カルシウム不足による問題と1日の摂取基準量について解説
- カルシウムの不足は、身体にどんな悪影響があるの?
- カルシウムはどれくらい摂れば十分なの?
- カルシウムはどんな食材に豊富なの?
カルシウムが不足すると、肩こり・腰痛・虫歯・歯周病・しびれ・イライラ・生理不順などの不定愁訴をはじめ、骨量が減少し、骨粗しょう症や骨折につながるリスクがあります。
また、幼児の慢性的なカルシウム不足の場合、骨の発育障害が起きる可能性もあるので注意が必要です。
肩こりがある・イライラがとれないなどの症状は、カルシウム不足である可能性が考えられるため、カルシウムを積極的に摂取することを検討してください。
そこで今回は、「カルシウムをどのくらい摂取すればよいのか(摂取基準)」「カルシウムが豊富な食材や摂取方法」について解説します。
食事と生活を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。
株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士
薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。
病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。
- 株式会社 サムライフ 代表取締役
- 一般社団法人 日本予防医学マイスター協会 代表理事
- 一般社団法人 日本先進医療臨床研究会 理事
著書:
『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!』
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法』
カルシウムとは
多量ミネラルであるカルシウムは、身体に最も多く含まれるミネラルで総量約1㎏、体重の1~2%を占めていて、約99%は骨や歯などの硬い組織に存在しています。
カルシウムは、主に次の2つの働きがあります。
- 骨・歯などの硬組織を形成する働き
- 細胞・筋肉・神経の働きをサポートする働き
骨の中では、新しい骨をつくる「骨形成」と古くなった骨をこわす「骨吸収」が繰り返されており、この活発な骨代謝に最も関与するのがカルシウムです。
また、体内に存在する残り1%のカルシウムは、血液や筋肉、すべての細胞に分布しています。
細胞・筋肉・神経の働きをサポートする働きがあり、血液の凝固を促して出血を予防するほか、心筋の収縮作用を増し、筋肉の興奮性を抑える働きもあります。
カルシウム不足で起こる不定愁訴
カルシウムの不足は、肩こり・腰痛・虫歯・歯周病・しびれ・イライラ・生理不順などの不定愁訴の原因になります。
また、カルシウムが慢性的に不足すると、骨量が減少し、骨粗しょう症や骨折を起こす可能性があります。
幼児の慢性的なカルシウム不足の場合、骨の発育障害が起きる可能性もあるので注意が必要です。
- 肩こり
- イライラ
これらの不定愁訴はプレゼンティーズムに繋がる可能性もあるため、健康経営の観点からも重要な課題です。
肩こり
カルシウムは筋肉の正常な収縮や、神経の伝達に重要な役割を果たしており、不足すると肩こりの原因になる場合があります。
カルシウム不足だけが肩こりを起こす原因ではありませんが、カルシウムが不足すると筋肉や血管の柔軟性が失われ、筋肉を硬くする原因となり、肩こりをさらに進めてしまい、悪循環になってしまうのです。
イライラ
血液中のカルシウムの濃度が減少すると、神経機能がうまく働かなくなり、神経や感情のコントロールの乱れが、イライラの原因となる場合があります。
私たちの体は、血液中のカルシウム濃度を常に一定に保つようにできているため、カルシウムが不足したとしても、すぐに血液中のカルシウム濃度が低下するわけではありません。
血液中のカルシウムが不足した時には、骨に蓄えられているカルシウムが溶け出して不足分を補う仕組みになっているため、普段からバランスの摂れた食事や必要な栄養素を摂ることが大切です。
カルシウムの摂りすぎによる悪影響
カルシウムを過剰に摂りすぎた場合、泌尿器系結石を起こすといわれています。
また、鉄や亜鉛、マグネシウムなどの他のミネラルの吸収を阻害することもわかっているため、食事摂取基準では耐容上限量が定められています。
予防医学の観点からみるカルシウムの摂取量基準
予防医学の観点からみると、30~49歳男性の場合で1日の摂取目標量1000㎎と考えられます。
年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として1000㎎を目安にするといいでしょう。
カルシウムの目標量は1000㎎
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』では、カルシウムの摂取基準である「推奨量」は、男性10~74歳は750~1000㎎、女性10~74歳は650~800㎎としています。
ただし、推奨量の基準は、ほとんどの人(97~98%)が欠乏しないラインであり、予防医学の観点では不十分です。
そのため、サムライフでは生活習慣病予防・健康の維持のラインとしてカルシウムの摂取目標量として1日1000㎎を推奨しています。
厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。
私のカルシウム吸収量の検査結果は「1374.7㎎」と1000㎎を大きく超える健康的な結果です。
カルシウムが豊富な食材と摂取量
カルシウムは、骨ごと食べられる小魚や、豆腐や納豆などの大豆製品、野菜類や種実類などに多く含まれています。
カルシウムの吸収率は、小魚約33%・野菜約19%、また、カルシウムの摂りすぎは鉄などの他のミネラルの吸収を阻害してしまいます。
そのため、栄養が偏らないように、様々な食材からバランスよく食べることが大切です。
カテゴリー | 食材 | カルシウム含有量(㎎) |
---|---|---|
野菜類 | モロヘイヤ/100g | 260 |
水菜/100g | 210 | |
小松菜/100g | 170 | |
魚介類 | 干しエビ/大さじ1(7g) | 497 |
わかさぎ/2尾(約40g) | 180 | |
ししゃも/2尾(60g) | 198 | |
しらす/20g | 104 | |
豆類 | 生揚げ(厚揚げ)/100g | 240 |
木綿豆腐/半丁(150g) | 139.5 | |
納豆/1パック(50g) | 45.5 | |
種実類 | いりごま/10g | 120 |
アーモンド/50g | 125 |
モロヘイヤ
モロヘイヤの葉は、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜よりも栄養価が高く、低カロリーな野菜です。
カルシウム以外にも、ビタミンK・ビタミンA・葉酸なども豊富なモロヘイヤは、サラダやスープなどのレシピがおすすめです。
1日でカルシウム1000㎎摂取する場合、約400g摂取する必要があり、モロヘイヤだけでカルシウムを摂取するのは現実的ではありません。
干しエビ
干しエビは、カルシウムの他にもビタミンB12・カリウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・銅・マンガンなども豊富です。
冬瓜やナスとの相性が良い干しエビは、煮物やおにぎり・パスタ・サラダなどのレシピが人気です。
1日でカルシウム1000㎎摂取する場合、干しエビ約14gで摂取できるので、少ない量でカルシウム1日分を摂取することができます。
生揚げ(厚揚げ)
生揚げは、地域によっては「厚揚げ」とも呼ばれ、おでんや煮物、焼き物など様々なレシピが人気です。
熱湯をかけて油抜きをすると、味もしみやすく、また、カロリーを抑えることもできます。
カルシウムの他にもモリブデン・ビタミンKなどの成分も多く含みます。
1日でカルシウム1000㎎摂取する場合、約400g摂取する必要があり、生揚げだけでカルシウムを摂取するのは現実的ではありません。
カルシウムの効果的な摂取方法
カルシウムは、吸収されにくい栄養素のため、食品によって吸収率は異なり、小魚は約33%・野菜は約19%と、しっかり摂取しているつもりでも、実際に体内に吸収されるカルシウム量は想定よりも低くなってしまうのです。
また、1度に体内に吸収できるカルシウムの量には限りがあるため、1度の食事で摂取しようとせずに、2~3食に分けてバランスよく摂取しましょう。
ビタミンDと一緒に摂取
カルシウムは吸収されにくい栄養素なため、カルシウムの吸収率を高める「ビタミンD」と一緒に摂取すると、効率よく摂取することができます。
ビタミンDは鮭・さんま・まあじ・しらす・キクラゲ・椎茸・鶏卵など、魚介類・きのこ類・卵類に多く含まれています。
また、ビタミンDは日光を浴びることで皮膚でも合成されるため、外出をする機会が少ない人は、意識的に太陽光を浴びてビタミンDの体内合成を促すよう心がけましょう。
カルシウムの吸収を妨げる「リン酸」を避ける
リン酸は、骨や歯の正常な発達に不可欠な成分ですが、過剰に摂取するとカルシウムの吸収を阻害してしまうので注意が必要です。
リンは健康維持に欠かすことのできない必須ミネラルの1つで、カルシウムやマグネシウムと共に骨や歯の成分(リン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウム)として存在し、骨や歯の強化を担っています。
体内で効率よく働くことのできるリンとカルシウムの摂取比率は1:1~2が理想的で、通常の食事をしている場合、過不足になることはほとんどありません。
しかし、リンは食品添加物として使用されていることがあり、インスタント食品や加工食品を食べる機会が多い人はリンの摂りすぎには注意が必要です。
- 加工食品(ハム・ベーコン・ウインナー・魚肉・練り物)
- インスタント食品
- 冷凍食品
- スナック菓子
- 菓子パン
- 清涼飲料水
加工食品を摂る場合、熱湯の中で振り洗いすることによってリンが湯に溶け出すため、リンの量を減らすことができます。
その際、茹で汁にはリンが溶け出しているため、飲まないようにしましょう。
まとめ
今回は、カルシウム不足による不定愁訴、カルシウムの摂取基準や摂取方法について解説してきました。
カルシウムが不足すると、肩こり・腰痛・虫歯・歯周病・しびれ・イライラ・生理不順などにつながるため、仕事や日常生活にも影響が大きくなります。
カルシウムの摂取目標量は1日1000㎎と、通常の食事でとりきるのには限界があるでしょう。
そのため、適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのフルコンサプリメントで補うことをおすすめします。
私自身、カルシウムの吸収量が「1374.7mg」と1000mgを大きく超え健康的な水準を維持しているのは、間違いなく食生活とサプリメントの賜物です。
健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。