ビタミンKとは?欠乏で起こる不定愁訴と摂取基準量
- ビタミンKの欠乏は、身体にどんな影響があるの?
- ビタミンKはどれくらい摂れば十分なの?
- ビタミンKはどんな食材に豊富なの?
ビタミンKが不足すると、出血・内出血・歯肉出血・骨折しやすくなるなどの不定愁訴をはじめ、新生児ではビタミンK欠乏症を引き起こす可能性があります。
また、閉経後の女性はホルモンが減り、カルシウムの吸収率が下がるため、骨粗しょう症を引き起こすこともあります。
そこで今回は、予防医学の専門家の観点化から「ビタミンK欠乏で起こる不定愁訴」「ビタミンKの摂取基準」「ビタミンKが豊富な食材や摂取方法」について解説します。
食生活を中心とした栄養管理を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。
株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士
薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。
病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。
- 株式会社 サムライフ 代表取締役
- 一般社団法人 日本予防医学マイスター協会 代表理事
- 一般社団法人 日本先進医療臨床研究会 理事
著書:
『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!』
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法』
ビタミンKとは
脂溶性ビタミンであるビタミンKは、血液の凝固に関わることから、「止血ビタミン」とも呼ばれています。
ビタミンKの働きは、主に次の2つがあります。
- けがや内出血を起こしたときに止血をする働き
- 歯や骨を健康に保つために必要な働き
ビタミンKには、けがなどで出血した時や内出血を起こしたときに止血をする大切な働きがあります。
また、血管を流れている血液が凝固すると疾患のリスクが高まるので、流れを正常にする働きもあります。
ビタミンKは、骨の健康維持にも不可欠で、丈夫な骨や歯をつくるために重要な働きをしています。
ビタミンDとともに働いて、カルシウムの吸収をよくしたり、骨や歯からカルシウムが溶けて血液へと流れるのを防ぎ、骨量が減るのを防いでくれます。
ビタミンK欠乏で起こる不定愁訴
ビタミンKが不足すると、出血・内出血・歯肉出血・骨折しやすくなるなどの不定愁訴の原因になります。
また、新生児のビタミンK欠乏では、頭蓋内出血や新生児メレナ(消化管出血)などの新生児疾患が起こる可能性があります。
- 出血・内出血・歯肉出血
- 骨折しやすくなる
これらの不定愁訴はプレゼンティーズムに繋がる可能性もあるため、健康経営の観点からも重要な課題です。
出血・内出血・歯肉出血
ビタミンKが不足すると、ケガをしたときに血が止まりにくくなる・あざができやすくなる・鼻血が出やすくなる・歯肉出血しやすくなるなどの症状が起こることがあります。
ビタミンKは、血液凝固に必要なタンパク質の合成に関与しており、出血を止めるのに重要な役割を果たします。
そのため、ビタミンKが不足すると、血液凝固機能が低下し、出血しやすくなる可能性があります。
また、胃や腸から出血することもあり、血が混じった嘔吐や、 尿や便に血液がみられることもあります。
骨折しやすくなる
ビタミンKは骨の健康に重要な役割を果たしているため、不足すると強度が低下し、骨折しやすくなる可能性があります。
また、閉経後の女性はホルモンが減り、カルシウムの吸収率が下がるため、骨粗しょう症を引き起こすこともあります。
ビタミンKと一緒に、カルシウム・マグネシウム・ビタミンDも十分に摂る必要があります。
予防医学の観点からみるビタミンKの摂取基準量
予防医学の観点からみると、30~49歳男性の場合で1日の摂取目標量は200㎍と考えられます。
年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として200㎍を目安にするといいでしょう。
ビタミンKの目標量は200㎍
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』では、ビタミンKの摂取基準である「目安量」は、男性12~74歳は140~160㎍、女性12~74歳は150~170㎍としています。
ただし、目安量の基準は、一定の栄養状態を維持するには十分な量ではありますが、予防医学の観点では不十分です。
そのため、サムライフでは生活習慣病予防・健康の維持のラインとしてビタミンKの摂取目標量として1日200㎍を推奨しています。
厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。
ビタミンKの過剰摂取による健康障害は報告なし
通常の食事を続けている限り過剰に摂取する可能性は低いため、食事からの過剰摂取による健康被害はほとんどないと考えられます。
そのため、ビタミンK摂取基準に耐容上限量は設定されていません。
ただし、抗血液凝固剤を服用している人や、血栓症にかかっている人は、ビタミンKの摂取量が制限されることがあります。
ビタミンKが豊富な食材と摂取量
ビタミンKの摂取方法は2つあり、緑黄色野菜に含まれるビタミンK1と、発酵食品に含まれるビタミンK2があります。
ビタミンKは植物の葉緑素で合成されることから、モロヘイヤ・小松菜・ほうれん草などの緑黄色野菜やわかめや海苔などの海藻類に多く含まれます。
また、微生物によっても合成されることから、発酵食品の納豆に特に多く含まれています。
カテゴリー | 食材 | ビタミンK含有量(㎍) |
---|---|---|
豆類 | 納豆/50g(1パック) | 435 |
野菜類 | モロヘイヤ/50g | 320 |
ほうれん草/50g | 135 | |
小松菜/50g | 105 | |
ブロッコリー/50g | 105 | |
海藻類 | 海苔/15g | 58.5 |
ひじき/15g | 48 | |
わかめ/15g | 21 |
納豆
納豆の三大栄養素の中でも、最も多く含まれるのはタンパク質で、次に脂質・炭水化物が豊富です。
ビタミンKのみならず栄養素が豊富で、モリブデン・パントテン酸・銅なども多く含まれています。
納豆ご飯は、納豆の代表的な食べ方ですが、納豆チャーハン・納豆パスタ・納豆トースト・納豆汁など、幅広いレシピに使える人気食材です。
1日でビタミンK200㎍を摂取する場合、納豆1パックを食べることで、1日の目標量を満たすことができます。
モロヘイヤ
ビタミンK以外にも、ビタミンA・ビタミンE・葉酸も豊富なモロヘイヤは、サラダやスープなどの定番レシピの他、モロヘイヤカレーもおすすめです。
モロヘイヤの葉は、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜よりも栄養価が高く、低カロリーなため、普段から緑黄色野菜の摂取量が少ない方は、意識して摂取すると良いでしょう。
1日でビタミンK200㎍を摂取する場合、モロヘイヤを50g食べることで、1日の目標量を満たすことができます。
海苔
海苔には、ビタミンKの他にも、ヨウ素・モリブデン・ビタミンB12・葉酸が豊富に含まれています。
手巻きずしやおにぎり・磯部餅などが、海苔の代表的な食べ方ですが、和え物・サラダ・味噌汁・スープ・和風パスタなどの海苔を使ったレシピもおすすめです。
1日でビタミンK200㎍を摂取する場合、海苔を約60g食べることで、1日の目標量を満たすことができますが、海苔だけでビタミンKを摂取するのは現実的ではありません。
ビタミンKの効率的な摂取方法
ビタミンKは脂溶性ビタミンのため、脂質と一緒に摂ると効果的に摂取が出来ます。
また、ビタミンKが豊富なわかめに、カルシウムが豊富なしらすの組み合わせは、骨や歯を丈夫にします。
子供の成長時の骨の強化や、高齢者の寝たきり予防・骨粗しょう症予防をする意味でもビタミンKは必須の栄養素です。
油を使った調理法がおすすめ
ビタミンKは脂溶性で熱に強い性質を持つため、炒め物など、油と一緒に摂取することで吸収率がアップします。
ほうれん草・小松菜・モロヘイヤ・ブロッコリーなどの緑黄色野菜を、オリーブオイルで炒めたり和えたりして食べると効果的です。
また、癖の少ないアマニ油を納豆や海藻サラダ・モロヘイヤのスープにかけるのもすすめです。
摂取するタイミング
脂溶性のビタミンKは、身体に蓄えることができるため、1日に必要な量であれば摂取回数は何回でも構いません。
ただし、脂溶性のため、油を含んだ料理と一緒に摂取すると吸収効率が良くなるので、食事中もしくは食後に摂ることをおすすめします。
まとめ
今回は、ビタミンK不足で起こる不定愁訴や病気、ビタミンKの摂取基準や摂取方法について解説してきました。
ビタミンKが不足すると、出血・内出血・歯肉出血・骨折しやすくなるなどつながるため、仕事や日常生活にも影響が大きくなります。
ビタミンKの摂取目標量は1日200㎍と、通常の食事でとりきるのには限界があるでしょう。
そのため、適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのフルコンサプリメントで補うことをおすすめします。
健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。