タンパク質とは?必要な摂取量と豊富な食材について解説

こんな方におすすめ
  • タンパク質の不足は、身体にどんな悪影響があるの?
  • タンパク質はどれくらい摂れば十分なの?
  • タンパク質はどんな食材に豊富なの?

三大栄養素の一つであるタンパク質は、人間の筋肉や臓器・ホルモンの材料や、エネルギー源にもなっている、生命維持に不可欠な栄養素です。

タンパク質が不足すると、肌荒れ・髪のダメージ・爪が割れやすくなる・体力の低下・免疫力の低下などの不定愁訴の原因となり、これらの不定愁訴を放っておくことで、病気に発展するリスクがあります。

そこで今回は、「タンパク質をどのくらい摂取すればよいのか(摂取基準)」「タンパク質が豊富な食材や摂取方法」について解説します。

食生活を中心とした栄養管理を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。

監修者

株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士

薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。

病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。

著書:
4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法

目次

タンパク質とは

タンパク質とは

タンパク質は、炭水化物・脂質と並ぶ三大栄養素の一つで、脳の栄養源としてだけでなく、生命維持に不可欠であり、組織の構築や多彩な機能を担う基本的な物質です。

タンパク質を構成するアミノ酸は、タンパク質合成の材料としてだけでなく、神経伝達物質やビタミンなどの前駆体としても重要です。

タンパク質の特徴

タンパク質は、アミノ酸が多数結合した高分子化合物で、炭素・水素・酸素に加えて、窒素やイオウを含むのが特徴です。

人間の身体は、約10万種類のタンパク質で構成されていますが、これらはわずか20種類のアミノ酸という基本単位によってつくられています。

アミノ酸だけで構成される「単純タンパク質」と、アミノ酸以外の成分も含む「複合たんぱく質」の2種類のタンパク質に分類されます。

タンパク質の役割

タンパク質は、筋肉や臓器・血液・皮膚・髪・歯・爪など、身体の多くの組織を形成する栄養素です。

また、体の機能を調整するホルモンや酵素、抗体、神経伝達物質などの材料でもあり、免疫、代謝、血圧調整、神経機能の維持にも重要な役割を果たしています。

構造タンパク質と機能タンパク質

タンパク質には、大きく分けて「構造タンパク質」と「機能タンパク質」の2種類があります。

筋肉や臓器などの身体を構成する最も重要な成分を構造タンパク質、酵素・ホルモン・免疫抗体などの原料になり、生命の維持に欠かせない成分が機能タンパク質といいます。

特に機能タンパク質は多く存在し、不定愁訴や身体の不調・コンディション不良の解決に役立ちます。

アミノ酸とは?

アミノ酸とは?

タンパク質の最小単位であるアミノ酸は、タンパク質の構成要素であり、20種類が知られています。

必須アミノ酸と非必須アミノ酸

アミノ酸には、必須アミノ酸とそれ以外の非必須アミノ酸があります。

必須アミノ酸
  • イソロイシン
  • ロイシン
  • リジン
  • メチオニン
  • フェニルアラニン
  • トレオニン(スレオニン)
  • トリプトファン
  • バリン
  • ヒスチジン
非必須アミノ酸
  • チロシン
  • システイン
  • アスパラギン酸
  • アスパラギン
  • セリン
  • グルタミン酸
  • グルタミン
  • プロリン
  • グリシン
  • アラニン
  • アルギニン

必須アミノ酸は、人間の体内で合成することができないため、食事から摂取する必要がありますが、非必須アミノ酸は体内で合成可能です。

各アミノ酸の役割と特性

各アミノ酸は異なる機能や特性を持ち、体内で様々な役割を果たします。

例えば、ロイシンは筋肉の修復や成長に関与し、セリンは酵素の触媒として働きます。

各アミノ酸の働き(代表例)
  • グルタミン・・・リラックス・不安を解消する神経伝達物質
  • フェニルアラニン・・・ドーパミン・アドレナリンが作られる(勇気・元気・やる気・集中力)
  • トリプトファン・・・セロトニン・メラトニン(幸福ホルモン・睡眠ホルモン)が作られる
  • ロイシン・・・筋肉の修復や成長に関与
  • セリン・・・酵素の触媒

このように、タンパク質とアミノ酸は私たちの健康と生理的機能に欠かせない重要な要素となっています。

タンパク質の作用

タンパク質の作用

タンパク質には、細胞や組織の形成・免疫機能のサポート・ホルモンの生成・エネルギー生成に関与するなど、身体の機能維持に不可欠な役割を果たしています。

免疫機能のサポート

免疫とは、身体が外部から侵入してくる病原体(ウイルス・細菌など)や異物から身を守るための防御システムです。

タンパク質は、抗体の材料となり、体内の病原体を特定し、中和する役割を担っています。

身体に抗体を多く作っている人が免疫力が高く、肥満の人は体内のタンパク質量が少ないことから、抗体をつくる能力が低くなるともいわれています。

ホルモンの生成

ホルモンは、アミノ酸(タンパク質から作るホルモン)と、コレステロール(男性ホルモンと女性ホルモン)の二種類があります。

アミノ酸(タンパク質)から作るホルモン
  • 甲状腺ホルモン
  • アドレナリン
  • ノルアドレナリン
  • 成長ホルモン
  • インスリン
コレステロールから作るホルモン
  • 男性ホルモン
    (テストステロン)
  • 女性ホルモン
    (エストロゲン・プロゲステロン)


ホルモンの適切な生成が妨げられると、ホルモンバランスや自律神経が乱れて、身体の不調を引き起こす可能性があります。

また、アミノ酸から作られるホルモンの中に、アドレナリン・ノルアドレナリン(元気・勇気・やる気)や成長ホルモン(若さの泉)がありますが、このホルモンは痩せるためにも必要なホルモンです。

タンパク質不足で起こる不定愁訴

タンパク質不足で起こる不定愁訴

タンパク質が不足すると、肌荒れ・髪のダメージ・爪が割れやすくなる・体力の低下・免疫力の低下などの不定愁訴の原因になります。

また、子どもの成長障害や高齢者におけるサルコペニアやフレイルにつながります。

タンパク質不足による不定愁訴(代表例)
  • 体力の低下
  • 免疫力の低下

これらの不定愁訴はプレゼンティーズムに繋がる可能性もあるため、健康経営の観点からも重要な課題です。

体力の低下・免疫力の低下

タンパク質が不足すると、人体を構成するタンパク質が分解されて、不足分を補うため、体力や免疫力が低下します。

健康な成人は、タンパク質の合成と分解の量がつり合っている状態です。

しかし、食事量が少なくなったり、栄養バランスが偏ったりすると、タンパク質が不足しやすくなり、体内のタンパク質のバランスが乱れる可能性があります。

例えば、減量のために脂質を制限しすぎて、肉や卵、魚などの主要なタンパク源が不足するケースが考えられます。

特に高齢者では、徐々に食事量が減少し、タンパク質不足に気づかないこともあります

タンパク質の摂りすぎによる悪影響

タンパク質の摂りすぎによる悪影響

タンパク質の過剰摂取は、腎機能障害やカルシウムの排出増加を招く可能性があります。

タンパク質には、糖質や脂質のように身体に貯蔵する仕組みがないため、過剰分は尿に排出されます。

腎臓に負担をかけ、腎機能を招く恐れがあり、特に既に腎機能に問題がある人や高齢者にとって懸念されます。

また、タンパク質の消化過程でアンモニアが生成され、その排出にカルシウムが必要です。

そのため、長期間にわたる過剰なタンパク質摂取は、カルシウムの排出を増加させるだけでなく、骨粗しょう症につながる可能性もあります。

予防医学の観点からみるタンパク質の摂取基準量

予防医学の観点からみると、30~49歳男性の場合で1日の摂取目標量は体重×1.2~1.5倍と考えられます。

年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として体重×1.2~1.5倍を目安にするといいでしょう。

植物性タンパク質・動物性タンパク質を1:1で摂取

植物性タンパク質・動物性タンパク質のどちらかに偏らず、1:1で摂取したうえで、目標量の体重×1.2~1.5倍を目指しましょう。

現代では、焼き肉・ハンバーグ・唐揚げ・ステーキなど、お肉を食べる習慣が増えたため、タンパク質の摂取がお肉に偏っている方が多いのではないでしょうか。

しかし、お肉に偏ったタンパク質摂取は、腸内に住む悪玉菌のエサとなり、腸内環境のバランスを乱すだけでなく、肥満や血中コレステロール値の上昇により、動脈硬化や心臓病・脳卒中などにつながる恐れもあります。

植物性の中でも、大豆や豆腐・えんどう豆・ブロッコリーなどの野菜やきのこ類など、多様な食材からのタンパク質摂取や、動物性タンパク質の中でも、お昼はお肉・夜はお魚など、バランスよく摂取できると良いでしょう。

タンパク質の目標量は体重×1.2~1.5倍

厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』では、タンパク質の摂取基準である「目標量」は、男性女性ともに12~49歳は摂取エネルギーの13~20%、50~64歳は14~20%、65~74歳は15~20%としています。

推奨量は、男性18~74歳は60~65g、女性18~74歳は50~55gとなっています。

しかし、厚生労働省の掲げる目標量では、予防医学の観点では不十分です。

タンパク質の食事摂取基準

引用:日本人の食事摂取基準(2020 年版)

そのため、サムライフでは生活習慣病予防・健康の維持のラインとしてタンパク質の摂取目標量として1日体重×1.2~1.5倍を推奨しています

例)55㎏の人が必要なタンパク質の量   55(㎏)×1.5倍=82.5g

厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。

また、人間の身体は、水分(約55~60%)・タンパク質(約18%)・脂質(約17~22%)・炭水化物0.5%・ビタミン・ミネラル約4.5%によって構成されています。

個人の目標や健康状態によって違いはありますが、体組成のバランスとして一般的には次のような目安があります。

タンパク質が18%以下になると、タンパク質の機能が低下して、不定愁訴やメンタルの不調が起きてきます。

身体はどんな栄養素でできている?

運動量が少ない人の目安量は体重×1.0倍

1日の運動量が少ない方は、体重×1.0倍を目安にタンパク質の摂取をしましょう。

オフィスワークや在宅ワークの方が増えている現代では、エネルギーの消費量が少なくなっている方が多くみられます。

厚生労働省が発表した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」によれば、健康維持には身体活動を1日60分以上行うことが推奨されています。(1日8,000歩以上に相当)

運動量が1日60分以内または、1日8000歩を下回っている方は1日のタンパク質摂取量を体重×1.0倍を目安にしましょう。

タンパク質が豊富な食材と摂取量

タンパク質が豊富な食材と摂取量

食事からタンパク質を摂取するには、肉類・魚介類・卵類などの動物性食品と、穀類や豆類などの植物性食品があります。

動物性食品と植物性食品の食材によって、含まれている必須アミノ酸が異なります。

カテゴリー食材タンパク質含有量(g)
動物性タンパク質かつおぶし/100g77.1
煮干し/100g64.5
しらす干し/100g40.5
まぐろ/100g26.4
かつお/100g25
鶏ささみ/100g23.9
鶏胸肉(皮なし)/100g23.3
豚ロース/100g19.3
植物性タンパク質高野豆腐/100g50.5
大豆/100g33.8
油揚げ/100g23.4
エンドウ豆/100g21.7
枝豆/100g11.7
ブロッコリー/100g5.4

動物性タンパク質

肉類・魚介類・卵・乳製品などが代表的で、動物性たんぱく質のほとんどは、9種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。

動物性タンパク質は、胃腸での消化が比較的速く、アミノ酸として迅速に吸収されます。

動物性タンパク質の中でも、かつお節やしらすのタンパク質含有量が多いため、サラダや豆腐・お米などにトッピングして毎日摂取できると良いでしょう。

また、肉や魚は油を使って調理するとカロリーや脂質が高くなってしまうため、油を使わない調理法がおすすめです。

カロリーを抑える調理順
揚げる<炒める<煮る<蒸す<網焼き<茹でる

植物性タンパク質

植物性タンパク質は、豆類・ナッツ類・穀物類などに多く含まれており、動物性タンパク質に比べて脂質が少ないのが特徴です。

大豆は9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれていますが、他の食材では一部の必須アミノ酸が不足していることがあります。

しかし、組み合わせや調理法によりタンパク質の吸収率を改善することが可能で、例えば、穀物と豆類を組み合わせることで必須アミノ酸のバランスを整えることができます。

タンパク質の効率的な摂取方法

タンパク質の効率的な摂取方法

主に、食事からバランスよくタンパク質を摂取することが基本です。

動物性タンパク質・植物性タンパク質どちらかだけに偏らず、組み合わせて全ての必須アミノ酸をバランスよく摂るようにしましょう。

摂取するタイミング

タンパク質は、一度に大量に摂取するよりも、1日に3回(3食)または間食を入れた4回に分けて摂る方が吸収効率が良いでしょう。

例えば、間食にはパンやお菓子などではなく、ヨーグルト・チーズ・茹で卵・枝豆や、飲み物はジュースではなく、無調整豆乳やプロテインなどにすると、日常的なタンパク質摂取が可能です。

一緒に摂取すると良い栄養素

タンパク質は、ビタミンB群やビタミンD・鉄・亜鉛などのビタミンやミネラルと一緒に摂取することで、利用効率が高まります。

また、動物性タンパク質を摂取する場合には、食物繊維・ビタミンも一緒に摂取すると消化を助け、効率的な利用・吸収を促進します。

サプリメントやプロテインで補う

忙しくて食事が摂れない方や、食事の量が食べられない方は、サプリメントやプロテインでタンパク質補給が可能です。

しかし、プロテインやサプリメントは便利ですが、長期的な摂取や1日に何度も摂取するなど、過剰摂取にならないよう注意が必要です。

運動の後にプロテインを摂取したり、1食を置き換えたり、食事で摂取できない分をサプリメントで補うなど、ライフスタイルに合ったタンパク質の補給方法を選択することが重要です。

まとめ

今回は、タンパク質とはどのような栄養素なのか、タンパク質不足による不定愁訴や病気、タンパク質の摂取基準や摂取方法について解説してきました。

タンパク質が不足すると、肌荒れ・髪のダメージ・爪が割れやすくなる・体力の低下・免疫力の低下などが起こる可能性があり、仕事や日常生活にも影響が大きくなります。

また、タンパク質は鍛えている人だけではなく、身体のコンディション・機能・メンタルを整えたい人ほど必要な栄養素です。

そのため、食事からのタンパク質摂取に加えて、食事で不足する分をサムライフのプロテインで補うことをおすすめします。

動物性プロテインには「プレーン味」「チョコレート味」「バニラ味」「ストベリー味」の4種類のホエイプロテインがあります。

また、植物性プロテインには大豆100%のシンバイオティクスプロテイン(トロピカルフルーツ味)シンバイオティクスプロテイン(ココア味)がおすすめです。

同時に、乳酸菌と水溶性・不溶性⾷食物繊維、オリゴ糖も摂取でき、腸内環境の改善をサポートします。

健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのプロテインを、ぜひお試しください。

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