ビタミンB12が欠乏するとどうなる?症状と適切な摂取量について解説

こんな方におすすめ
  • ビタミンB12の欠乏は、身体にどんな悪影響があるの?
  • ビタミンB12はどれくらい摂れば十分なの?
  • ビタミンB12はどんな食材に豊富なの?

ビタミンB12が欠乏すると、眼精疲労・手足のしびれ・巨赤芽球性貧血(悪性貧血)などの不定愁訴をはじめ、運動失調などの神経障害や記憶障害・うつ病につながるリスクがあります。

なかなか疲れがとれない・手や足に違和感を感じるなどの症状は、ビタミンB12不足である可能性が考えられるため、ビタミンB12を積極的に摂取することを検討してください。

そこで今回は、「ビタミンB12をどのくらい摂取すればよいのか(摂取基準)」「ビタミンB12が豊富な食材や摂取方法」について解説します。

食事と生活を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。

監修者

株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士

薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。

病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。

著書:
4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法

目次

ビタミンB12の働き

ビタミンB12は、他のビタミンに比べて必要量はわずかですが、補酵素として様々な反応に関与しています。

コバルト色を含み、「赤いビタミン」とも呼ばれるビタミンB12には、主に次の2つの働きがあります。

  • 葉酸と協力して新しい赤血球を作り出す働き
  • 神経細胞を修復する働き

水溶性ビタミンであるビタミンB12は、葉酸と協力して新しい赤血球を作り出すために必要です。

赤血球は、体内におよそ20兆個あり1日に2000億個つくられ、寿命は120日と言われています。

赤血球の主な役割は、全身の組織に酸素を運び、運ばれた酸素はすべての細胞のミトコンドリアにおけるエネルギー生産のために使われます。

また、神経細胞を正常に修復する役割が働きがあり、脳の神経細胞の細胞膜に入り込み、修復や合成を助けます。

傷ついた神経細胞を正常に戻し、手足のしびれや肩こりを和らげる働きがあります。

ビタミンB12の欠乏で起こる不定愁訴

ビタミンB12の欠乏で起こる不定愁訴

ビタミンB12の不足は、眼精疲労・手足の痺れ・巨赤芽球性貧血(悪性貧血)などの不定愁訴の原因になります。

また、これらの不定愁訴を放っておくことで、運動失調などの神経障害や記憶障害・うつ病などの症状が現れる場合があります。

ビタミンB12欠乏による不定愁訴(抜粋)
  • 眼精疲労
  • 下肢の痺れ
  • 巨赤芽球性貧血(悪性貧血)

これらの不定愁訴はプレゼンティーズムに繋がる可能性もあるため、健康経営の観点からも重要な課題です。

眼精疲労

ビタミンB12が不足すると、眼精疲労が起こる可能性があります

ビタミンB12の1種であるメコバラミンと呼ばれる要素は、末梢神経を修復する機能があり、このメコバラミンが不足すると神経の修復が間に合わず、特に神経が集中する場所にダメージを与えます。

末梢神経が多く集まる場所としては、脳・脊髄などの中枢神経の目の奥の視神経などで、目は常にピントの調整や視覚情報処理のために視神経を使っています。

そのため、常にダメージを受けている状態なので、神経修復が間に合わないと、目の奥がズンとしたり、目の疲れやかすみなど、眼精疲労が起こる場合があります。

手足のしびれ

ビタミンB12が不足すると、末梢神経に障害が発生し、手足にしびれを感じたり、痛みが出る場合があります。

神経障害が進行した場合、動きや感覚をコントロールする神経線維が損傷し、全身の筋力が低下したり、手足にしびれを感じる「亜急性連合性脊髄変性症」になる可能性もあるので注意しましょう。

手足の感覚に違和感を感じた場合、ビタミンB12不足の可能性があるので、積極的にビタミン12を摂るようにしましょう。

巨赤芽球性貧血(悪性貧血)

ビタミンB12が不足すると、造血作用がうまく働かず、悪性貧血になる可能性があります。

巨赤芽球性貧血とは、赤血球の合成に必要なビタミンB12や葉酸が不足して引き起こされる貧血で、赤血球の形が大きくなるため、巨(大)赤芽球性貧血と呼ばれています。

動悸・息切れ・疲労感・脱力感・集中力低下などの貧血の症状が起こります。

ビタミンB12欠乏の原因

ビタミンB12欠乏の原因

食事からのビタミンB12の摂取不足の方や、ベジタリアンの方にビタミンB12欠乏の症状が多くみられます。

また、胃の摘出手術をした人や胃粘膜に病変がある人は、欠乏症が起こる可能性があります。

食事からのビタミンB12欠乏

ビタミンB12は、主に食事からの摂取が必要ですが、バランスのとれていない食事や栄養不足が、欠乏症の原因の1つです。

腸内細菌によっても合成されるため、極端な偏食をしない限り欠乏することはありません。

しかし、外食やインスタント食品などの偏った食事や、不十分なバランスの食事を続けているとビタミンB12欠乏症を引き起こす可能性があります。

また、ビタミン12が小腸で吸収されるときには、胃壁から分泌される糖たんぱく質の内因子の助けが必要なため、胃の摘出手術をした人や胃粘膜に病変がある人は、内因子が不足し欠乏症が起こる可能性があります。

ベジタリアンなど、植物性食品を主に摂取する方の欠乏

ビタミンB12は微生物によって合成される為、植物性食品にはほとんど含まれません。

そのため、ベジタリアンや植物性食品を主に摂取する方は、ビタミンB12欠乏が起こる可能性があります。

予防医学の観点からみるビタミンB12の摂取量基準

予防医学の観点からみると、30~49歳男性の場合で1日の摂取目標量は30㎍と考えられます。

年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として30㎍を目安にするといいでしょう。

ビタミンB12の目標量は30㎍

厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』では、ビタミンB12の摂取基準である「推奨量」は、男女ともに10~11歳は1.9㎍、12~74歳は2.4㎍としています。

ただし、推奨量の基準は、ほとんどの人(97~98%)が欠乏しないラインであり、予防医学の観点では不十分です。

食事摂取基準

引用:日本人の食事摂取基準(2020 年版)

そのため、サムライフでは生活習慣病予防・健康の維持のラインとしてビタミンB12の摂取目標量として1日30㎍を推奨しています

厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。

ビタミンB12の過剰摂取による健康障害はなし

通常の食事を続けている限り過剰に摂取する可能性は低いため、食事からの過剰摂取による健康被害はほとんどないと考えられます。

ビタミンB12の吸収は、胃から分泌される内因子によって調節されているので、吸収できる量の上限に達すると、それ以上は吸収されません。

そのため、食品から過剰に摂取した場合でも、吸収される量が極端にオーバーすることはないため、ビタミンB12の耐容上限量は設定されていません。

ビタミンB12が豊富な食材と摂取量

ビタミンB12が豊富な食材と摂取量

ビタミンB12は、主に動物性食品に多く含まれていて、肉類ではレバー、魚介類では貝類に多く含まれています。

植物性食品にはほとんど含まれていないため、植物性食品からの摂取をおすすめします。

ビタミンB12が豊富な食材とビタミンB12の含有量は、次の表の通りです。

カテゴリー食材ビタミンB12含有量(㎍)
肉類牛レバー/50g26.4
鶏レバー/50g22.2
豚レバー/50g12.6
魚介類カキ(むき身)/約3個60g16.86
さんま/1尾150g18.6
アサリ/50g26.2
しじみ/50g31.2
いわし/1尾40g11.7
さば/1切れ80g8.5
ホタテ(むき身)/約1個110g12.54

牛レバー

牛レバーは、タンパク質・脂質・炭水化物の順に三大栄養素の割合が多く、ビタミンB12の他にも、葉酸・ビタミンA・ビタミンB2・ナイアシン・パントテン酸・亜鉛・鉄などの栄養素が含まれます。

ハンバーグにレバーを入れて煮込みハンバーグにするなど、煮汁ごと一緒に食べられる調理法がおすすめです。

つけあわせに、葉酸の豊富なほうれん草やブロッコリーも一緒に摂取できると、牛レバーのビタミンB12を効率よく摂取することができます。

牛レバーは、50gでビタミンB12を26.4㎍摂取できるので、積極的に摂りたい食材です。

アサリ

アサリはビタミンB12が豊富な上、必須ミネラルのセレンも豊富に含まれています。

アサリを使ったレシピはとても豊富で、中でもアサリの酒蒸しや、アサリご飯・アサリのみそ汁・クラムチャウダーなど、煮汁ごと一緒に摂れる調理法がおすすめです。

アサリは、50gでビタミン12を26.2㎍摂取できるので、牛レバーと同様、積極的に摂取したい食材です。

しじみ

しじみはビタミンB12が豊富で、必須ミネラルである銅も豊富に含まれています。

みそ汁の具として一般的ですが、すまし汁や佃煮・炊き込みご飯・スパゲッティなど、様々なレシピにも合います。

しじみを1日で50g摂取すると、ビタミンB12の摂取目標量である30㎍を摂取できるので、積極的に摂取しましょう。

ビタミンB12の効果的な摂取方法

ビタミンB12の効果的な摂取方法

ビタミンB12は、微生物によって合成される為、動物性食品に多く含まれていて、植物性食品にはほとんど含まれません。

水溶性ビタミンのため、煮汁やスープごと摂取できる調理法がおすすめです。

また、ビタミンB12は光や空気によって酸化が進むので、肉や魚を冷凍する際には、きちんと密閉しましょう。

数時間ごとにこまめに摂取する

水溶性のビタミンB12は、多めに摂取しても尿として体外に排出されるため、数時間ごとにこまめに摂取することをおすすめします。

1日の食事で2~3食に分けて摂るようにしましょう。

葉酸と一緒に摂取する

ビタミンB12は葉酸と協力して、骨髄で巨赤芽球から正常な赤血球を作り出す働きに関与しており、悪性貧血予防のためにも一緒に摂取することをおすすめします。

ただし、ビタミン12と葉酸のどちらも不足している場合は、葉酸を利用するときにビタミンB12が不可欠なため、まず先にビタミンB12の不足を補ってから、葉酸の不足を補いましょう。

先に葉酸を摂取してしまうと、体の中のビタミンB12不足が隠されてしまう可能性があります。

また、ビタミンB12は他のビタミンB群やビタミンCと助け合って機能を発揮するので、バランスよく摂取することも大事です。

葉酸が多く含まれる食材としては、菜の花やほうれん草・ブロッコリー・レバーがあります。

レバーには葉酸に加え、ビタミンB12も多く含まれており、効率良く栄養素を摂れるのでおすすめです。

まとめ

今回は、ビタミンB12の欠乏による不定愁訴、ビタミンB12の摂取基準や摂取方法について解説してきました。

ビタミンB12が不足すると、眼精疲労・手足のしびれ・巨赤芽球性貧血(悪性貧血)などにつながるため、仕事や日常生活にも影響が大きくなります。

ビタミンB12の摂取目標量は1日30㎍と、通常の食事でとりきるのには限界があるでしょう。

そのため、適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのフルコンサプリメントで補うことをおすすめします。

健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。

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