カリウムの摂取基準値は?不足や過剰摂取による悪影響について解説

こんな方におすすめ
  • カリウムの基準値はどれくらいなの?
  • カリウムの不足は、身体にどんな悪影響があるの?
  • カリウムはどんな食材に豊富なの?

カリウムは、野菜や芋などの植物性食品をはじめ、様々な食品に豊富に含まれているので、通常の食事を摂っていれば、1日の基準値を摂取することができるでしょう。

しかし、下痢や嘔吐・利尿剤を長く服用している場合に、多量にカリウムが排泄されると、脱力感や食欲不振といった欠乏状態が現れる場合があります。

身体が重い・身体がだるい・食欲がわかないなどの症状は、カリウム不足である可能性が考えられるため、カリウムを積極的に摂取することを検討してください。

そこで今回は、「カリウムをどのくらい摂取すればよいのか(摂取基準)」「カリウムが豊富な食材や摂取方法」について解説します。

食事と生活を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。

監修者

株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士

薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。

病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。

著書:
4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法

目次

カリウムとは

カリウムは、人体に必要な必須ミネラルの1種で、多くは細胞内に含まれており、体内に含まれるカリウムの量は体重の約0.2%です。

カリウムには、主に次の3つの役割があります。

  • 細胞の浸透圧を維持する役割
  • ナトリウム(塩分)を体外に排出しやすくし、体内の塩分量を調節する役割
  • 筋肉の収縮や神経伝達をする役割

カリウムは、ナトリウムと協力しながら、細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持したりするのに、重要な役割を果たしています。

ナトリウムを排泄する作用があるため、塩分の摂りすぎを調節する上でも重要です。

また、カリウムは細胞の内側に、ナトリウムは細胞の外側に多くあり、どちらかで水分が増減すると細胞膜でやり取りを行いますが、これを「ナトリウム・カリウムポンプ」といいます。

カリウムとナトリウムが細胞を出入りすることで電気信号が発生し、筋肉を収縮・弛緩させたり、神経が全身に情報を伝えたりしています。

カリウムの効果

カリウムの効果

カリウムには、主に次の3つの効果があるといわれています。

カリウムによる効果
  • 血圧を下げる作用
  • 筋肉の働きを維持
  • むくみの予防・改善

血圧を下げる作用

カリウムには、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制し、尿への排泄を促す働きがあることから、血圧を下げる作用があるとして、高血圧症の予防に有効と考えられています。

ナトリウムの過剰摂取は高血圧最大の原因といわれていますが、塩分を摂取すると体液の濃度を一定に保つために体内の水分が増加します。

体内の水分が増えると、その分心臓に送り込まれる血液の量が増加し、血管にかかる圧力が強くなることで血圧が上がります。

日本人は海外と比較してナトリウムの摂取量が多いため、特にカリウムの摂取が必要とされます。

筋肉の働きを維持

カリウムは筋肉の収縮にも関わっていて、筋肉の働きを維持するのに欠かせないミネラルです。

「ナトリウム・カリウムポンプ」の働きによって、ナトリウムとカリウムが細胞を出入りすることで、電気信号が発生し筋肉を収縮・弛緩させたり、神経が全身に情報を伝えたりしています。

むくみの予防・改善

カリウムにはむくみを予防・改善する効果も期待できます。

むくみの原因には様々なものがありますが、塩分の摂り過ぎもその1つです。

塩分を摂り過ぎると体液の濃度を一定に保つために体内に水分がため込まれ、むくみが現れることがあります。

しかし、カリウムを摂取して余分なナトリウムを排泄することで、むくみの予防や改善に役立つと考えられるでしょう。

カリウムの1日の摂取基準量

予防医学の観点からみても、30~49歳男性の場合で1日の摂取基準である「目標量」は3000㎎と考えられます。

年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として3000㎎を目安にするといいでしょう。

カリウムの目標量は3000㎎

厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』では、カリウムの摂取基準である「目標量」は、男性15~75歳は3000㎎、女性15~75歳は3000㎎としています。

カリウムの食事摂取基準

引用:日本人の食事摂取基準(2020 年版)

そのため、サムライフでは生活習慣病予防・健康の維持のラインとしてカリウムの摂取目標量として1日3000㎎を推奨しています

厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。

代表 坂田

私のカリウム吸収量の検査結果は「3353.6㎎」と3000㎎を大きく超える健康的な結果です。

カリウム不足で起こる不定愁訴

カリウム不足で起こる不定愁訴

カリウムの不足は、脱力感・食欲不振などの不定愁訴の原因になります。

カリウムは、野菜や芋などの植物性食品をはじめ、様々な食品に豊富に含まれているので、通常の食事を摂っていれば、不足することはほとんどありません。

しかし、下痢や嘔吐をした場合、あるいは利尿剤を長く服用し、カリウム排泄量が増えると、脱力感や食欲不振といった欠乏状態が現れる場合があります。

カリウム不足による不定愁訴(抜粋)
  • 脱力感
  • 食欲不振

これらの不定愁訴はプレゼンティーズムに繋がる可能性もあるため、健康経営の観点からも重要な課題です。

脱力感

筋肉の正常な機能に必要なカリウムが不足すると、脱力感が起こる可能性があります。

カリウムは、体内の神経細胞と筋肉細胞の収縮を調節し、体内の電解質バランスを維持する役割を果たしています。

そのため、不足すると筋肉の伸縮が適切に行えず、脱力感や筋力低下が生じる可能性があります。

食欲不振

カリウム不足が体内の消化器系に影響を及ぼし、食欲不振になることがあります。

カリウムには、細胞内の酵素反応を調節する働きがあり、エネルギー代謝をスムーズに行わせ、細胞が正常に活動する環境づくりを行っています。

カリウム不足の場合、これらの機能が適切に機能せず、食物の分解と吸収が妨げられる可能性があり、これが食欲不振につながる場合があります。

カリウムの過剰摂取で起こる不定愁訴

カリウムの過剰摂取で起こる不定愁訴

通常の食事からの、カリウムの摂りすぎによる身体への悪影響は基本的にないと考えられています。

摂りすぎたとしても、尿中に排出されるため心配ありません。

しかし、腎不全などで腎臓の機能が低下し、尿の排泄が困難になると、高カリウム血症を起こす場合があります。

症状としては、筋収縮が調整できなくなる・四肢の痺れ・心電図の異常、重篤な場合は心停止を起こすこともあります。

カリウムが豊富な食材と摂取量

カリウムが豊富な食材と摂取量

カリウムは、豆類・芋類などの植物性食品や、昆布・ひじきなどの海藻類など、様々な食品に含まれています。

より新鮮なものの方が含有量が多いため、新鮮なうちに調理しましょう。

カテゴリー食材カリウム含有量(㎎)
豆類大豆/30g570
インゲン豆/30g420
芋類里芋/50g320
さつまいも/100g480
やまといも/100g590
海藻類こんぶ/10g520
干しひじき/10g440
とろろ昆布/10g480
その他アボカド/70g(1/2個)413
かつおのたたき/100g429.3

大豆

肉に相当するタンパク質が含まれ「畑の肉」とも呼ばれる大豆には、カリウムの他にもビタミンE・ビタミンK・ビタミンB1葉酸パントテン酸ビオチンなど、多くの栄養成分が含まれます。

大豆ミート・水煮・納豆・豆腐など、様々な加工品の他、味噌の原料にも使われる大豆は、毎日の食卓に欠かせない食材でしょう。

しかし、1日でカリウム3000㎎摂取する場合、大豆約160gを摂取する必要があり、大豆だけでカリウムを摂取するのは現実的ではありません。

里芋

里芋には、カリウムが豊富に含まれる他、ビタミンB群・ビタミンE・ビタミンCパントテン酸葉酸ビオチン・銅・モリブデン・マグネシウム・マンガン等の栄養素が含まれます。

里芋の煮物やそぼろ煮や味噌汁といった定番のレシピの他、ポテトサラダやコロッケなどの食べ方もおすすめです。

1日でカリウム3000㎎摂取する場合、里芋約460gを摂取する必要があり、里芋だけでカリウムを摂取するのは現実的ではありません。

アボカド

アボカドには、カリウムの他にビタミンEやビタミンKの栄養素も豊富に含まれています。

中南米原産の果物で、滑らかでクリーミーな食感と独特の風味が特徴で、スムージーやジュースに加えたり、ハンバーガーやタコス、サラダのトッピングなどで人気です。

アボカドはカロリーや脂質が高いイメージがありますが、必要な栄養素も豊富に含まれているため、適量を摂取することで、健康的な食生活をサポートすることができます。

1日でカリウム3000㎎摂取する場合、アボカド約3と1/2個を摂取する必要があり、アボカドだけでカリウムを摂取するのは現実的ではありません。

カリウムの効果的な摂取方法

カリウムの効果的な摂取方法

カリウムは、豆類・芋類・海藻類・果実類・肉類・魚介類など、植物性食品から動物性食品まであらゆる食品に豊富に含まれています。

水溶性のカリウムは、煮る・茹でるなどの調理法によって損失してしまうため、生野菜や果物または煮汁ごと摂取できる調理がおすすめです。

ナトリウムと一緒にバランスよく摂取

高血圧予防には、カリウムを十分にとってナトリウムの排泄を促すことが重要です。

カリウム1に対してナトリウム2以下の摂取比率が、血圧を下げる効果が期待できるでしょう。

塩分の濃い味噌汁ほど、カリウムが豊富な野菜や芋をたっぷりと加え、具沢山の汁にして飲むとよいでしょう。

新鮮なものを生のままサラダなどで摂取

より効率的に摂取したい場合には、生野菜のサラダや果物から摂取することがおすすめです。

カリウムは水溶性であるため、煮たり茹でたりすると水に溶ける性質をもちます。

また、加工・精製するたびに失われてしまうため、生野菜や果物からの摂取は効率よく摂れるでしょう。

煮汁ごと食べられる調理法で摂取

カリウムは、「煮る」「茹でる」などの調理法によって30%ほど損失してしまいます。

野菜や海藻類などをたっぷりと入れ、味噌汁やスープなど煮汁ごと摂取しましょう。

まとめ

今回はカリウムの1日の摂取基準量やカリウムの欠乏による不定愁訴について解説しました。

カリウムが不足すると、脱力感や食欲不振などにつながるため、仕事や日常生活にも影響が大きくなります。

カリウムの摂取目標量は1日3000㎎と、通常の食事で摂りきるのには限界があるでしょう。

そのため、適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのフルコンサプリメントで補うことをおすすめします。

私自身、カリウムの吸収量が「3353.6mg」と3000mgを大きく超え健康的な水準を維持しているのは、間違いなく食生活とサプリメントの賜物です。

同じように健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。

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