ビタミンB6欠乏による不定愁訴とは?改善方法を解説

こんな方におすすめ
  • ビタミンB6が不足すると、身体にどんな悪影響があるの?
  • ビタミンB6はどれくらい摂れば十分なの?
  • ビタミンB6はどんな食材に豊富なの?

ビタミンB6が欠乏すると皮膚炎・口角炎・貧血・疲労感などの不定愁訴をはじめ、神経系の異常が起こるリスクがあります。

なかなか皮膚の炎症が収まらない、疲れがとれないなどの症状は、ビタミンB6不足である可能性があります。

そこで今回は、予防医学の専門家の観点化から「ビタミンB6をどのくらい摂取すればよいのか(摂取基準)」「ビタミンB6が豊富な食材や摂取方法」について解説します。

食生活を中心とした栄養管理を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。

関連記事:ビタミンB2が不足するとどうなる?1日に摂るべき摂取量も解説

監修者

株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士

薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。

病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。

著書:
4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法

目次

ビタミンB6とは

ビタミンB6は水溶性のビタミンの一種であり、ピリドキシンとも呼ばれている栄養素です。

ビタミンB6には、次のような役割があります。

  • タンパク質を分解してエネルギーに変え、筋肉・血液・抗体などをつくる際のサポートをする役割
  • タンパク質を産生し、健やかな髪・皮膚・歯を作ったり、成長を促進させる役割
  • セロトニン・ドーパミン・アドレナリンなどの神経伝達物質の合成を助け、脳を正常に保つ役割
  • 脂肪の代謝をサポートし、脂肪肝を予防する役割
  • エストロゲンの代謝に関わり、ホルモンバランスを整える役割

ビタミンB6は、分解されたアミノ酸がヒトの体特有のタンパク質に再合成されるのを手助けし、皮膚・髪・歯などの健康維持に役立っています。

そのため、筋肉を鍛えていたり、タンパク質を多く摂る人ほどビタミンB6の必要量が増えます。

疲労回復にも役立つビタミンB6は、約100種類の酵素の働きを助ける補酵素として、重要な役割を担っているビタミンの1つです。

脂質の代謝もサポートし、肝臓に脂肪が蓄積するのをセーブするように作用する為、お酒をよく飲む人は脂肪肝を防ぐために、ビタミンB6を積極的に摂取しましょう。

また、女性にもとても大切な栄養素で、赤血球の合成にも役立つため、PMS(月経前症候群)の症状を和らげる働きがあるといわれています。

ビタミンB6が不足すると、つわりの症状につながるとも考えられているため、ビタミンB6を積極的に摂取することで、アミノ酸の代謝が適切に働き、つわりの症状の緩和にもつながります。

ビタミンB6が不足すると起こる不定愁訴

ビタミンB6が不足すると起こる不定愁訴

ビタミンB6の欠乏は、皮膚炎・口角炎・貧血・疲労感などの不定愁訴の原因になります。

また、これらの不定愁訴を放っておくことで、神経系の異常が起こるリスクがあります。

ビタミンB6欠乏による不定愁訴(抜粋)
  • 皮膚炎
  • 口内炎・口角炎・舌炎
  • 貧血
  • 疲労感・倦怠感

これらの不定愁訴はプレゼンティーズムに繋がる可能性もあるため、健康経営の観点からも重要な課題です。

皮膚炎

ビタミンB6は皮膚炎を予防することから発見されたビタミンといわれており、不足すると肌トラブルや目・鼻・口・耳の周辺に湿疹を引き起こします。

ビタミンB6には、皮膚の新陳代謝である「ターンオーバー」を促す作用ががあるため、乱れると肌荒れやくすみ、ハリの低下などを招くため、美肌作りにビタミンB6は欠かせません。

また、皮脂の量を調節する作用もあるため、皮脂の過剰な分泌などで起こるニキビや、角質が気になるなどの症状はビタミンB6不足が原因かもしれません。

口内炎・口角炎・舌炎

ビタミンB6は皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあるため、不足すると、口内炎・口角炎・舌炎などの原因になります。

また、ビタミンB6が不足すると、細菌への抵抗力が低下してしまい、炎症を起こしやすくなります。

貧血

ビタミンB6は、赤血球の形成に必要なビタミンのため、欠乏症になると貧血を起こすこともあります。

鉄・ビタミンB12・葉酸を補っても貧血が続く方は、ビタミンB6欠乏も考えましょう。

また、合わせてタンパク質不足も貧血になりやすくなります。

疲労感・倦怠感

ビタミンB6はエネルギー代謝を高める役割がある為、欠乏すると、疲労感や倦怠感を感じます。

疲労感や倦怠感を感じないためにはエネルギー代謝を落とさないことがポイントのため、ビタミンB6をはじめ、ビタミンB群を積極的に摂ると良いでしょう。

ビタミンB6が不足すると起こる神経系の異常

ビタミンB6が不足すると起こる神経系の異常

ビタミンB6が不足すると、脂漏性皮膚炎やインスリンの分泌低下、うつ状態・錯乱・脳波異常・けいれん発作などの神経系の異常が起こることがあります。

また、まれに乳児でビタミンB6欠乏症によるけいれん発作が起こることがあり、こうした乳児のけいれん発作に対する治療では、抗てんかん薬が効かないことがあります。

ビタミンB6欠乏の原因

ビタミンB6欠乏の原因

食事からのビタミンB6の摂取不足の方や、アルコールを多量に摂取する方にビタミンB6欠乏の症状が多くみられます。

また、血液透析中に起こるビタミンB6の過度の損失や、身体に蓄えられているビタミンB6を使い果たす薬の使用も、ビタミンB6欠乏の原因と考えられます。

食事からのビタミンB6摂取不足

ビタミンB6の主な摂取方法は食事からですが、十分に摂取できていないことが1つの原因です。

腸内細菌によってもつくられることから、一般的にはきちんとした食事を毎日摂っていれば不足しにくい栄養素です。

外食やインスタント食品などの偏った食事をしている方も、十分な注意が必要です。

またビタミンB6単独で欠乏していることは少なく、他のビタミン不足と関連して起こることがほとんどです。

薬の服用

抗生物質を長期間投与された患者などでは、腸内細菌のバランスが崩れることによって、ビタミンB6を合成する働きが低下し、ビタミンB6の欠乏症が起こる場合があります。

また、女性の場合は妊娠・授乳中・ピルの服用時は、ホルモンの関係でビタミンB6の必要量が増加する為、体内のビタミンB6が不足しやすくなります。

予防医学の観点からみるビタミンB6の摂取量基準

予防医学の観点からみると、30~49歳男性の場合で1日の摂取目標量は7㎎と考えられます。

年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として7㎎を目安にするといいでしょう。

ビタミンB6の目標量は7㎎

厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』では、ビタミンB6の摂取基準である「推奨量」は、男性10~74歳は1.1~1.5㎎、女性10~74歳は1.1~1.3㎎としています。

ただし、推奨量の基準は、ほとんどの人(97~98%)が欠乏しないラインであり、予防医学の観点では不十分です。

ビタミンB6の食事摂取基準

引用:日本人の食事摂取基準(2020 年版)

そのため、サムライフでは生活習慣病予防・健康の維持のラインとしてビタミンB6の摂取目標量として1日7㎎を推奨しています

厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。

代表 坂田

私のビタミンB6吸収量の検査結果は「25.5㎎」と7mgを大きく超える結果でした。

参考:多業界にわたる予防医学の知見

ビタミンB6の食事からの過剰摂取による健康被害は報告なし

通常の食事からの過剰摂取過による健康障害は報告されていません。

サプリメントなどで一度に大量摂取すると、抹消感覚神経炎、知覚神経障害、シュウ酸腎臓結石などが起こる危険性があります。

代表 坂田

私自身は数値的に過剰摂取ではありますが、それによって健康を害したり不定愁訴が起こっていません。

ビタミンB6が豊富な食材と摂取量

ビタミンB6が豊富な食材と摂取量

ビタミンB6は主に食事から摂取でき、肉類・魚類・果物・野菜などに多く含まれます。

特に、魚や肉などの動物性食品に多く含まれており、牛レバー・ビンチョウマグロ・カツオはビタミンB6含有量が豊富です。

豆類・穀類・野菜・果物にも含まれていますが、植物性食品に含まれるビタミンB6は体内での利用率が低いので、動物性食品から摂取した方が効率が良いです。

ビタミンB6が豊富な食材とビタミンB6の含有量は、次の表の通りです。

カテゴリー食材ビタミンB6含有量(mg)
肉類牛レバー/100g0.9
鶏ささみ/100g 0.6
鶏レバー/100g0.66
魚類カツオ/1切れ100g0.76
ビンチョウマグロ/1切100g0.94
サケ/1切れ80g0.51
サンマ/1尾100g0.51
サバ/1切れ80g0.41
その他バナナ/1本100g0.38
さつまいも/100g0.28
生にんにく/100g1.53

牛レバー

貧血予防に効果的な食材として人気のレバーは、肉類の中でもビタミンB6の含有量が豊富です。

牛レバーは、タンパク質・脂質・炭水化物の順に三大栄養素の割合が高く、ビタミンA・ビタミンB2・ナイアシン・セレン・亜鉛・鉄など、他の栄養素も豊富に含まれています。

しかし、1日で7mgを摂取する場合、約700gを食べる必要があり、毎日の摂取は現実的ではありません。

ビンチョウマグロ

ビンチョウマグロは魚類の中でもビタミンB6が豊富で、他にもセレン・リン・ビタミンB12・ビタミンD・ナイアシン等のビタミンやミネラルも豊富に含まれています。

また、ビンチョウマグロは100gあたりタンパク質26gと豊富で、脂質は0.7gと少なく、積極的に摂りたい食材です。

しかし、1日で7mgを摂取する場合、約700g食べる必要があり、現実的に毎日摂取できる量ではありません

にんにく

疲労回復に欠かせないにんにくですが、非常に多くのビタミンB6を含んでいます。

しかし、多量ににんにくを摂取した場合、血圧低下・貧血・めまい・嘔吐といった症状を引き起こす原因にもなります。

1日で7mgを摂取する場合、にんにく約500gを摂取する必要があり、現実的ではありません。

代表 坂田

このようにビタミンB6が豊富な食材であっても、予防医学の観点からすると十分摂取するのは難しいのです。そのため、健康的な食事に加え、正しくサプリメントを選び、摂ることが重要になります。

ビタミンB6の摂取方法

ビタミンB6の摂取方法

ビタミンB6は、肉や魚などの動物性食品に多く含まれ、熱に強いため加熱調理しても栄養素はほとんど壊れることはありません。

しかし、水溶性のビタミンのため水に溶けだしやすいので、煮汁ごと食べられる調理がおすすめです。

摂取するタイミング

ビタミンB6は、過剰に摂取しても体内に蓄積されずに尿として排出されてしまうため、数時間ごとにこまめに摂取することをおすすめします。

1日2~3食に分けて、意識的に摂るようにしましょう。

効果的な食べ合わせ

ビタミンB6はアミノ酸の再合成を手助けする補酵素として働くため、タンパク質と合わせて摂取することがおすすめです。

まぐろとにんにくに焼きのりをちらしてユッケ風など、脂肪肝を防ぐ働きもありおすすめです。

まとめ

今回は、ビタミンB6の欠乏による不定愁訴や病気、ビタミンB6の摂取基準や摂取方法について解説してきました。

ビタミンB6が不足すると、皮膚炎・口角炎・貧血・疲労感などにつながるため、仕事や日常生活にも影響が大きくなります。

ビタミンB6の摂取目標量は1日7mgと、通常の食事でとりきるのには限界があるでしょう。

そのため、適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのフルコンサプリメントで補うことをおすすめします。

私自身、ビタミンB6の吸収量が「85.3mg」と7mgを大きく超え健康的な水準を維持しているのは、間違いなく食生活とサプリメントの賜物です。

同じように健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次