セレンの過剰摂取による悪影響とは?1日の摂取基準量を解説
- セレンの過剰摂取は、身体にどんな影響があるの?
- セレンはどれくらい摂れば十分なの?
- セレンはどんな食材に豊富なの?
セレンの通常の食事からの摂取では、過剰症を起こすことはほとんどありませんが、慢性的な過剰摂取により身体の不調が現れる可能性はあります。
毒性が比較的強いため、サプリメントなどで過剰に摂ると中毒を引き起こすため、注意が必要です。
そこで今回は、予防医学の専門家の観点化から「セレンの摂りすぎ・不足による悪影響」「セレンの摂取基準」「セレンが豊富な食材や摂取方法」について解説します。
食生活を中心とした栄養管理を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。
株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士
薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。
病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。
- 株式会社 サムライフ 代表取締役
- 一般社団法人 日本予防医学マイスター協会 代表理事
- 一般社団法人 日本先進医療臨床研究会 理事
著書:
『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!』
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法』
セレンとは
私たちの身体に欠かせない必須ミネラルは全部で16種類あり、1日の推奨量や目安量が約100㎎以上のミネラルを「多量ミネラル」、100㎎未満のものを「微量ミネラル」と分類しています。
セレンは、体内に約10㎎ほど存在し、土壌・水・特定の食品に含まれる「微量ミネラル」の1つです。
セレンの働きは、主に次の2つがあります。
- 老化予防やがんを抑制する働き
- 有害物質を排出する働き
過酸化脂質の分解に関与する抗酸化酵素の構成成分で、強い抗酸化作用を持ち、老化予防やがん予防につながります。
この働きは、脂質ラジカルの生成を防ぐビタミンEと一緒に摂取することで、より効果が発揮されると注目されています。
また、セレンは水銀などの有害物質を毒性を軽減する働きもあります。
人間の体は、老廃物の他にも食品添加物・大気汚染・タバコの煙などが原因で、身体に入った水銀・鉛・カドミウムなどの化学物質が蓄積されます。
それらを有害ミネラルと呼び、過剰に蓄積されると、生理機能や代謝機能を阻害し、身体・肌・心の不調など、様々な健康被害を引き起こします。
セレンには、有害ミネラルを無毒な化合物質に変化させ、排出する働きがあるため、特に妊娠前の女性は積極的に摂取しましょう。
セレンの過剰摂取による悪影響
通常の食事では過剰症を起こすことはほとんどありませんが、慢性的な過剰摂取により脱毛・爪の変形・嘔吐・下痢・頭痛・しびれ・関節痛・筋肉のけいれん・神経過敏などが起こる可能性があります。
セレンは、毒性が比較的強く、サプリメントなどで過剰に摂ると中毒を引き起こします。
そのため、セレンは食事摂取基準では耐容上限量が定められています。
サプリメントなどで補う場合には、推奨量を超えないよう注意しましょう。
また、過度の出血をきたす可能性もあり、手術などを控えている方は大量出血を防ぐためにも、セレンを飲んでいる旨を担当医に伝えておきましょう。
セレン欠乏で起こる不定愁訴
消化器からの吸収率が50%以上と高いため、通常の食事からのセレンの不足はあまりありません。
しかし、セレンが不足した場合、シミ・しわの増加・筋肉痛・筋力低下・爪の白色化などの不定愁訴の原因になります。
また、慢性的な欠乏は成長障害・肝臓障害・動脈硬化や、克山病という病気では、心不全症状を示し、味覚障害や白内障も引き起こします。
- シミ・しわの増加
- 爪の白色化
これらの不定愁訴はプレゼンティーズムに繋がる可能性もあるため、健康経営の観点からも重要な課題です。
シミ・しわの増加
セレンの不足は、シミ・しわの増加を引き起こす可能性があります。
セレンは、体内では酵素やタンパク質の形で存在し、老化や生活習慣病などをもたらす「活性酸素」から体を守る、強い抗酸化作用を持っています。
活性酸素とは、呼吸で体内に取り込まれて活性化された酸素のことで、他の物質と反応しやすい性質を持つため、活性酸素が大量に生成されると細胞を攻撃して、シミ・しわ・老化などを引き起こします。
爪の白色化
セレンの不足は、爪の白色化を引き起こす可能性があります。
セレンは、爪の成長や健康に重要な役割を果たしているため、セレンが不足すると爪が十分に形成できなくなります。
予防医学の観点からみるビタミンDの摂取量基準
予防医学の観点からみると、30~49歳男性の場合で1日の摂取目標量は50㎍と考えられます。
年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として50㎍を目安にするといいでしょう。
セレンの目標量は50㎍
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』では、セレンの摂取基準である「推奨量」は、男性12~74歳は30~35㎍、女性12~74歳は25~30㎍としています。
ただし、推奨量の基準は、ほとんどの人(97~98%)が欠乏しないラインであり、予防医学の観点では不十分です。
そのため、サムライフでは生活習慣病予防・健康の維持のラインとしてセレンの摂取目標量として1日50㎍を推奨しています。
厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。
私のセレン吸収量の検査結果は「252.8㎍」と50㎍を大きく超える健康的な結果です。
セレンが豊富な食材と摂取量
セレンは、魚類、肉類、卵などに多く含まれており、カルシウム・カリウム・鉄・亜鉛などと同様に、体内では生成することのできない栄養素です。
基本的には、普段の食生活において不足することはあまりありませんが、特に魚介類に多く含まれているため、和食を中心とした食事を摂るようにしましょう。
カテゴリー | 食材 | セレン含有量(㎍) |
---|---|---|
魚類 | まぐろの刺身/50g | 55 |
さばの刺身/50g | 35 | |
かつお節/15g | 48 | |
カタクチイワシ/50g | 20 | |
あじ/50g | 23 | |
肉類 | 豚ヒレ肉/100g | 21 |
豚レバー/50g | 33.5 | |
鶏レバー/50g | 30 | |
その他 | マッシュルーム/50g | 7 |
納豆/50g(1パック) | 8 | |
卵/1個(52g) | 12.48 |
まぐろの刺身
まぐろの刺身には、セレンの他にもビタミンD・ナイアシン・ビタミンB6・ビタミンB12・リン・マグネシウムなどの栄養素も多く含まれます。
まぐろの刺身は、漬け・鉄火巻き・カルパッチョ・まぐろの山かけなど、多くのレシピにアレンジすることができて、冷凍保存も可能です。
1日でセレンを摂取する場合、まぐろの刺身を50g食べることで、1日の目標量を満たすことができます。
かつお節
かつお節には、セレンの他にビタミンB12・鉄・ナイアシンなどが豊富に含まれています。
そもそも鰹節とは、乾燥・カビ付けなどの製造工程から作られる鰹の熟成食品で、人間が生成できない必須アミノ酸も豊富に含んでいます。
おかかのおにぎりや、ほうれん草のお浸し・豆腐・たこやきやお好み焼きのトッピングなど、様々なレシピが人気です。
1日でセレンを摂取する場合、かつお節を15g食べることで、1日の目標量をほとんど満たすことができます。
卵
たんぱく質と脂質が多い卵は、セレンの他にもビオチン・ビタミンB2・ビタミンB12・ビタミンDなどの栄養素も豊富です。
卵焼き・煮卵・茶碗蒸し・親子丼・スープ・サンドイッチ・卵かけご飯など、様々なレシピで重宝します。
1日でセレンを50㎍摂取する場合、卵を約4個摂取する必要があり、卵だけでセレンを摂取するのは現実的ではありません。
セレンの効果的な摂取方法
セレンは、体内に約10mgほど存在し、土壌・水・特定の食品に含まれる必須微量ミネラルで、体内ではほとんど合成できないため、食品から摂る必要があります。
セレン含有量が高い食品として魚介類があげられますが、植物や畜産物中のセレンの含有量は、土壌中や飼料中のセレン含有量に依存するため、環境により含有量が変化します。
ビタミンEと一緒に摂取する
ビタミンEは、セレンと同じく抗酸化作用があるため、老化の予防・防止や、がんを予防する栄養素として注目されています。
ビタミンEと一緒に摂取することで、セレンの効果が高まる為、ビタミンEの豊富なアーモンド・落花生・ドライトマト・モロヘイヤ・西洋かぼちゃなど、ビタミンEの豊富な食材と一緒に摂取しましょう。
和食を中心とした食事を摂る
セレンは主に、魚介類に多く含まれている他、海藻類・穀物類・種実類・きのこ類や味噌など、和食にはこれらの食品が含まれていることが多いです。
土壌中のセレンの割合は土地ごとによって異なり、この差が収穫される食物のセレン量に影響を与えます。
アメリカ南西部は土壌中のセレンの量が少なく、脳卒中の患者数が多いといわれていますが、アジアの食生活はセレンを十分に摂取できており、特に海産物の多い日本食はセレンの宝庫ともいわれています。
そのため、セレンを効率よく摂取するには、和食を中心とした食事を摂ることが大切です。
まとめ
今回は、セレン不足で起こる不定愁訴や病気、セレンの摂取基準や摂取方法について解説してきました。
セレンが不足すると、シミの増加・筋肉痛・筋力低下・爪の白色化などにつながるため、仕事や日常生活にも影響が大きくなります。
セレンの摂取目標量は1日50㎍と、通常の食事でとりきるのには限界があるでしょう。
そのため、適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのフルコンサプリメントで補うことをおすすめします。
私自身、セレンの吸収量が「252.8㎍」と50㎍を大きく超え健康的な水準を維持しているのは、間違いなく食生活とサプリメントの賜物です。
同じように健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。