ビタミンEの目標摂取量とは?豊富な食材についても解説
- ビタミンEの摂りすぎは、身体にどんな影響があるの?
- ビタミンEはどれくらい摂れば十分なの?
- ビタミンEはどんな食材に豊富なの?
ビタミンEの通常の食事からの摂取では、過剰症を起こすことはほとんどありませんが、慢性的な過剰摂取により身体の不調が現れる可能性はあります。
長期間摂りすぎたり、サプリメントなどで補う場合には、推奨量を超えないように注意しましょう。
そこで今回は、予防医学の専門家の観点化から「ビタミンEの摂りすぎ・不足による悪影響」「ビタミンEの摂取基準」「ビタミンEが豊富な食材や摂取方法」について解説します。
食生活を中心とした栄養管理を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。
株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士
薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。
病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。
- 株式会社 サムライフ 代表取締役
- 一般社団法人 日本予防医学マイスター協会 代表理事
- 一般社団法人 日本先進医療臨床研究会 理事
著書:
『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!』
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法』
ビタミンEとは
脂溶性ビタミンであるビタミンEは、強い抗酸化力を持ち、別名「若返りのビタミン」とも呼ばれています。
ビタミンEの働きは、主に次の3つがあります。
- 皮膚の老化を抑える働き
- 血行を良くして冷え性を改善する働き
- 血液中の悪玉コレステロール(LDL)の酸化を防ぐ働き
皮膚の細胞膜を構成するリン脂質には不飽和脂肪酸が多く含まれ、これが酸化すると過酸化脂質が生じ、細胞が傷ついてシミ・しわが増えるなど、皮膚が老化していきます。
しかし、ビタミンEは広く細胞膜に存在して有害な過酸化脂質の生成を防ぐため、シミ・しわの増加を防いでくれます。
また、末梢神経をひろげて血行を良くする働きもあることから、筋肉に必要な栄養や酸素をすみずみまで運び、血行障害によって生じる肩こりや頭痛・冷え性などの改善効果も期待されています。
ビタミンEは、強い抗酸化力を持つビタミンのため、血液中の悪玉コレステロール(LDL)の酸化を防ぎ、動脈硬化や脳梗塞・心筋梗塞など、生活習慣病の予防効果も期待されています。
ビタミンEの摂りすぎによる健康被害
通常の食事では過剰症を起こすことはほとんどありませんが、慢性的な過剰摂取により軽度の肝障害を起こしたり、血液凝固能力が落ちて切り傷などで出血しやすくなる可能性があります。
そのため、ビタミンEは食事摂取基準では耐容上限量が定められています。
長期間摂りすぎたり、サプリメントなどで補う場合には、推奨量を超えないよう注意しましょう。
ビタミンE不足で起こる不定愁訴
ビタミンEが不足すると、シミ・しわの増加や、冷え性・頭痛・肩こりといった神経障害や筋障害などの不定愁訴の原因になります。
また、未熟児や乳幼児では赤血球膜の抵抗力が弱り、溶血性貧血を起こすこともあります。
- シミ・しわの増加
- 冷え性・頭痛・肩こり
これらの不定愁訴はプレゼンティーズムに繋がる可能性もあるため、健康経営の観点からも重要な課題です。
シミ・しわの増加
皮膚の細胞膜を構成するリン脂質には不飽和脂肪酸が多く含まれており、これが酸化すると有害な過酸化脂質が生じ、細胞が傷ついてシミ・しわが増えるなど、皮膚が老化していきます。
また、抗酸化力が低下し、紫外線などの刺激から肌を守りにくくなるため、シミやしわができやすくなります。
ビタミンEには、細胞膜の保護やコラーゲンの生成を助ける働きもあり、不足すると皮膚の弾力性が低下し、しわの形成を促進させる可能性があります。
その他にも、ビタミンEの不足により、皮膚の乾燥を引き起こし、肌の保湿力が低下することで、シミやしわが目立つこともあります。
冷え性・頭痛・肩こり
ビタミンEには、末梢神経をひろげて血行を良くする働きもあることから、筋肉に必要な栄養や酸素をすみずみまで運びます。
しかし、ビタミンEが不足すると血行障害が生じ、冷え性や肩こり・頭痛など、神経障害や筋障害の症状が起こりやすくなります。
また、血行不良により、貧血症状などがみられることもあります。
予防医学の観点からみるビタミンEの摂取量基準
予防医学の観点からみると、30~49歳男性の場合で1日の摂取目標量150㎎と考えられます。
年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として150㎎を目安にするといいでしょう。
ビタミンEの目標量は150㎎
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』では、ビタミンEの摂取基準である「目安量」は、男性10~74歳は5.5~7.0㎎、女性10~74歳は5.0~6.0㎎としています。
ただし、目安量の基準は、一定の栄養状態を維持するには十分な量ではありますが、予防医学の観点では不十分です。
そのため、サムライフでは生活習慣病予防・健康の維持のラインとしてビタミンEの摂取目標量として1日150㎎を推奨しています。
厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。
ビタミンEが豊富な食材と摂取量
ビタミンEは、種実類・野菜類・魚介類・油脂類に多く含まれています。
脂溶性ビタミンのため、水洗いや加熱調理による栄養素の損失が少なく、炒め調理にとり入れやすいというメリットがあります。
ナッツ類やアボカドといった脂質が豊富な食べ物は、かぼちゃやモロヘイヤなどの脂質が少ない食材と合わせると、効率よく摂取できます。
カテゴリー | 食材 | ビタミンE含有量(㎎) |
---|---|---|
種実類 | アーモンド/10g | 3 |
ヘーゼルナッツ/10g | 1.8 | |
豆類 | 落花生/10g | 1.1 |
野菜類 | モロヘイヤ/50g | 3.25 |
ドライトマト/10g | 1.8 | |
西洋かぼちゃ/50g | 1.9 | |
アボカド/50g | 1.65 | |
魚介類 | はまち/50g | 2.3 |
銀鱈/50g | 2.3 | |
油脂類 | オリーブオイル/大さじ1(12g) | 0.89 |
アマニ油/大さじ1(12g) | 0.29 |
アーモンド
ビタミンEが豊富なアーモンドは、他にもビタミンB2・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・カルシウム・カリウム・マグネシウム・亜鉛・鉄・リン・銅・マンガン等、様々な栄養素が豊富に含まれています。
しかし、脂質も多く含まれるという特徴もあるため、栄養素が豊富だからと言って、摂りすぎないように注意しましょう。
1日でビタミンE150㎎を摂取する場合、アーモンドを約500g食べることで、1日の目標量を満たすことができますが、アーモンドだけでビタミンEを摂取するのは現実的ではありません。
モロヘイヤ
ビタミンE以外にも、ビタミンK・ビタミンA・葉酸も豊富なモロヘイヤは、サラダやスープなどのレシピがおすすめです。
モロヘイヤの葉は、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜よりも栄養価が高く、低カロリーなため、普段から緑黄色野菜の摂取量が少ない方は、意識して摂取すると良いでしょう。
野菜類からビタミンEを効果的に摂取したい場合は、できるだけ陽の当たらない冷暗所で保管するのがおすすめです。
1日でビタミンE150㎎を摂取する場合、モロヘイヤを約2300g摂取する必要があり、モロヘイヤだけでビタミンEを摂取するのは現実的ではありません。
オリーブオイル
オリーブオイル(エキストラバージンオリーブオイル)は、ビタミンEの他にも、ビタミンK・一価不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
油脂類の中では酸化しにくい性質のため、揚げ物や炒め物にはオリーブオイルの使用がおすすめです。
美容や健康のために必要な栄養素を含むオリーブオイルですが、過剰摂取すると高脂血症や肥満・胸やけ・下痢などの原因になる可能性があります。
過剰摂取には注意し、サラダに大さじ1杯かけるなど、少量ずつ摂取しましょう。
1日でビタミンE150㎎を摂取する場合、オリーブオイルを大さじ168杯摂取する必要があり、オリーブオイルだけでビタミンEを摂取するのは現実的ではありません。
ビタミンEの効果的な摂取方法
ビタミンEは脂溶性のため、ビタミンCや脂質と一緒に摂ると効果的に摂取が出来ます。
また、身体に蓄えることができるため、1日に必要な量であれば、摂取回数は何回でも構いません。
ビタミンCと一緒に摂取する
ビタミンEは、抗酸化作用の高い水溶性のビタミンCと一緒に摂取すると相乗効果が期待でき、ビタミンEの酸化も防いでくれます。
ビタミンCの豊富な緑黄色野菜と、ビタミンEの豊富なアーモンドやアボカドをトッピングして、オリーブオイルや塩で味付けしたサラダなどが効果的に摂取できます。
また、βカロテン・ビタミンB2・セレンなども抗酸化力を持っているため、あわせて摂るとなお効果的です。
脂質と一緒に摂取する
ビタミンEは、脂溶性のビタミンのため油との相性が良く、一緒に摂取することで吸収効率がアップします。
アボカドやナッツなどの脂質の豊富な食材に、オリーブオイルなどで作ったドレッシングをかけると効果的に摂取ができます。
また、ビタミンEは水に溶けにくく熱に強い特徴があるため、油を使って炒め調理をしても、ビタミンEの損失を気にする必要はないでしょう。
摂取するタイミング
脂溶性のビタミンEは、身体に蓄えることができるため、1日に必要な量であれば摂取回数は何回でも構いません。
ただし、脂溶性のため、油を含んだ料理と一緒に摂取すると吸収効率が良くなるので、食事中もしくは食後に摂ることをおすすめします。
まとめ
今回は、ビタミンEの摂りすぎで起こる健康被害、ビタミンE不足で起こる不定愁訴や病気、ビタミンEの摂取基準や摂取方法について解説してきました。
ビタミンEが不足すると、シミ・しわの増加や、冷え性・頭痛・肩こりといった神経障害や筋障害などにつながるため、仕事や日常生活にも影響が大きくなります。
ビタミンEの摂取目標量は1日150㎎と、通常の食事でとりきるのには限界があるでしょう。
そのため、適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのフルコンサプリメントで補うことをおすすめします。
健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。