口内炎の改善に役立つ栄養素は?栄養素の目標量も併せて解説

- 口内炎ができる原因って?
- 口内炎に隠れている病気は?
- 口内炎の改善は、どんな方法があるの?
口の中にできる炎症やただれなど、多くの人が経験したことのある「口内炎」は不定愁訴の一つです。
食事のたびにしみたり、話すのもつらくなったりと、日常生活に意外と大きなストレスを与える存在です。
口内炎は一時的なものと思われがちですが、繰り返しできたり、なかなか治らない場合は、栄養不足や、生活習慣、体の内側の不調が関係していることもあります。
そこで今回は、口内炎を引き起こしやすい原因、口内炎に潜んでいる病気や合併症、さらに口内炎の予防や改善に必要な栄養素を解説します。
食生活を中心とした栄養管理を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。
株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士
薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。
病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。
- 株式会社 サムライフ 代表取締役
- 一般社団法人 日本予防医学マイスター協会 代表理事
- 一般社団法人 日本先進医療臨床研究会 理事
著書:
『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!』
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法』

口内炎とは

不定愁訴の一つである口内炎とは、口の中の粘膜に生じる炎症の総称です。
頬の内側、舌、唇の裏側、歯ぐき、口蓋(上あご)など、さまざまな部位にできる可能性があり、赤く腫れる、白くなる、しみる、痛むといった症状が見られます。
話す、食べる、飲むなど日常の動作がつらくなることもあり、生活の質を低下させる症状の一つです。
一過性のものもあれば、繰り返し起こるケースや、なかなか治らない慢性的なものもあります。
多くは数日から2週間程度で自然に治癒しますが、背景には栄養不足、ストレス、免疫力の低下、睡眠不足、あるいは全身疾患などが関係していることもあります。
繰り返す場合は、生活習慣や体調のサインとして捉えることも重要です。
口内炎ができる主な原因はストレスや栄養不足

口内炎ができる原因には、物理的刺激(頬を噛む、歯ブラシの当てすぎ、矯正器具の接触)、ストレス、睡眠不足、免疫力の低下などがあげられます。
しかし、近年注目されているのは、特定の栄養素の不足です。
特に、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)の不足は粘膜の修復力を低下させ、炎症を引き起こしやすくします。
また、鉄欠乏や亜鉛不足も免疫機能の低下や粘膜の脆弱化に繋がり、口内炎のリスクを高めます。
これらの原因は単独ではなく複合的に作用することが多く、例えば「ストレス+睡眠不足+栄養不足」のように重なることで、口内炎のリスクが高まります。
- 物理的刺激
- ストレス
- 栄養不足
- 睡眠不足
- 免疫力の低下
物理的刺激(頬を噛む、歯ブラシの当てすぎ、矯正器具の接触など)
口内炎ができる原因の一つとして、物理的刺激があげられます。
口の中の粘膜は非常にデリケートで、ちょっとした刺激で傷つきやすい場所です。
たとえば、誤って頬の内側を噛んでしまったり、硬い食べ物で擦れたり、歯ブラシが強く当たったりすると、その小さな傷が口内炎の原因になります。
特に、矯正装置や合わない義歯などが慢性的に粘膜を刺激していると、炎症を繰り返すようになります。
ストレス
口内炎ができる原因の一つとして、ストレスがあげられます。
ストレスがかかると副腎からストレスホルモン(コルチゾール)が分泌され、体内でビタミンCやビタミンB群が大量に消費されます。
その結果、粘膜の修復力が落ち、免疫も低下し、口内炎ができやすくなります。
ストレス性の口内炎は、円形や白っぽい潰瘍ができやすい傾向があります。
栄養不足
口内炎ができる原因の一つとして、栄養不足があげられます。
粘膜の修復や、免疫に必要な栄養素が不足していると、口の中のトラブルが起こりやすくなります。
特に、粘膜の健康を保つビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、細胞の代謝に関わる鉄や亜鉛が不足していると、口内炎が治りにくく、再発しやすくなります。
特に「隠れ貧血」と呼ばれる軽度の鉄欠乏状態でも、口内炎が繰り返しやすくなることがあります。
また、偏った食事や消化吸収力の低下、ストレスなども栄養不足を引き起こす原因になります。
睡眠不足
口内炎ができる原因の一つとして、睡眠不足があげられます。
睡眠中は、体や細胞の修復・再生が活発に行われる時間帯です。
睡眠が不足すると、粘膜のターンオーバーが滞り、日中に受けたダメージが修復されにくくなります。
また、慢性的な睡眠不足は免疫力を低下させ、口内の常在菌やウイルスに対する防御力が弱くなり、炎症が起きやすくなります。
免疫力の低下
口内炎ができる原因の一つとして、免疫力の低下があげられます。
免疫力が落ちると、口の中で増殖した細菌やウイルスに対しての防御が弱くなります。
その結果、軽い傷でも感染や炎症が起こりやすく、口内炎へと進行します。
風邪を引いたあとや、疲労が蓄積しているとき、あるいは免疫系に関わる病気(糖尿病・自己免疫疾患など)を抱えているときは特に注意が必要です。
口内炎の主な種類と特徴

口内炎には代表的なアフタ性口内炎や、カンジタという真菌が原因で起こるカンジタ性口内炎など、原因や症状に違いがあります。
- アフタ性口内炎
- カタル性口内炎
- ウイルス性口内炎
- カンジタ性口内炎
- アレルギー性口内炎
- ニコチン性口内炎
アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は、口内炎の種類の中でもっとも一般的な口内炎です。
直径数ミリほどの白くて浅い潰瘍ができ、頬の内側や舌、唇の裏側などに現れ、その周囲が赤く縁取られます。
ピリピリとしみるような痛みがあり、食事や会話がつらくなることもあります。
通常は1〜2週間で自然に治癒することが多いですが、繰り返しやすかったり、長引いたりする場合には、ビタミンB群の不足やストレス、免疫力の低下などが関与している可能性があります。
カタル性口内炎
カタル性口内炎は、物理的な刺激(入れ歯や矯正器具、誤って噛んだ傷など)によって起こる炎症です。
粘膜が赤く腫れ、ヒリヒリしたり違和感を覚える程度の軽い症状が多いですが、刺激が繰り返されると潰瘍になることもあります。
ウイルス性口内炎
ウイルス性口内炎は、単純ヘルペスウイルスやコクサッキーウイルスなどのウイルス感染によって起こる口内炎です。
口の中に小さな水疱やびらん(ただれ)ができ、強い痛みを伴うのが特徴です。
さらに、発熱・リンパ節の腫れ・全身のだるさなどの全身症状を伴うことも多く、特に乳幼児や高齢者、免疫力が低下している人に発症しやすい傾向があります。
ウイルス性口内炎は、再発を繰り返すこともあり、体調の変化と深く関係しています。
カンジタ性口内炎
カンジダ性口内炎は真菌(カビの一種)であるカンジダ菌の異常増殖によって起こります。
カンジダ菌は誰の口腔内にも常在していますが、免疫力が低下していると増殖しやすくなり、症状として現れます。
舌や粘膜に白いコケ状の斑点が現れ、はがすと赤くただれた状態になるのが特徴です。
高齢者、抗生物質やステロイドを使用している方、糖尿病のある方に多く見られます。
アレルギー性口内炎
アレルギー性口内炎は、歯科治療の詰め物、特定の食べ物、薬剤、食品添加物などによるアレルギー反応が原因で起こる口内炎です。
アレルゲンに反応して、口の粘膜が赤く腫れたり、水疱や潰瘍(ただれ)ができることがあります。
特定の食材が原因となるケースや、金属アレルギー、薬の成分、加工食品に含まれる添加物が誘因となる場合もあります。
症状は、接触した部分に限定されることが多く、原因を特定して避けることで予防が可能です。
再発を繰り返す場合や原因がはっきりしない場合は、アレルギー検査などを受け、専門的な対処が必要になります。
ニコチン性口内炎(煙草による口内炎)
ニコチン性口内炎は、喫煙が原因で口腔内に生じる炎症や粘膜の変化を指します。
喫煙によって口の中、特に上あご(口蓋)の粘膜が赤くなった後、徐々に白く厚く角化するのが特徴です。
通常は痛みを伴わないことが多いものの、食べ物がしみる、口腔内の違和感を感じるといった症状が現れる場合があります。
この状態が長期間続くと、白斑ができたり、がん(口腔がん)に進行するリスクも指摘されています。
特に一日の喫煙本数が多いヘビースモーカーや、長年喫煙習慣のある方は注意が必要です。
口内炎に潜んでいる病気や合併症

繰り返す口内炎や、なかなか治らない口内炎の背後には、全身疾患や栄養障害が潜んでいることもあります。
たとえば、ベーチェット病、潰瘍性大腸炎、クローン病などの自己免疫疾患では、口内炎が初期症状として現れることがあります。
また、鉄欠乏性貧血やビタミンB12欠乏(悪性貧血)では、舌炎や口角炎を伴う口内炎がみられることもあります。
さらに、糖尿病などによる慢性的な免疫力の低下や、がん治療中の副作用としての粘膜炎にも注意が必要です。
口内炎の予防や改善に必要な栄養素と目標量

口内炎を根本から改善・予防するためには、生活習慣の見直しとともに、必要な栄養素をしっかり補うことが重要です。
とくに、口腔内の粘膜を健やかに保ち、ダメージを受けた細胞の修復を促す栄養素の摂取は欠かせません。
- ビタミンB群
- 鉄(15㎎)
- 亜鉛(20㎎)
- ビタミンC(1000㎎)・ビタミンA(1500㎍)
ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)
ビタミンB群は、粘膜の修復・再生、細胞分裂、エネルギー代謝に深く関与する栄養素です。
特に、ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に不可欠で、傷の治りを助ける働きがあり、ビタミンB6はタンパク質代謝に関わり、組織の再生に必要です。
また、ビタミンB12・葉酸は血液や細胞の再生を助ける働きがあり、粘膜の健康を支える役割があります。
豚肉、レバー、卵、納豆、緑黄色野菜などから、バランスよく摂取することで、口内炎の予防や改善につながります。
鉄(15㎎)
鉄は、酸素を全身に運ぶ働きがあり、粘膜細胞の再生や免疫機能の維持に関わる重要なミネラルです。
レバーや赤身の肉から摂取できるヘム鉄と、ホウレン草や青のり、ひじきなどから摂取できる非ヘム鉄をバランスよく摂取しましょう。
亜鉛(20㎎)
亜鉛は、粘膜や皮膚の修復、免疫機能の維持、味覚の正常化に関与するミネラルで、口内炎の回復を早める栄養素として注目されています。
そのため、牡蠣やしらす、豚レバー、ナッツ類などにからバランスよく摂取しましょう。
ビタミンC(1000㎎)ビタミンA(1500㎍)
ビタミンCは高い抗酸化作用を持ち、炎症を抑え、粘膜の回復をサポートをするため、口内炎の予防や改善に役立ちます。
また、鉄の吸収を助ける働きもあり、栄養素同士の相乗効果も期待できます。
ビタミンA(β-カロテン)は、粘膜や皮膚の健康を守るビタミンで、粘膜細胞の分化や再生を助けます。
レバーやうなぎ、人参やかぼちゃ、モロヘイヤなどに多く含まれています。
まとめ
今回は、口内炎を引き起こす原因や、予防・改善方法について解説してきました。
口内炎を引き起こしにくくするためには、ビタミンB群、鉄、亜鉛、ビタミンA、ビタミンCなどをバランスよく摂取し、生活習慣を見直すことも大切です。
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