ヨウ素とは?ヨウ素の摂取量基準について解説

こんな方におすすめ
  • ヨウ素の過剰摂取は、身体にどんな悪影響があるの?
  • ヨウ素はどれくらい摂れば十分なの?
  • ヨウ素はどんな食材に豊富なの?

海産物に多く含まれているヨウ素は、成長や代謝を促す甲状腺ホルモンの成分として欠かせないミネラルで、海産物を摂取する日本では、摂りやすい栄養素です。

しかし、ヨウ素の不足や過剰摂取は、甲状腺機能の低下による脱毛・貧血・むくみ・体重増加・体力の低下・倦怠感・成長障害などの不定愁訴の原因になります。

そこで今回は、「ヨウ素をどのくらい摂取すればよいのか(摂取基準)」「ヨウ素が豊富な食材や摂取方法」について解説します。

食事と生活を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。

監修者

株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士

薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。

病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。

著書:
4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法

目次

ヨウ素とは

微量ミネラルであるヨウ素は、体内に約15㎎存在し、そのほとんどは甲状腺に集中し、成長や代謝を促す甲状腺ホルモンの成分として欠かせないミネラルです。

ヨウ素の働きには、主に次の2つがあります。

  • 基礎代謝を促進させる働き
  • 発育を促進させる働き

ヨウ素は甲状腺ホルモンの構成成分で、身体の代謝やさまざまな機能の調整をしています。

コレステロール値を下げたり、脂質・糖質などの各代謝を促進させ、脂肪燃焼のサポートに働くともいわれています。

また、代謝の促進により細胞の生まれ変わりが早い皮膚・髪・爪を健康な状態に保ち、脳や知能・骨の発達も助けます。

そのため、妊娠期・授乳期の女性や、乳幼児・成長期の子供にとっては特に必要な成分と言われています。

ヨウ素の過剰摂取による悪影響

通常の食事では過剰症を起こすことはほとんどありませんが、慢性的な過剰摂取により甲状腺ホルモンの合成量が低下します。

甲状腺ホルモンの合成量低下により、脱毛・貧血・むくみ・体重増加・体力低下・倦怠感・成長障害など、甲状腺機能の低下や、甲状腺肥大・甲状腺腫が起こる可能性があります。

そのため、ヨウ素は食事摂取基準では耐容上限量が定められています。

昆布の摂りすぎで発症した例がある為、海産物の摂りすぎには注意しましょう。

ヨウ素の食事摂取基準

引用:日本人の食事摂取基準(2020 年版)

ヨウ素不足で起こる不定愁訴

ヨウ素不足で起こる不定愁訴

海産物を摂取する日本人が不足することは稀ですが、摂りすぎの症状と似ていて、甲状腺機能の低下による脱毛・貧血・むくみ・体重増加・体力の低下・倦怠感・成長障害などの不定愁訴の原因になります。

また、甲状腺肥大や甲状腺腫により機能が低下することもあります。

特に乳児では、ヨウ素不足による成長の遅れが見られたり、妊娠中の不足は、胎児の脳や身体の発達が遅れることがあるため、十分な量のヨウ素の摂取が必要です。

ヨウ素欠乏による不定愁訴(代表例)
  • 甲状腺機能の低下

これらの不定愁訴はプレゼンティーズムに繋がる可能性もあるため、健康経営の観点からも重要な課題です。

甲状腺機能の低下

ヨウ素は甲状腺ホルモンの構成成分で、甲状腺ホルモンは新陳代謝を促したり、成長を促進させる働きがあります。

そのため、ヨウ素が不足すると、甲状腺ホルモンの機能が低下し脱毛・貧血・むくみ・体重増加・体力の低下・倦怠感・成長障害などのさまざまは不調が現れます。

予防医学の観点からみるヨウ素の摂取量基準

予防医学の観点からみると、30~49歳男性の場合で1日の摂取目標量は300㎍と考えられます。

年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として300㎍を目安にするといいでしょう。

ヨウ素の目標量は300㎍

厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』では、ヨウ素の摂取基準である「推奨量」は、男性・女性ともに12~74歳は130~140㎍としています。

ただし、推奨量の基準は、ほとんどの人(97~98%)が欠乏しないラインであり、予防医学の観点では不十分です。

ヨウ素の食事摂取基準

引用:日本人の食事摂取基準(2020 年版)

そのため、サムライフでは生活習慣病予防・健康の維持のラインとしてヨウ素の摂取目標量として1日300㎍を推奨しています。

厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。

ヨウ素が豊富な食材と摂取量

ヨウ素が豊富な食材と摂取量

ヨウ素は、昆布・ひじき・わかめなどの海藻類と、タラ・塩サバなどの魚介類に多く含まれます。

ヨウ素含有量は、生育された土壌や使用された肥料によって異なりますが、日本人にとっては摂取しやすい食材です。

海外では乳製品(ヨーグルト・チーズ)や、穀物製品(パン・シリアル)が主要なヨウ素源となっています。

カテゴリー食材ヨウ素含有量(㎍)
海藻類昆布/5g10500
ひじき/10g4700
乾燥わかめ/10g1000
めかぶ/50g(1パック)195
海苔/10g210
魚介類しめさば/100g430
タラ/100g350
塩サバ/100g110
カツオ/100g25
ぶり/100g24

昆布

昆布には、ヨウ素の他にもビタミンKカリウムなどの栄養素が豊富で、脂質やタンパク質よりも炭水化物が多く含まれています。

味噌汁などの料理の出汁や、おでんや煮物の材料にも使われるほか、昆布茶・とろろ昆布・塩昆布などの昆布を加工した商品も人気です。

昆布は、海藻類や魚介類の中でもヨウ素の含有量が多く、1日でヨウ素300㎍を摂取する場合、昆布約0.2gを摂取することで、1日の目標量を満たすことが出来ますが、過剰摂取に注意しましょう。

ひじき

ひじきには、ヨウ素の他にもビタミンKカルシウムなどの栄養素が豊富で、食物繊維もごぼうの約7倍含まれています。

ひじき煮の他にも、煮物や炊き込みご飯・サラダ・和え物など幅広い料理に活用できます。

1日でヨウ素300㎍を摂取する場合、ひじき約1gを摂取することで、1日の目標量を満たすことが出来るため、過剰摂取に注意しましょう。

タラ

タラには、ヨウ素の他にもセレンビタミンB12の含有量が豊富で、タンパク質も多く含まれています。

味にクセのない白身魚で、ムニエルや煮付け・鍋・ホイル焼き・フライなど、様々なレシピに活用できます。

1日でヨウ素300㎍を摂取する場合、タラ約100gを摂取することで、1日の目標量を満たすことが出来ます。

ヨウ素の効果的な摂取方法

ヨウ素の効果的な摂取方法

昆布やひじきなどの海藻類や魚介類に多く含まれており、海藻を食べる習慣のある日本では、ヨウ素が不足することはほとんどありません。

しかし、日本では欠乏症よりも過剰症による甲状腺機能の低下が多くみられるため、海藻類の過剰摂取やサプリメントの過剰摂取には注意が必要です。

セレンと一緒に摂取する

甲状腺ホルモンの代謝に関わる酵素の構成成分として、重要な働きをするセレンですが、ヨウ素の代謝に関与しているため、ヨウ素の吸収と利用を助けます。

そのため、セレンが不足しても甲状腺機能の低下が起こることがあります。

昆布で出汁をとった味噌汁やわかめの味噌汁と、セレンの豊富なまぐろやたらこ・卵など、和食を中心とした食事はヨウ素を効果的に摂取できます。

ゴイトロゲンが含まれる食材との食べ合わせに注意

食材の中には、甲状腺へのヨウ素の蓄積を阻害するゴイトロゲンといわれる化合物を含むものがあり、食べ合わせには注意が必要です。

主に、キャベツやカリフラワー・ケールなどのアブラナ科植物や、アーモンドやピーナッツなどのナッツ類、イソフラボンの含まれる豆類などの植物性食品中に含まれています。

通常の食事量では問題ないため、あまり心配する必要はありませんが、大量摂取には気を付けましょう。

まとめ

今回は、ヨウ素の過剰摂取による悪影響、ヨウ素不足で起こる不定愁訴や病気、ヨウ素の摂取基準や摂取方法について解説してきました。

ヨウ素の過剰摂取や不足は、脱毛・貧血・むくみ・体重増加・体力低下・倦怠感・成長障害など、甲状腺機能の低下や、甲状腺肥大・甲状腺腫などにつながるため、仕事や日常生活にも影響が大きくなります。

食事摂取基準でのヨウ素の耐容上限量は、15歳以上の男性女性ともに3000㎍と設定されているため、ヨウ素の効果的な摂取方法を取り入れましょう。

適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのフルコンサプリメントで補うことをおすすめします。

健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。

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