不定愁訴とは

不定愁訴とは、病気ではないんだけど「なんとなく体調が悪い」という主観的な多岐にわたる自覚症状を総称した呼び方です。

ストレスや生活習慣が原因で不定愁訴は起こりますが、不定愁訴を放っておくと病気に発展するリスクや、気付かぬうちに病気が進行しているリスクが大いにあるため、早期に解決することが大切です。

そこで本記事では、「不定愁訴の症例」「不定愁訴の原因」「不定愁訴の解決方法」についてまとめています。

今現在、何かしら身体の不具合を感じている方は、早期解決のため本記事を参考にしてください。

目次

不定愁訴とは

不定愁訴 だるそうな女性

冒頭のとおり、不定愁訴とは、病気ではないんだけど「なんとなく体調が悪い」という主観的な多岐にわたる自覚症状を総称した呼び方です。

「頭が重い」「なんだかイライラする」「疲労感がとれない」「よく眠れない」といった未病の症状が不定愁訴です。

これらが厄介なのは、検査をしても客観的所見に乏しく、原因となる病気が見つからないことです。症状が安定しないため治療も難しく、周囲の理解も得られにくいというのが現状です。

しかし、不定愁訴は身体で不調が起きているサインであることに変わりはなく、サインを放置することで病気に発展するリスクや、気付かぬうちに病気が進行しているリスクが大いにあります。

不定愁訴の段階で早期解決していくことが、予防医学の基本的な考え方です。

具体的な不定愁訴の症状

不定愁訴は、さまざまな症状を総称した用語であり、次のような症状が不定愁訴に含まれます。

消化器系の不調

便秘・下痢

便秘は腸の動きが鈍くなったり、水分が吸収されすぎることで便が硬くなり、排出が困難になる状態です。食物繊維や水分の不足、運動不足、ストレスなどが大きく関係します。一方、下痢は腸の運動が早すぎて水分が吸収されず、便が緩くなる状態で、感染や冷え、緊張などの精神的要因によっても引き起こされます。

詳しい原因と改善方法は「便秘・下痢の原因と改善方法について解説」をご確認ください。

腹部のけいれん

腹部のけいれんは腸の筋肉が不規則に収縮することで生じる痛みや違和感です。過敏性腸症候群(IBS)の代表的な症状の一つでもあり、ストレスや自律神経の乱れ、特定の食べ物(乳製品や刺激物など)がトリガーとなることがあります。

腹痛

腹痛は内臓に関係する多くの不調のサインであり、単なる胃腸の不調から重大な病気まで原因はさまざまです。特に慢性的な腹痛は、腸内環境の乱れや食物アレルギー、ホルモンの変化なども影響します。痛みの部位や性質(鈍い・鋭い・波のように来るなど)により原因を探ることができます。

口臭

口臭は単に口の中の清潔状態だけでなく、胃や腸の消化機能の低下、腸内環境の悪化によっても発生します。特に腸内で悪玉菌が増えてアンモニアや硫化水素などのガスが発生すると、呼気に悪臭が混ざることがあります。胃の中に食べ物が長く停滞しているときにも発生しやすくなります。

げっぷ

げっぷは胃の中にたまった空気が逆流して口から出るもので、食事中の空気の飲み込みや炭酸飲料、早食いが原因です。ただし、頻繁に起こる場合は、胃酸の逆流や胃の動きの異常(機能性ディスペプシア)などが関係していることもあります。

食後の膨満感

食後にお腹が張る感覚は、消化がうまく進まずに食べ物が胃腸に滞ることで起こります。脂っこい食事や食べ過ぎ、早食いなどのほか、腸内ガスの発生や胃の排出機能低下が原因になります。過敏性腸症候群や胃下垂などの影響も考えられます。

鼓腸

鼓腸とは腸内にガスがたまって腹部がパンパンに張る状態で、げっぷやおならが頻繁に出るのが特徴です。食物繊維の過剰摂取や消化不良、腸内細菌バランスの乱れによってガスが過剰に発生します。ストレスによる腸の緊張も原因の一つです。

吐き気

吐き気は消化器系の不調を示すサインの一つで、胃の過剰な刺激や胃酸の逆流、腸の動きの異常などによって感じられます。また、強いストレスや不安、車酔いなどの自律神経の影響でも起こることがあります。慢性的な場合は、内臓疾患の可能性もあります。

嘔吐

嘔吐は胃の内容物が逆流し口から排出される現象で、消化器の防御反応として現れます。ウイルス性胃腸炎、食中毒、妊娠初期のつわり、精神的ストレスなどが原因です。頻繁な嘔吐は脱水や電解質異常を引き起こすため注意が必要です。

口蓋後部のかゆみ

口の奥のかゆみは、花粉症や食物アレルギーの軽い症状として現れることがあります。特に果物やナッツ類に含まれるたんぱく質が、花粉と似た構造をしていることから交差反応が起きる「口腔アレルギー症候群」の可能性もあります。かゆみが頻繁に続く場合は耳鼻科やアレルギー科の受診をおすすめします。

精神・神経系の不調

不安神経症

漠然とした不安や緊張が長時間続き、日常生活に支障をきたす状態です。動悸や息苦しさ、手足のしびれといった身体症状を伴うことも多く、自律神経のバランスの乱れやセロトニン不足が背景にあるとされます。腸内環境の悪化が精神面に影響を与える「腸脳相関」も注目されています。

錯乱

一時的に思考や判断が混乱し、現実感が薄れたり、言動が支離滅裂になることがあります。睡眠不足や極度のストレス、アルコール・薬物の影響、認知症の初期症状などが原因となる場合があります。発作的に現れるときは、神経疾患の可能性も視野に入れるべきです。

憂鬱

気分が沈んだ状態が続き、何をしても楽しめず、意欲や集中力が低下します。うつ病の一歩手前の段階でも見られ、ホルモンや神経伝達物質の不均衡、生活環境や人間関係のストレスが複雑に関係します。近年では「脳腸相関」により、腸の健康がメンタルにも大きな影響を与えるとされています。

小児の注意欠陥

注意欠陥は、集中力が続かず、ケアレスミスが多くなるなど、学習や生活に支障をきたす特性です。脳内の神経伝達物質(ドーパミンやノルアドレナリン)の働きに関連があるとされ、生活リズムや食事内容が影響を与えるケースもあります。

多動性障害

落ち着きがなく、衝動的な行動を抑えられない状態で、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴のひとつです。学校や家庭でのトラブルの原因になることもあり、適切な支援や環境調整が重要です。近年では腸内細菌との関連性も研究されています。

集中力不足

仕事や勉強に集中できない状態で、睡眠不足やストレス、スマホなどの情報過多も大きな要因です。また、血糖値の急激な上下や栄養バランスの偏りも関係し、腸の不調が原因になることもあります。

攻撃的行動

イライラしやすくなり、他人に対して暴言や暴力などを振るってしまう状態です。睡眠不足やストレス、ホルモンバランスの乱れ、または精神的な疾患が背景にあることがあります。特に男性ホルモンの変動や、血糖値の不安定さが感情の爆発につながることもあります。

過敏症

音や光、におい、肌触りなどに対して過剰に反応してしまう状態です。自閉スペクトラム症などの特性として見られることもありますが、ストレスや神経の過敏化、慢性疲労の影響でも起こります。五感を過度に使う生活環境の見直しも効果的です。

情動不安定

ちょっとしたことで泣いたり怒ったりするなど、感情の振れ幅が大きくなりやすい状態です。女性ではPMS(生理前症候群)や更年期などホルモンの影響で起こることが多く、心の余裕のなさや、栄養・睡眠の質も密接に関係します。

筋骨格系の不調

関節炎

関節に炎症が起き、腫れや痛み、熱感などを伴う症状です。加齢にともなう変形性関節症のほか、自己免疫疾患であるリウマチなども原因となります。慢性的な炎症は腸内環境の悪化と関連することもあり、近年は「リーキーガット症候群」との関係も注目されています。

関節痛

関節部分に痛みが出る症状で、使いすぎや姿勢の悪さ、筋力低下による負担のほか、内科的疾患や気圧の変化に影響されることもあります。一時的なものもありますが、慢性化する場合は炎症や老化が進行しているサインでもあります。

筋肉痛

運動後の筋肉の損傷による痛みが代表的ですが、慢性的なストレスや血流の悪化による筋肉の緊張でも痛みが生じます。ミネラル不足(特にマグネシウムやカルシウム)や脱水が関係していることもあります。

だるさ

全身の倦怠感は、肉体疲労だけでなく、自律神経の乱れやホルモンバランスの崩れによっても引き起こされます。特に腸内環境が悪化していると、栄養の吸収効率が低下し、体がエネルギー不足になりやすくなります。


泌尿器・婦人科系の不調

夜尿症

睡眠中に無意識に排尿してしまう症状で、子どもの場合は発達段階で見られることも多いです。大人に見られる場合は、ストレスや膀胱機能の異常、睡眠障害などが関係することがあります。腸内環境の乱れが自律神経に影響し、排尿リズムが狂うこともあります。

頻尿

1日に何度もトイレに行きたくなる状態で、水分摂取量が多すぎる場合を除けば、膀胱の過敏性や炎症、自律神経の乱れなどが主な原因です。冷えや緊張、ホルモンバランスの影響でも症状が強くなる傾向があります。

尿意切迫

急激に強い尿意を感じ、すぐにトイレに行きたくなる状態です。神経伝達の異常や膀胱の感受性の高まり、精神的な緊張状態などが関係します。過活動膀胱として治療対象になることもあります。

膣のかゆみ

女性特有のデリケートな部分のかゆみで、カンジダや雑菌の繁殖、下着の通気性の悪さなどが原因です。ホルモンバランスの変化や免疫力の低下が背景にあることも多く、腸内環境の悪化が膣内環境にも影響を及ぼすことがあります。

おりもの

おりものは健康な女性にもある自然な分泌物ですが、色・匂い・量が大きく変化する場合は感染やホルモン異常の可能性があります。腟内の自浄作用が低下すると、細菌感染しやすくなり、かゆみや痛みを伴うこともあります。

月経前症候群(PMS)

生理前に起こる心身の不調で、イライラ、頭痛、乳房の張り、眠気、集中力低下などが現れます。これはホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の急激な変動が神経伝達物質に影響するためで、ビタミンB群やマグネシウムの不足、ストレスの蓄積も悪化因子となります。

呼吸器系の不調

喘息

気道が慢性的に炎症を起こし、空気の通り道が狭くなることで、咳・息切れ・ぜん鳴(ヒューヒュー音)などが起こる疾患です。アレルギー反応が関与していることが多く、ダニ・花粉・食物・ストレスなどが引き金になります。腸内環境の乱れが免疫の過敏さに影響し、喘息を悪化させるケースもあります。

胸部不快

胸に重苦しさや詰まりを感じる症状で、呼吸器系・心臓・胃腸の不調などさまざまな要因が考えられます。ストレスや自律神経の乱れが原因となることも多く、内臓に異常がなくても感じる場合があります。不安障害や逆流性食道炎との関連も多く見られます。

慢性咳

風邪が治っても咳が数週間以上続く状態で、アレルギーや後鼻漏(鼻水が喉に流れる)、胃酸の逆流(GERD)、喘息が原因となることが多いです。喉や気管支の粘膜が過敏になっていることもあり、環境の見直しや体内の炎症抑制がカギになります。

咽頭炎

のどの奥にある咽頭がウイルスや細菌、乾燥などにより炎症を起こす状態です。風邪の初期症状の一つでもありますが、繰り返す場合は免疫力の低下や喉の粘膜の乾燥、アレルギーが関係することもあります。鼻や胃腸との関連症状が隠れていることもあります。

鼻水

ウイルス感染やアレルギー反応によって鼻の粘膜が刺激され、分泌物が増えることで鼻水が出ます。透明でさらさらしている場合はアレルギー性、黄色や緑色の場合は細菌感染の可能性があります。腸内環境と免疫の密接な関係から、腸の不調がアレルギー症状を誘発することもあります。

慢性副鼻腔炎

鼻の奥にある副鼻腔に炎症が長引き、膿や鼻づまり、後鼻漏、頭重感などが続く状態です。通称「蓄膿症」とも呼ばれ、免疫の低下やアレルギー体質、アデノイド肥大などが関係します。炎症が慢性化すると、においが感じづらくなることもあります。

循環器系の不調

胸痛

胸の中央や左右に痛みを感じる症状で、心臓疾患(狭心症・心筋梗塞など)が原因の場合もありますが、筋肉の緊張や胃食道逆流、ストレスなどによる非心臓性の痛みも多く存在します。違和感の種類(刺すような、押さえつけられるようななど)で、ある程度原因の目安がつくこともあります。

不整脈

心拍のリズムが不規則になり、動悸・めまい・息切れなどを伴うことがあります。カフェインの過剰摂取やストレス、電解質異常など軽度な原因から、心疾患の前兆である可能性もあるため、頻繁な症状は注意が必要です。自律神経の乱れと深く関係しています。

高血圧

血液が血管を押す圧力が慢性的に高い状態で、動脈硬化や心疾患、脳卒中のリスクを高めます。塩分の過剰摂取、運動不足、遺伝、ストレスなどが要因で、無症状でも進行するため「サイレントキラー」とも呼ばれます。血管の柔軟性を保つための生活習慣改善が基本です。

頻脈

心拍数が安静時でも速くなる状態で、不安や緊張時によく起こりますが、甲状腺機能亢進症や心臓疾患などが原因のこともあります。動悸を感じやすく、息切れや胸の圧迫感を伴うことがあります。交感神経の興奮状態が背景にある場合は、リラックスが有効です。

皮膚の不調

アトピー性皮膚炎

かゆみを伴う慢性的な湿疹が繰り返し起こる皮膚炎で、遺伝的要因と環境的要因が組み合わさって発症します。皮膚のバリア機能が弱く、アレルゲンや細菌に敏感に反応してしまいます。腸内環境と免疫の関係から、腸の状態を整えると改善するケースもあります。

にきび

皮脂腺の働きが活発な部位にできやすく、毛穴の詰まりや細菌の繁殖が原因です。ホルモンバランスの乱れ、ストレス、糖質や脂質の多い食事、腸内環境の悪化などもにきびを悪化させる要因になります。

爪と髪の痛み

爪が割れやすくなったり、髪がパサついたり切れやすくなるのは、栄養不足や血流不良、ホルモン異常が関係している場合が多いです。特にタンパク質、亜鉛、鉄分などが不足していると影響が現れやすく、腸からの栄養吸収が悪くなっているサインかもしれません。

ふけ

頭皮の皮膚が剥がれ落ちる状態で、乾燥や皮脂の過剰分泌、真菌(カビ)の繁殖などが原因です。生活リズムやシャンプーの選び方、ビタミンB群の不足などが関係しており、腸内環境を整えると改善することもあります。

じんましん

皮膚に突然赤い膨らみが現れ、強いかゆみを伴う疾患です。食べ物や薬、ストレス、温度変化などが原因となる即時型アレルギー反応が多いです。慢性的に続く場合は自己免疫や腸内フローラとの関連も疑われています。

ドライスキン

肌の水分保持力が低下し、カサカサした状態になります。冬場の乾燥や加齢、皮膚のバリア機能低下が主な原因ですが、ビタミン不足やホルモンの変化、腸の吸収力低下も関係することがあります。

皮膚の蒼白

顔色や肌が青白く見えるのは、貧血や血流不足、自律神経の働きの低下が原因であることが多いです。疲労がたまっていたり、ストレスで交感神経が過度に働いているサインかもしれません。

目の下のくま

睡眠不足や血流の悪化、皮膚の薄さにより、目の下に黒ずみが現れる状態です。貧血や肝機能の低下、ホルモンの変化が原因となることもあります。腸や肝臓の働きが落ちているときにもよく見られます。

全身の不調

疲労感・倦怠感

休んでもなかなか取れない疲労感は、栄養不足やホルモンバランス、自律神経の乱れが関係していることが多いです。慢性疲労症候群のような病的な疲労もあり、腸内環境の悪化がエネルギー産生に影響を与えている可能性もあります。

過食

満腹を感じる前に食べすぎてしまう状態で、血糖値の急上昇・急降下やストレスが関係します。特に糖質の摂りすぎは、脳の報酬系を刺激して依存状態になることもあります。腸内細菌が甘い物を「欲しがる」という説もあります。

目まい

平衡感覚をつかさどる耳や脳、自律神経の不調により、ふらつきや回転感を感じる症状です。低血圧や貧血、低血糖なども原因となり、腸からの栄養吸収が低下していることも影響します。

頭痛

筋肉の緊張(肩こりなど)による緊張型頭痛、血管の拡張による片頭痛などさまざまなタイプがあります。天候・ホルモン変化・ストレス・腸内環境の悪化などもトリガーになることがあります。

不眠

寝つきが悪い、夜中に目が覚める、熟睡感がないなどの症状で、自律神経やメラトニン(睡眠ホルモン)のバランスが崩れている可能性があります。腸ではメラトニンの前駆物質「セロトニン」が作られるため、腸の状態が睡眠の質にも影響します。

吐気

ストレスや胃腸の不調、ホルモン変化、脳の異常などが原因で起こる不快感です。女性では月経周期や妊娠初期に見られることもありますが、慢性的な吐気は消化器系の疾患や自律神経失調症のサインかもしれません。

むくみ

体内の水分がうまく循環せず、皮下に溜まってしまう状態です。塩分の摂りすぎ、冷え、ホルモンバランスの乱れ、腎臓・肝臓機能の低下が関係しています。血流やリンパの流れが悪いと老廃物も排出されにくくなります。

急激な体重変動

短期間での増減は、ホルモン異常、甲状腺疾患、ストレス、栄養失調、腸内環境の変化など多くの要因が考えられます。特に食事を変えていないのに体重が変化する場合は、内臓機能のサインかもしれません。

肥満

摂取エネルギーが消費を上回る状態が続くことで体脂肪が蓄積します。遺伝やホルモン、腸内フローラのバランスが関係することもあり、腸内の悪玉菌が多いと太りやすくなる傾向があります。

歯ぎしり

睡眠中に無意識に歯を強くこすり合わせる動作で、ストレスの発散や噛み合わせの異常が関係しています。顎関節への負担や、歯の摩耗・破損の原因になるほか、睡眠の質にも影響することがあります。

不定愁訴の原因

不定愁訴 原因

不定愁訴の原因は、「心身のストレス」「不規則な生活習慣」「ホルモンバランスの乱れ」などによる自律神経の乱れがあげられます。

心身のストレスによる不定愁訴

不定愁訴の症状が現れた場合、日常的なストレスによる自律神経の乱れが原因となっている場合があります。

ストレスを受けることで、交感神経が制御する副腎皮質からコルチゾールが分泌され、同時に副腎皮質内でアドレナリンなどが分泌されます。

コルチゾールとアドレナリンが分泌されると、血液循環や代謝を上げて活動性を高めるため、それが一定水準を超えると、イライラ・不安感のような精神的な不具合から、慢性的な疲労やだるさ・頭痛やめまいといった身体的な不具合といった症状が現れます。

不規則な生活習慣による不定愁訴

不規則な生活習慣を続けることで、糖尿病、脂質異常症、高血圧症などの生活習慣病の原因になると共に、自律神経の乱れによる不定愁訴の原因にもなります。

ヒトの体の機能は、地球の自転周期に合わせて約24時間のリズムではたらいており、睡眠や食事など、昼夜の変化に合わせて体温やホルモンの分泌なども変化させています。

朝目覚めると交感神経が優位になり、夕方から夜間にかけては副交感神経が優位に働くようにプログラムされていることから、昼夜逆転の生活や慢性的な寝不足、寝る前にスマホの明るい光を浴び続ける、不規則な食習慣などを続けていると、生体リズムが狂って自律神経が乱れてしまいます。

更年期による不定愁訴

更年期障害やPMS(月経前症候群)による女性ホルモンのバランスの乱れが原因となり、不定愁訴の症状が現れる場合があります。

日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といい、更年期に現れるさまざまな症状を「更年期症状」、その中でも日常生活に支障を来すレベルを「更年期障害」といいます。

更年期には、どうしてもホルモンバランスが乱れることから、ほてり、めまい、気分の落ち込み、頭痛、コリ、冷えなどの不定愁訴が現れやすいため、ホルモンバランスを整える生活習慣を心がけることが大切です。

不定愁訴の解決方法

不定愁訴 解決方法

不定愁訴を解決するためには、自律神経を整える生活習慣に解決することが重要となります。

とはいえ、ストレスをためないように、仕事や人間関係を変えるという手段は非現実的なため、睡眠・食事(栄養)・運動といった手ごろに始められて、継続できることから解決していくといいでしょう。

食事(栄養)

マーガリン、サラダ油、マヨネーズ、スナック菓子、インスタントラーメンなどトランス脂肪酸の多い食品や、過度な砂糖や塩分の摂取は控えましょう。

また、喫煙や過度なアルコールも交感神経を優位に働かせます。ストレスが溜まったからといって、喫煙したりお酒を飲んでしまうのは悪循環になってしまうので、なるべく控えましょう。

栄養の摂取基準については、厚生労働省が開示している『日本人の食事摂取基準』の目標値を目指すのが理想です。

目標値の水準を満たすには、バランスを意識した食事に加え、高品質なサプリメントを正しく摂取することが求められます。食事で賄いきれない栄養をサプリメントで補うことは、不定愁訴の解決においても重要です。

睡眠

睡眠の質をあげる方法として、次のようなポイントがあります。

  • 就寝3時間前には夕食を済ませる
  • 温かい飲み物を飲んで眠気をうながす
  • ぬるめの入浴でリラックスする
  • リラックスできる音楽を聴く
  • 朝食を食べ、夕食にはタンパク質を摂る
  • 寝る1時間前にブルーライトを浴びすぎない
  • 室温・光で心地よい空間を作る

上記のようなポイントに心がけてほしいものの、仕事が忙しいなどの理由で就寝3時間前の食事や、ゆっくり入浴することが難しい状況もあるでしょう。

その場合は、満腹になるまで食べないことや、音楽やアロマなど他の手段でリラックスできる環境を整えるなどして、出来る範囲から改善していきましょう。

運動

適度な運動はストレス発散効果や疲労による睡眠の質の向上や、入眠時間や起床時間が安定しやすくなります。

また、運動時は交感神経が優位になり、運動後はゆっくりと副交感神経が優位になりやすいため、自律神経の調整に効果的といえます。

ただし、激しい運動ではなく楽しく行える有酸素運動が効果的なため、気軽にできるジョギング・ウォーキング・サイクリング・スイミングなどの運動からはじめるといいでしょう。

有酸素運動は、20分~30分程度継続して行うことで効果が得られるため、例えば電車通勤で一つ前の駅で降りて歩いたり、生活の中でできることからはじめてみるといいでしょう。

不定愁訴を解決したい方は

不定愁訴に悩まされ、解決したいと考えている方は、サムライフにご相談ください。

サムライフでは、栄養バランスを整えるフルコンサプリメントの処方や生活習慣に対するアドバイスを行うパーソナルヘルスコーチングなど、不定愁訴の解決するさまざま手段をもっています。

予防医学の専門家として、延べ2万人の相談にのり、解決策を講じてきたサムライフだからこそ、不定愁訴の原因にあわせた解決策をご提案させていただきます。

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