ビタミンとは?各ビタミンの働きと豊富な食材を解説
健康維持に欠かせない栄養素の一つである「ビタミン」は、エネルギー源となる三大栄養素の働きをサポートするなど、体にとって重要な役割を果たします。
ビタミンが不足すると、頭痛・肩こり・イライラ・疲労感・免疫力の低下など、さまざまな不定愁訴の原因となり、これらの不定愁訴を放っておくことで、病気に発展するリスクがあります。
そこで今回は、「ビタミンってどんな栄養素?」「ビタミンの種類と性質」「各ビタミンの働きと豊富な食材」について解説します。
食生活を中心とした栄養管理を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。
ミネラルに関しては「ミネラルとは?各ミネラルの働きと豊富な食材を解説」にて解説しています。
株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士
薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。
病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。
- 株式会社 サムライフ 代表取締役
- 一般社団法人 日本予防医学マイスター協会 代表理事
- 一般社団法人 日本先進医療臨床研究会 理事
著書:
『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!』
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法』
ビタミンってどんな栄養素?
ビタミンとは、身体の機能を正常に維持するために不可欠な微量栄養素です。
三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)のようにエネルギー源や身体の構成成分にはなりませんが、三大栄養素の代謝を円滑に進めて「潤滑油」のような働きをしています。
ビタミンは、体内ではほとんどつくることができないため、主に食品から摂取する必要があります。
ビタミンが不足すると、それぞれのビタミンに特有の欠乏症を引き起こし、不定愁訴や病気・成長障害につながる可能性があります。
ビタミンの種類と性質
ビタミンは全部で13種類あり、その性質により「脂溶性ビタミン」と「水溶性ビタミン」に分けられます。
脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンには、ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKが含まれます。
水に溶けにくく、油脂やアルコールに溶ける性質を持つビタミンで、主に脂肪組織や肝臓に貯蔵され、身体の機能を正常に保つ働きをします。
脂溶性ビタミンは、尿から排出されにくいため、摂りすぎると頭痛や吐き気などの過剰症を起こすことがあります。
一方で、油には溶けやすいため、オリーブオイルやナッツなどの油脂と一緒に摂取することで吸収率がアップするのも特徴です。
水溶性ビタミン
水溶性ビタミンには、ビタミンB群(B1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・葉酸)と、ビタミンCが含まれます。
水に溶けやすく油脂に溶けにくい性質を持つビタミンで、その多くは代謝にかかわる働きをもっています。
水溶性ビタミンは、血液などの体液に溶け込んでいるため、沢山摂っても体内に蓄積されずに尿として排出されます。
そのため、摂りすぎることはあまりないと考えられますが、摂取量が少ない場合は欠乏症を引き起こす可能性があるため、毎日一定量を摂る必要があります。
各ビタミンの働きと豊富な食材
ビタミンは、エネルギー源となる三大栄養素の働きをサポートするなど、体にとって重要な役割を果たします。
そのため、ビタミンが不足すると、頭痛・肩こり・イライラ・疲労感・免疫力の低下など、さまざまな不定愁訴の原因となり、これらの不定愁訴を放っておくことで、病気に発展するリスクがあります。
ビタミンA
強い抗酸化力を持つビタミンAは、レバー・うなぎ・モロヘイヤ・人参などに豊富に含まれています。
ビタミンAが不足することで、視力の低下や免疫力の低下などの不定愁訴の原因になります。
特に、子どものビタミンA不足の場合、成長障害を起こす可能性があります。
ビタミンAの働き
- 外部からの細菌の攻撃に対抗して感染症を予防し、免疫力を高める働き
- 視覚と視力を正常に保つ働き
- 老化やがんを抑制する働き
ビタミンAが豊富な食材
- 鶏レバー
- うなぎ
- モロヘイヤ
ビタミンA不足を原因とする不定愁訴
- 視力の低下
- 免疫力の低下
ビタミンA不足を原因とする病気
- 成長障害(子ども)
ビタミンD
骨の形成に必要なビタミンDは、魚類・きのこ類に豊富に含まれていますが、野菜類・穀物類・豆類・いも類にはほとんど含まれません。
ビタミンDが不足することで、筋肉痛・筋力低下・骨軟化症などの不定愁訴の原因になります。
また、子どもの場合は骨の成長障害が起こる可能性があり、高齢者や閉経後の女性のビタミンD不足は、骨粗しょう症の原因にもなります。
ビタミンDの働き
- 骨を健康に保つ働き
- 免疫を高める働き
ビタミンDが豊富な食材
- 鮭
- きくらげ
- 乾燥椎茸
ビタミンD不足を原因とする不定愁訴
- 筋肉痛
- 筋力低下
- 骨軟化症
ビタミンD不足を原因とする病気
- 骨の成長障害(子ども)
- 骨粗しょう症(高齢者・閉経後の女性)
ビタミンE
強い抗酸化力を持ち、別名「若返りのビタミン」とも呼ばれているビタミンEは種実類・野菜類・魚介類・油脂類に多く含まれています。
ビタミンEが不足することで、シミ・しわの増加や、冷え性・頭痛・肩こりといった神経障害や筋障害などの不定愁訴の原因になります。
また、未熟児や乳幼児では赤血球膜の抵抗力が弱り、溶血性貧血を起こすこともあります。
ビタミンEの働き
- 皮膚の老化を抑える働き
- 血行を良くして冷え性を改善する働き
- 血液中の悪玉コレステロール(LDL)の酸化を防ぐ働き
ビタミンEが豊富な食材
- アーモンド
- モロヘイヤ
- オリーブオイル
ビタミンE不足を原因とする不定愁訴
- シミ・しわの増加
- 冷え性
- 頭痛
- 肩こり
ビタミンE不足を原因とする病気
- 溶血性貧血(未熟児や乳幼児)
ビタミンK
血液の凝固に関わることから、「止血ビタミン」とも呼ばれているビタミンKは、モロヘイヤ・小松菜・ほうれん草などの緑黄色野菜やわかめや海苔などの海藻類に多く含まれます。
ビタミンKが不足することで、出血・内出血・歯肉出血・骨折しやすくなるなどの不定愁訴の原因になります。
また、新生児のビタミンK欠乏では、頭蓋内出血や新生児メレナ(消化管出血)などの新生児疾患が起こる可能性があります。
ビタミンKの働き
- けがや内出血を起こしたときに止血をする働き
- 歯や骨を健康に保つために必要な働き
ビタミンがK豊富な食材
- 納豆
- モロヘイヤ
- 海苔
ビタミンK不足を原因とする不定愁訴
- 出血
- 内出血
- 歯肉出血
- 骨折しやすくなる
ビタミンK不足を原因とする病気
- 頭蓋内出血(新生児)
- 新生児メレナ(消化管出血)
ビタミンB1
ビタミンB1はチアミンとも呼ばれている栄養素で、肉類・魚類・豆類・全粒穀類・種実類などに多く含まれます。
ビタミンB1が不足すると、神経障害・疲労感・倦怠感・記憶力の低下などの不定愁訴の原因になります。
また、これらの不定愁訴を放っておくことで、脚気やウェルニッケ脳症などの病気に発展するリスクがあります。
ビタミンB1の働き
- 糖質に含まれるブドウ糖をエネルギーに変換する働き
- 脳の中枢神経・末梢神経の働きを正常に保つ働き
ビタミンB1が豊富な食材
- 豚肉
- うなぎ
- 玄米
ビタミンB1不足を原因とする不定愁訴
- 神経障害
- 疲労感・倦怠感
- 食欲不振
- イライラ
- 記憶力の低下
ビタミンB1不足を原因とする病気
- 脚気
- ウェルニッケ脳症
ビタミンB2
ビタミンB2は発育促進に欠かせない栄養素であることから、別名「発育のビタミン」とも呼ばれており、レバーや魚介類、卵などの動物性食品に多く含まれています。
ビタミンB2が不足すると、肌トラブル・口内炎・眼精疲労・成長障害などの不定愁訴の原因になります。
また、これらの不定愁訴を放っておくことで、がんや生活習慣病などの病気に発展するリスクがあります。
ビタミンB2の働き
- 脂質・糖質・タンパク質を分解してエネルギーに変換する働き
- 皮膚や粘膜を保護したり成長を促したりする働き
ビタミンB2が豊富な食材
- レバー
- 海苔
- 納豆
ビタミンB2不足を原因とする不定愁訴
- 肌トラブル
- 口内炎・口角炎
- 眼精疲労
- 成長障害
ビタミンB2不足を原因とする病気
- がん
- 心疾患
- 糖尿病
- 脳卒中
ビタミンB6
疲労回復にも役立つビタミンB6は、約100種類の酵素の働きを助ける補酵素として、重要な役割を担っているビタミンの1つで、肉類・魚類・果物・野菜などに多く含まれます。
ビタミンB6が不足すると、皮膚炎・口角炎・貧血・疲労感などの不定愁訴の原因になります。
また、これらの不定愁訴を放っておくことで、神経系の異常が起こるリスクがあります。
ビタミンB6の働き
- 筋肉・血液・抗体などをつくる際のサポートをする働き
- 健やかな髪・皮膚・歯を作ったり、成長を促進させる働き
- 神経伝達物質の合成を助け、脳を正常に保つ働き
- 脂肪の代謝をサポートし、脂肪肝を予防する働き
- エストロゲンの代謝に関わり、ホルモンバランスを整える働き
ビタミンB6が豊富な食材
- 牛レバー
- ビンチョウマグロ
- にんにく
ビタミンB6不足を原因とする不定愁訴
- 皮膚炎
- 口内炎・口角炎・舌炎
- 貧血
- 疲労感・倦怠感
ビタミンB6不足を原因とする病気
- 神経系の異常
ビタミンB12
他のビタミンに比べて必要量はわずかですが、補酵素として様々な反応に関与しているビタミンB12は、主に動物性食品に多く含まれています。
ビタミンB12の不足は、眼精疲労・手足の痺れ・巨赤芽球性貧血(悪性貧血)などの不定愁訴の原因になります。
また、これらの不定愁訴を放っておくことで、運動失調などの神経障害や記憶障害・うつ病などの症状が現れる場合があります。
ビタミンB12の働き
- 葉酸と協力して新しい赤血球を作り出す働き
- 神経細胞を修復する働き
ビタミンB12が豊富な食材
- 牛レバー
- あさり
- しじみ
ビタミンB12不足を原因とする不定愁訴
- 眼精疲労
- 下肢の痺れ
- 巨赤芽球性貧血(悪性貧血)
ビタミンB12不足を原因とする病気
- 神経障害
- 記憶障害
- うつ病
ナイアシン
ナイアシンはニコチン酸とニコチンアミドの総称であり、ビタミンB3とも呼ばれる栄養素で、肉や魚などの動物性食品に多く含まれます。
ナイアシンンの欠乏は、疲労感・食欲不振・消化不良・メンタルの不調などの不定愁訴の原因になります。
また、これらの不定愁訴を放っておくことで、ペラグラ(ナイアシン欠乏症)に発展するリスクがあったり、子どものナイアシン欠乏は、成長障害が起こる可能性もあります。
ナイアシンの働き
- 糖質・脂質・タンパク質の代謝に関与する働き
- アルコールを分解する働き
ナイアシンが豊富な食材
- レバー
- たらこ
- 落花生
ナイアシン不足を原因とする不定愁訴
- 疲労感
- 食欲不振・消化不良
- メンタルの不調
ナイアシン不足を原因とする病気
- ペラグラ
- 成長障害(子ども)
パントテン酸
ギリシャ語で「どこにでもある酸」を意味するパントテン酸は、レバー・子持ちガレイ・たらこ・納豆・アボカドなど、名前のごとく様々な食品に広く含まれています。
パントテン酸が不足すると、疲労感・頭痛・食欲不振などの不定愁訴の原因になります。
これらの不定愁訴を放っておくことで、手や足の知覚異常が起こるリスクが高まります。
パントテン酸の働き
- 糖質・脂質・タンパク質の代謝を助け、エネルギー生産を円滑にする働き
- ストレスへの抵抗力をつける働き
パントテン酸が豊富な食材
- 鶏レバー
- 子持ちガレイ
- 納豆
パントテン酸不足を原因とする不定愁訴
- 疲労感
- 頭痛・めまい
- 食欲不振
パントテン酸不足を原因とする病気
- 手や足の知覚異常
ビオチン
腸内細菌によっても合成されるビオチンは、肉類・魚介類・きのこ類・種実類・卵類など、様々な食品に広く含まれています。
ビオチンが不足すると、皮膚炎・脱毛などの不定愁訴の原因になります。
腸内細菌によっても合成されるため、通常の食生活では欠乏することはないと考えられますが、必要量を維持できない場合、ビオチン欠乏が起こる可能性があります。
ビオチンの働き
- 皮膚や髪の健康を守る働き
- エネルギー代謝をサポートする働き
ビオチンが豊富な食材
- 鶏レバー
- 卵
- 舞茸
ビオチン不足を原因とする不定愁訴
- 皮膚炎
- 脱毛
ビオチン不足を原因とする病気
- ビオチン欠乏症
葉酸
「造血のビタミン」とも呼ばれている葉酸は、その名の通り緑葉野菜に豊富に含まれており、また、レバーや豆類・果物にも豊富です。
葉酸が不足すると、口内炎・肌荒れ・巨赤芽球性貧血(悪性貧血)・動脈硬化などの不定愁訴の原因になります。
また、妊娠中に葉酸欠乏症があると、胎児の神経管閉鎖障害や無脳症が起こる可能性があります。
葉酸の働き
- ビタミンB12とともに、新しい赤血球を正常に作り出す働き
- 胎児が正常に発育するために、タンパク質や細胞新生に必要な核酸(DNAやRNA)を合成する働き
葉酸が豊富な食材
- 菜の花
- モロヘイヤ
- 牛レバー
葉酸不足を原因とする不定愁訴
- 口内炎・肌荒れ
- 巨赤芽球性貧血(悪性貧血)
- 動脈硬化
葉酸不足を原因とする病気
- 神経管閉鎖障害(胎児)
- 無脳症(胎児)
ビタミンC
ビタミンCは、主に野菜や果物から摂取できますが、水に溶けやすく熱に弱いため、3分以上茹でるとビタミンC量が半減します。
ビタミンCが不足すると、疲労感・歯茎や皮下の炎症などの不定愁訴の原因になります。
また、乳児の場合はイライラや、食欲の減退により正常に体重が増加しなくなり、乳児と小児では、骨の成長が阻害されることもあり、これらの不定愁訴を放っておくと、壊血病に発展するリスクが高まります。
ビタミンCの働き
- 血管、筋肉、骨、皮膚などの細胞をつなぎ、丈夫に保つ働き
- 体内の酸化を防ぐ働き
- 免疫力を高め感染予防やがんの増殖を抑制する働き
- 腸管での鉄の吸収をよくする働き
ビタミンCが豊富な食材
- 菜の花
- 赤ピーマン
- グァバ
ビタミンC不足を原因とする不定愁訴
- 疲労感
- 歯茎や皮下の炎症や出血
ビタミンC不足を原因とする病気
- 壊血病
まとめ
今回は、ビタミンとはどのような栄養素なのか、ビタミンの種類と性質について解説してきました。
ビタミンが不足すると、それぞれのビタミンに特有の欠乏症を引き起こし、不定愁訴や病気・成長障害につながる可能性があります。
そのため、適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのフルコンサプリメントで補うことをおすすめします。
健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。