ビオチンの摂りすぎによる影響は?摂取量基準について解説
- ビオチンの摂りすぎは、身体にどんな影響があるの?
- ビオチンはどれくらい摂れば十分なの?
- ビオチンはどんな食材に豊富なの?
ビオチンは、皮膚や粘膜の維持、爪や髪の健康に深くかかわっているビタミンで、にきびやアトピー性皮膚炎・脱毛・白髪などの改善にも有効と考えられ、積極的に摂取したい栄養素です。
ビオチンを摂りすぎることによる身体への悪影響は基本的にないと考えられていますが、身体の不調が現れる可能性はあります。
そこで今回は、予防医学の専門家の観点化から「ビオチンの摂りすぎ・不足による悪影響」「ビオチンの摂取基準」「ビオチンが豊富な食材や摂取方法」について解説します。
食生活を中心とした栄養管理を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。
株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士
薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。
病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。
- 株式会社 サムライフ 代表取締役
- 一般社団法人 日本予防医学マイスター協会 代表理事
- 一般社団法人 日本先進医療臨床研究会 理事
著書:
『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!』
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法』
ビオチンとは
ビオチンは、肉類・魚介類・きのこ類・種実類・卵類など、様々な食品に広く含まれていて、腸内細菌によっても合成されます。
水溶性ビタミンであるビオチンは、主に次の2つの働きがあります。
- 皮膚や髪の健康を守る働き
- エネルギー代謝をサポートする働き
皮膚や粘膜の維持、爪や髪の健康に深くかかわっているビタミンで、皮膚の炎症を防止する働きがあります。
そもそも皮膚炎を予防することから発見されたビオチンは、にきびやアトピー性皮膚炎・脱毛・白髪などの改善にも有効と考えられます。
また、三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)がエネルギーに変わるときに、それぞれの代謝をサポートします。
特に糖質の代謝では、ピルビン酸カルボキシラーゼの補酵素として働き、重要な役割を担っています。
ビオチンには、摂取することで疲労回復が期待できるほか、肌や皮膚・髪の毛の健康を維持する効果が期待できるといえるでしょう。
ビオチンの摂りすぎによる健康被害
通常の食事からの、ビオチンの摂りすぎによる身体への悪影響は基本的にないと考えられています。
ビオチンは、体内に蓄積されずに排出される水溶性ビタミンであり、過剰摂取しても身体に蓄積されないためです。
そのため、耐容上限量は設定されていません。
ビオチン不足による不定愁訴
ビオチンの不足は、皮膚炎・脱毛などの不定愁訴の原因になります。
腸内細菌によっても合成されるため、通常の食生活では欠乏することはないと考えられますが、必要量を維持できない場合、ビオチン欠乏が起こる可能性があります。
- 皮膚炎
- 脱毛
これらの不定愁訴はプレゼンティーズムに繋がる可能性もあるため、健康経営の観点からも重要な課題です。
皮膚炎
ビオチンは、皮膚や髪の健康と深くかかわっているビタミンで、そもそも皮膚炎を予防することから発見されました。
皮膚の炎症を防止する働きがあり、にきびやアトピー性皮膚炎などの改善にも有効と考えられます。
そのため、ビオチンが不足するとアトピー性皮膚炎を始めとした炎症性の皮膚疾患を発症するリスクが高くなります。
脱毛
アミノ酸の合成に関与しているビオチンは、健康な髪を育てるために欠かせない栄養素です。
そのため、体内のビオチンが不足すると、脱毛や白髪などの症状が現れることがあります。
予防医学の観点からみるビオチンの摂取量基準
予防医学の観点からみると、30~49歳男性の場合で1日の摂取目標量は90㎍と考えられます。
年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として90㎍を目安にするといいでしょう。
ビオチンの目標量は90㎍
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』では、ビオチンの摂取基準である「目安量」は、男性女性ともに10~11歳は40㎍、12~74歳は50㎍としています。
ただし、目安量の基準は、ほとんどの人(97~98%)が欠乏しないラインであり、予防医学の観点では不十分です。
そのため、サムライフでは生活習慣病予防・健康の維持のラインとしてビオチンの摂取目標量として1日90㎍を推奨しています。
厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。
私のビオチン吸収量の検査結果は「124.2㎍」と90㎍を大きく超える健康的な結果です。
ビオチンが豊富な食材と摂取量
ビオチンは、魚介類・肉類・卵・豆類・きのこ類など、様々な食品に広く含まれています。
腸内細菌によっても合成されますが、その量だけでは必要量を維持できないため、食品から摂取することを意識しましょう。
ビオチンが豊富な食材とビオチンの含有量は、次の表の通りです。
カテゴリー | 食材 | ビオチン含有量(㎍) |
---|---|---|
肉類 | 鶏レバー/50g | 115 |
豚レバー/50g | 40 | |
魚介類 | あさり(むき身)/100g | 21.6 |
豆類 | 納豆/1パック50g | 9.1 |
アーモンド/12g(約10粒) | 7.2 | |
落花生/5g(約10粒) | 4.6 | |
卵 | 卵/約60g(1個) | 14.4 |
きのこ類 | 舞茸/90g(1パック) | 24 |
椎茸/100g | 6.7 |
鶏レバー
牛レバーや豚レバーと比べて、カロリーが最も低い鶏レバーは、ビオチンの含有量が50g115㎍と豊富で、鶏レバー50gで1日の摂取目標量を摂取することができます。
また、たんぱく質も多く9.45g、脂質は1.55g、炭水化物は0.3gとなっており、ビオチンの他にはビタミンA・ビタミンB12・葉酸の含有量も豊富です。
豚や牛のレバーよりも癖がない鶏レバーは、レバーペーストや鶏レバーのコンフィなどのレシピが人気です。
卵
卵にはビオチンの他にも、ビタミンB2・ビタミンB12・セレンなど様々な栄養素が含まれます。
しかし、生卵で摂取する場合、卵の卵白の成分「アビジン」がビオチンの結合を阻害するため、注意が必要です。
生で食べる際には卵黄のみを食べる、もしくはアビジンは加熱することによって不活性化するので、加熱調理をすることをおすすめします。
1日でビオチン90㎍摂取する場合、卵約6個を摂取する必要があり、卵だけでビオチンを摂取するのは現実的ではありません。
舞茸
舞茸にはビオチンの他に、ビタミンD・ビタミンB2・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・銅・リン・カリウム・不溶性食物繊維など、様々な栄養素が含まれています。
鍋や味噌汁・炒めもの・パスタ・天ぷらなど、様々な調理法や味付けで楽しむことができます。
ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富なため、積極的に摂りたい食材ではありますが、1日でビオチン90㎍摂取する場合、舞茸約3パックを摂取する必要があり、舞茸だけでビオチンを摂取するのは現実的ではありません。
ビオチンの効果的な摂取方法
ビオチンは、食品中ではほとんどがタンパク質と結合した形で存在しています。
ビタミンB群の中では比較的安定したビタミンのため、熱や光に強く、調理法にあまりこだわる必要はありません。
ただし、水溶性のビタミンのため水に溶けやすく、スープや味噌汁など、煮汁ごと摂取できる調理法がおすすめです。
アーモンドや落花生にも多く含まれているため、おやつやサラダにかけて摂取しましょう。
数時間ごとにこまめに摂取する
水溶性のビオチンは、多めに摂取しても尿として体外に排出されるため、数時間ごとにこまめに摂取することをおすすめします。
1日の食事で2~3食に分けて摂るようにしましょう。
卵は加熱して摂取がおすすめ
卵を生卵で摂取すると、卵白に含まれる「アビジン」という物質がビオチンと結合して吸収を阻害します。
そのため、1度に生の卵白を沢山摂取することはおすすめできません。
アビジンは加熱することによって不活性化するので、卵白は加熱調理をすることをおすすめします。
卵を頻繁に摂取する場合は、生の場合は黄身のみにし、卵白はスープに入れるなど、調理法を工夫してみましょう。
まとめ
今回は、ビオチンの欠乏による不定愁訴、ビオチンの摂取基準や摂取方法について解説してきました。
ビオチンが不足すると、皮膚炎・脱毛などにつながるため、仕事や日常生活にも影響が大きくなります。
ビオチンの摂取目標量は1日90㎍と、通常の食事でとりきるのには限界があるでしょう。
そのため、適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのフルコンサプリメントで補うことをおすすめします。
私自身、ビオチンの吸収量が「124.2㎍」と90㎍を大きく超え健康的な水準を維持しているのは、間違いなく食生活とサプリメントの賜物です。
同じように健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。