取すればよいのか(摂取基準)」「銅が豊富な食材や摂取方法」について解説します。
食事と生活を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。
株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士
薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。
病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。
- 株式会社 サムライフ 代表取締役
- 一般社団法人 日本予防医学マイスター協会 代表理事
- 一般社団法人 日本先進医療臨床研究会 理事
著書:
『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!』
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法』
銅とは
微量ミネラルである銅は、体内に約100~150㎎ほど存在し、骨・骨格筋・内臓・血液などの細胞内にあります。
銅の働きは、主に次の3つがあります。
- 貧血を予防する働き
- 抗酸化酵素を作り出し、細胞の酸化を防ぐ働き
- 皮膚と髪の色や艶を守る働き
銅は、赤血球のヘモグロビンを作るために不可欠で、貧血を予防する働きがあります。
また、抗酸化酵素を作り出し、酸化した脂質が血管に溜まるのを防いでくれるため、細胞の酸化を防いで健康の維持にも役立ちます。
銅は、毛髪の色素であり、肌を紫外線から守る働きをするメラニン色素を作るために必要な、酵素の合成にも欠かせません。
そのため、銅は健康的な肌や髪の色・艶を守るためにも必要な栄養素なのです。
銅欠乏で起こる不定愁訴
銅が不足すると、貧血や毛髪異常などの不定愁訴の原因になります。
また、白血球の減少や骨の異常が現れる可能性があり、子どもの場合では、成長障害を起こすこともあります。
- 貧血
- 毛髪異常
これらの不定愁訴はプレゼンティーズムに繋がる可能性もあるため、健康経営の観点からも重要な課題です。
貧血
銅の不足は、貧血を起こす可能性があります。
銅は、赤血球のヘモグロビンを作るために不可欠なため、銅が不足すると十分なヘモグロビンが合成されず、貧血を引き起こします。
毛髪異常
銅の不足は、毛髪異常を引き起こす可能性があります。
銅は、毛髪の色素であり、肌を紫外線から守る働きをするメラニン色素を作るために必要な、酵素の合成にも欠かせません。
そのため、銅が不足すると毛髪の色が抜け落ちる・髪の艶がなくなる・毛髪が縮れるなどの毛髪異常が起こります。
銅の摂りすぎによる健康被害
銅は、魚介類・肉類・野菜類・穀物類など、多くの食材に含まれているため、通常の食事を続けている限り過剰に摂取する可能性は低いため、食事からの過剰摂取による健康被害はほとんどないと考えられます。
しかし、お酒の飲み過ぎは銅の血中濃度をあげるといわれているため、銅が豊富なレバーやタコを、お酒と一緒に大量に摂ると、過剰摂取になる可能性があるため注意が必要です。
また、サプリメントを過剰摂取すると生活習慣病が重症化するなど、健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。
そのため、銅は食事摂取基準では耐容上限量が定められています。
長期間摂りすぎたり、サプリメントなどで補う場合には、目標量を超えないよう注意しましょう。
予防医学の観点からみる銅の摂取基準量
予防医学の観点からみると、30~49歳男性の場合で1日の摂取目標量は3㎎と考えられます。
年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として3㎎を目安にするといいでしょう。
銅の目標量は3㎎
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』では、銅の摂取基準である「推奨量」は、男性12~74歳は0.8~0.9㎎、女性12~74歳は0.7~0.8㎎としています。
ただし、目安量の基準は、一定の栄養状態を維持するには十分な量ではありますが、予防医学の観点では不十分です。
そのため、サムライフでは生活習慣病予防・健康の維持のラインとして銅の摂取目標量として1日3㎎を推奨しています。
厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。
銅が豊富な食材と摂取量
必須ミネラルである銅は、魚介類・肉類・豆類・種実類など、幅広い食材に多く含まれています。
いかやたこなどの軟体動物や、エビやカニなどの節足動物の血液では、ヘモグロビンの代わりに銅を含むヘモシアニンというたんぱく質が、酸素を運搬しているため、銅が多く含まれています。
カテゴリー | 食材 | 銅含有量(㎎) |
---|---|---|
魚介類 | 干しエビ/50g | 2.59 |
ほたるいか/50g | 1.71 | |
牡蠣/50g(約2個) | 0.52 | |
たこ/50g | 0.19 | |
肉類 | 牛レバー/50g | 2.65 |
豚レバー/50g | 0.5 | |
豆類 | そら豆/50g | 0.6 |
きな粉/50g | 0.56 | |
納豆/50g(1パック) | 0.3 | |
種実類 | カシューナッツ/15g | 0.28 |
くるみ/15g | 0.18 | |
アーモンド/15g | 0.18 |
干しエビ
高たんぱく低脂質な干しエビは、銅の他にもビタミンB12・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・亜鉛・鉄・マンガンなども豊富です。
冬瓜やナスとの相性が良い干しエビは、煮物や炊き込みご飯・パスタ・サラダなどのレシピが人気です。
1日で銅3㎎を摂取する場合、干しエビを約60g食べることで、1日の目標量を満たすことができます。
牛レバー
貧血予防に効果的な食材として人気のレバーは、肉類の中でも銅の含有量が豊富です。
牛レバーはタンパク質・脂質・炭水化物の順に三大栄養素の割合が高く、銅の他にも、葉酸・ビタミン12・ビタミンA・ビタミンB2・ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・モリブデン・セレン・亜鉛・鉄などの栄養素が豊富に含まれています。
レバニラ炒めやレバーのトマト煮・レバーの中華煮などのレシピが人気です。
1日で銅3㎎を摂取する場合、牛レバーを約60g食べることで、1日の目標量を満たすことができます。
そら豆
乾燥そら豆はタンパク質が多く、銅の他にも葉酸・ビタミンB1・カリウム・マグネシウム・モリブデン・亜鉛・鉄・リンなどの栄養素も豊富です。
塩茹でして食す他、にんにく炒めやかき揚げ・サラダやそら豆ご飯・パスタなどのレシピが人気です。
1日で銅3㎎を摂取する場合、そら豆を約250g食べることで、1日の目標量を満たすことができますが、そら豆だけで銅を摂取するのは現実的ではありません。
銅の効率的な摂取方法
銅は人間の体内では合成することができない成分であるため、魚介類・肉類・豆類・種実類など、食品から摂取する必要があります。
特に銅・亜鉛・鉄は、赤血球の産生・形成などに関与しているため、バランスよく一緒に摂取すると効果的に吸収できます。
ビタミンCと一緒に摂取する
ビタミンCは銅の吸収を高めるため、一緒に摂取すると効果的です。
そのため、ビタミンCの豊富なオレンジ・キウイフルーツ・ピーマン・ブロッコリーなどと一緒に摂取すると、銅の吸収率がアップします。
しかし、ビタミンCを大量に摂取してしまうと、銅の吸収が妨げられてしまうため、サプリメントなどを併用する場合には、摂りすぎには注意しましょう。
亜鉛・鉄と一緒に摂取する
亜鉛と鉄は、銅と同じく必須ミネラルの一つで、ヘモグロビンの合成にも関与しているため、一緒に摂取すると効果的です。
しかし、亜鉛と銅は拮抗する性質があり、血液中に銅が多くある環境では亜鉛の吸収が阻害され亜鉛不足に、亜鉛が多くある環境では、銅の吸収が阻害され銅不足になります。
そのため、亜鉛と銅の摂取比率は、10:1のバランスが吸収が阻害されず、最適であると言われています。
また、鉄だけを大量に摂取すると、亜鉛や銅の吸収が妨げられてしまうため、バランスよく一緒に摂取することが理想です。
まとめ
今回は、銅欠乏による不定愁訴や病気、銅の摂取基準や摂取方法について解説してきました。
銅が不足すると、貧血や毛髪異常が起こる可能性があり、仕事や日常生活にも影響が大きくなります。
また、通常の食事を続けている限り過剰に摂取する可能性は低いですが、食事摂取基準での銅の耐容上限量は、18歳以上の男性女性ともに7㎎と設定されているため、銅の効果的な摂取方法を取り入れましょう。
適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのフルコンサプリメントで補うことをおすすめします。
健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。