ビタミンDの摂取基準量とは?ビタミンD不足による不定愁訴について解説

こんな方におすすめ
  • ビタミンDの不足は、身体にどんな悪影響があるの?
  • ビタミンDはどれくらい摂れば十分なの?
  • ビタミンDはどんな食材に豊富なの?

ビタミンDが不足すると、筋肉痛・筋力低下などの不定愁訴をはじめ、骨軟化症や骨粗しょう症、子どもではくる病を引き起こすリスクがあります。

食事からだけでなく、日光を浴びることでも生成されるビタミンDですが、日光を浴びる時間が少ない方は、ビタミンD 不足に注意が必要です。

そこで今回は、「ビタミンDをどのくらい摂取すればよいのか(摂取基準)」「ビタミンDが豊富な食材や摂取方法」について解説します。

食事と生活を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。

監修者

株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士

薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。

病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。

著書:
4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法

目次

ビタミンDとは

脂溶性ビタミンであるビタミンDは、カルシウムリンの吸収を促進して骨を健康に保つなど、骨の形成に重要なビタミンです。

脂溶性ビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの4種類です。一方で、水溶性ビタミンが、ビタミンCビタミンB1ビタミンB2ビタミンB6ビタミンB12ナイアシンパントテン酸葉酸ビオチンの9種類です。

ビタミンDは、食品から摂取する以外に、日光を浴びることでも生成されます。

ビタミンDには、主に次の2つの働きがあります。

  • 骨を健康に保つ働き
  • 免疫を高める働き

食べ物から摂ったビタミンDは、肝臓と腎臓の酵素によって活性型ビタミンDに変換され、小腸でカルシウムリンの吸収を促し、血中のカルシウム濃度を高めて骨や歯に届けるため、骨の形成を促進させます。

また、血液中のカルシウムの神経伝達や筋肉の収縮という重要な働きもコントロールしています。

血中カルシウム濃度が低下すると、副甲状腺ホルモン分泌が増加して骨からカルシウムを溶かし、濃度を調整させ、血中カルシウム濃度を一定に保ちます。

ビタミンDには、免疫を高める働きもあり、脳や腎臓・腸管・神経・心臓などにも入り込み、いろいろな調整役をしながら多くの機能に関わっていて、免疫細胞を増やす働きにも注目されています。

ビタミンD不足による不定愁訴

ビタミンD不足で起こる不定愁訴

ビタミンDの不足は、筋肉痛・筋力低下・骨軟化症などの不定愁訴の原因になります。

また、子どもの場合は骨の成長障害が起こり背骨や足の骨が曲がったり、X脚・O脚・くる病になる可能性があります。

高齢者や閉経後の女性のビタミンD不足は、骨粗しょう症の原因にもなります。

ビタミンD不足による不定愁訴(抜粋)
  • 筋肉痛・筋力低下
  • 骨軟化症

これらの不定愁訴はプレゼンティーズムに繋がる可能性もあるため、健康経営の観点からも重要な課題です。

筋肉痛・筋力低下

ビタミンDが不足すると、筋肉痛や筋力低下の原因になる場合があります。

ビタミンDは、体内でカルシウムリンの吸収に関与する重要な栄養素のため、不足すると骨や筋肉の健康に影響を与え、筋肉痛や筋力低下を起こす可能性があります。

特に日光を浴びる機会が少ない人や、バランスの悪い食事をしている人は注意が必要です。

骨軟化症

ビタミンDが不足すると、成人、特に妊婦さんや授乳中の方に骨軟化症が起こる可能性があります。

ビタミンDは、カルシウムリンなどの骨の形成に必要な栄養素の吸収を助ける働きがあるため、不足すると骨が十分に形成できなくなります。

そのため、ビタミンDの摂取が不足したり日光を浴びる時間が少ないと骨軟化症を発症することがあります。

症状としては、骨折しやすい・股関節や骨盤などの痛み・筋力低下による歩行障害・脊髄の変形などがあげられます。

また、骨が成長する前の子どもに発症するものは、「くる病」と呼ばれます。

ビタミンDの摂りすぎによる悪影響

ビタミンDの摂りすぎによる悪影響

通常の食事では過剰症を起こすことはほとんどありませんが、過剰摂取により食欲不振・吐き気・体重減少・筋力低下・高血圧・神経過敏・不整脈などが起こる可能性があります。

より重症なものでは、血液中のカルシウム濃度が上昇し、血管壁や心筋、肺などにカルシウムが沈着し、腎機能障害や軟組織の石灰化障害を起こします。

また、腎結石の頻度が増す可能性もあります。

そのため、ビタミンDは食事摂取基準では耐容上限量が定められています。

ビタミンDの食事摂取基準

引用:日本人の食事摂取基準(2020 年版)

予防医学の観点からみるビタミンDの摂取量基準

予防医学の観点からみると、30~49歳男性の場合で1日の摂取目標量は20㎍と考えられます。

年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として20㎍を目安にするといいでしょう。

ビタミンDの目標量は20㎍

厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』では、ビタミンDの摂取基準である「目安量」は、男性12~74歳は8.0~9.0㎍、女性12~74歳は8.5~9.5㎍としています。

ただし、目安量の基準は、ほとんどの人(97~98%)が欠乏しないラインであり、予防医学の観点では不十分です。

ビタミンDの食事摂取基準

引用:日本人の食事摂取基準(2020 年版)

そのため、サムライフでは生活習慣病予防・健康の維持のラインとしてビタミンDの摂取目標量として1日20㎍を推奨しています

厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。

代表 坂田

私のビタミンD吸収量の検査結果は「33.3㎍」と20㎍を大きく超える健康的な結果です。

参考:多業界にわたる予防医学の知見

ビタミンDが豊富な食材と摂取量

ビタミンDが豊富な食材と摂取量

魚類・きのこ類に多く含まれているビタミンDですが、野菜類・穀物類・豆類・いも類にはほとんど含まれません。

とくに魚はカルシウムも豊富なため、骨の健康維持に欠かせない栄養素です。

また、卵のビタミンDは、卵白にはほとんど含まれず、卵黄に多く含まれるのが特徴です。

カテゴリー食材ビタミンD含有量(㎍)
魚類鮭/80g(切り身)26.4
さんま/98g(1尾の可食部)15.68
まいわし/32g(1尾の可食部)10.24
あじ/100g(1尾の可食部)8.9
しらす/30g18.3
きのこ類乾燥椎茸/30g5.1
生椎茸/30g0.63
エリンギ/30g1.36
きくらげ/30g25.5
その他卵/1個1.98
さつまあげ/1枚0.59
鶏もも肉(皮なし)/100g0.2

ビタミンDが豊富に含まれている鮭ですが、ビタミンB12ビタミンB6ナイアシンパントテン酸も豊富に含まれています。

また、動脈硬化や血栓の予防・血圧を下げるなど、アマニ油やえごま油に豊富な、オメガ3脂肪酸も豊富です。

鮭は、ビタミンA葉酸が不足するため、レバー・人参・ピーマン・かぼちゃ・モロヘイヤなどと一緒に摂取することが望ましく、同時に摂取できるきんぴらごぼうなどもおすすめです。

1日でビタミンDを摂取する場合、鮭を1切れ(80g)食べることで、1日の目標量を満たすことができます。

乾燥椎茸

乾燥椎茸は、ビタミンD・パントテン酸が豊富に含まれています。

椎茸は、紫外線にあたるとビタミンDが増えるため、生の椎茸よりも乾燥椎茸の方がビタミンD含有量が多いことがわかります。

時間に余裕があれば、調理前に椎茸を天日干しにしてから使うと良いでしょう。

1日でビタミンDを20㎍摂取する場合、乾燥椎茸を約120g摂取する必要があり、乾燥椎茸だけでビタミンDを摂取するのは現実的ではありません。

きくらげ

きくらげは、ビタミンDが豊富に含まれていますが、その他にも鉄・ビタミンB2カルシウムなどが豊富に含まれています。

また、不溶性・水溶性のどちらの食物繊維も含まれているため、どちらの食物繊維も摂ることで、腸内環境の改善につながります。

便秘改善や血糖値の上昇を抑える働き・糖質が脂肪に変わるのを防いでくれる働き・血圧を下げてくれる働きなど、様々な働きがあるきくらげは、30gを摂取することで、1日のビタミンD摂取目標量を満たすことができます。

ビタミンDの効果的な摂取方法

ビタミンDの効果的な摂取方法

ビタミンDは脂溶性のため、魚や肉などの動物性食品から摂取したほうが効率よく吸収されますが、きのこ類も炒め物や揚げ物にすれば、吸収率がアップします。

食事からの摂取が望ましいですが、なかなか摂取することが難しい方は、日光から生成したり、サプリメントから摂取してもよいでしょう。

脂肪を含む食品や油を使うと吸収率がアップする

ビタミンDは、脂肪を含む食品や油を含んだ料理と一緒に摂ると吸収が良くなるので、食事中や食後に摂ることをおすすめします。

脂溶性のビタミンDは、身体に蓄えることができるのため、1日の必要量の範囲であれば、摂取回数は何回でも構いません。

カルシウム・ビタミンKと一緒に摂取する

ビタミンDは、カルシウム・ビタミンKとの相性が良いので、モロヘイヤ・小松菜や、生揚げ・豆腐・納豆などの豆製品と一緒に摂取することがおすすめです。

ビタミンDは、腸管からのカルシウム吸収をサポートし、吸収されたカルシウムの多くは丈夫な骨の維持に利用されます。

ビタミンDとビタミンKは骨の形成をサポートする役割があるため、骨へのカルシウム沈着を促進します。

丈夫な骨作りに欠かせない、ビタミンD・カルシウム・ビタミンKは一緒に摂取することが望ましいでしょう。

日光浴から生成する

ビタミンDは食品から摂取する以外にも、日光浴によって生成することができます。

人間の皮膚には、ビタミン前駆体のプロビタミンD3が存在し、日光からの紫外線によって、ビタミンDに変換されます。

そのため、外で日光を浴びる時間がある方はビタミンD不足に陥る心配はあまりありません。

しかし、外出する機会があまりない方・日焼け止めを塗る方・高齢者の方は、皮膚でのビタミンD産生能力が低下しているため、ビタミンD不足に注意が必要です。

まとめ

今回は、ビタミンDの不足による不定愁訴や病気、ビタミンDの摂取基準や摂取方法について解説してきました。

ビタミンDが不足すると、筋肉痛・筋力低下・骨軟化症、子どもの場合ではくる病につながるため、仕事や日常生活にも影響が大きくなります。

ビタミンDの摂取目標量は1日20㎍と、通常の食事でとりきるのには限界があるでしょう。

そのため、適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのフルコンサプリメントで補うことをおすすめします。

私自身、ビタミンDの吸収量が「33.3㎍」と20㎍を大きく超え健康的な水準を維持しているのは、間違いなく食生活とサプリメントの賜物です。

同じように健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。

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