イライラの予防・改善に必要な栄養素と目標量

こんな方におすすめ
  • イライラが起こる原因って?
  • イライラに隠れている病気
  • イライラの予防・改善は、どんな方法があるの?

日常生活の中で感じるイライラは不定愁訴の一つで、体や心からの重要なサインです。

栄養不足や睡眠不足など、さまざまな原因が潜んでおり、イライラが長期間続く場合、自律神経失調症や甲状腺機能亢進症、うつ病、女性では月経前症候群(PMS)や更年期障害などが隠れている場合があります。

そこで今回は、イライラが起こる原因、その背景にある可能性のある病気、さらに食事・栄養や生活環境の観点から、イライラの予防・改善方法を解説します。

食生活を中心とした栄養管理を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。

監修者

株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士

薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。

病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。

著書:
4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法

目次

イライラを引き起こす主な原因

イライラを引き起こす主な原因

イライラは、単なる気分の問題ではなく、心や体のさまざまな要因が関係しています。

特に自律神経の乱れやホルモンバランスの変化、栄養不足、腸内環境の乱れ、睡眠不足といった状態は、感情のコントロールを難しくし、イライラを引き起こす大きな要因となります。

イライラを引き起こす主な原因
  • 自律神経の乱れ
  • ホルモンバランスの変化
  • 栄養不足
  • 腸内環境の乱れ
  • 睡眠不足

自律神経の乱れ

イライラは、自律神経のバランスが崩れることで起こりやすくなります。

慢性的なストレスや緊張状態が続くと、体は常に興奮状態を司る交感神経が優位になり、心身の回復を担う副交感神経の働きが低下します。

この状態が続くと、自律神経による内臓やホルモンの調整機能が乱れ、感情のコントロールが難しくなります。

その結果、心身のオン・オフの切り替えがうまくいかず、気持ちの余裕を失いやすくなります。

さらに、スマートフォンやパソコンの長時間使用、ブルーライト、カフェインの過剰摂取、過度な運動なども交感神経を刺激し、自律神経の緊張状態を慢性化させる原因となります。

ホルモンバランスの変化

イライラの原因の一つに、ホルモンバランスの変化があります。

女性では、月経周期や更年期におけるエストロゲンの変動が、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの合成や分泌に影響を与えます。

その結果、情緒が不安定になり、ちょっとしたことでイライラを感じやすくなります。

男性では、加齢に伴うテストステロンの減少が、情緒の浮き沈みや意欲低下につながることがあります。

ホルモンの変動による影響は個人差がありますが、栄養状態や睡眠、生活リズムによって影響を強めることもあります。

栄養不足

イライラの原因の一つには、栄養不足があげられます。

脳は多くのエネルギーと栄養素を消費する臓器で、神経伝達物質の合成や感情のコントロールにはビタミンB群、マグネシウム、カルシウム、トリプトファンなどが不可欠です。

これらが不足すると神経伝達が滞り、気分の浮き沈みやイライラを引き起こしやすくなります。

さらに、朝食を抜いたり、糖質の過剰摂取、食間隔が空くことによる血糖値の乱高下は、脳のエネルギー供給を不安定にし、情緒不安定やイライラを助長します。

微量ミネラルや脂溶性ビタミン、オメガ3系脂肪酸などの不足も、神経興奮やストレス反応の調節を乱す要因となります。

腸内環境の乱れ

イライラが起こる原因の一つに、腸内環境の乱れがあげられます。

近年の研究では、腸内環境と脳の働きは密接に関係していることが分かっています。

腸内細菌叢のバランスが崩れると、炎症性サイトカインが上昇し、中枢神経の働きにも影響します。

特に、セロトニンの約90%は腸で産生されるため、腸の健康状態は気分やイライラに直結します。

さらに、腸透過性亢進(リーキーガット)が起こると、栄養吸収や神経伝達に影響し、情緒不安定を助長する可能性があります。

睡眠不足

睡眠不足は、イライラを起こす原因の一つです。

十分な睡眠が取れないと、脳は休息や情報整理ができず、神経伝達物質のセロトニンや睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が乱れます。

その結果、感情の抑制が効きにくくなり、ちょっとしたことでイライラしたり、不安感が強くなったりします。

また、睡眠不足はストレスホルモンのコルチゾールの分泌を増加させ、交感神経を優位にするため、心身が常に緊張状態になりやすくなります。

イライラに隠れている病気

イライラに隠れている病気

イライラが長期間続く場合、単なる性格や気分の問題ではなく、身体や精神の異常サインであることがあります。

代表的なものとして、精神疾患ではうつ病、双極性障害、適応障害などがあり、意欲低下や気分の落ち込みだけでなく、イライラや焦燥感が強く出ることがあります。

また、発達障害(ADHDなど)でも感情のコントロールが難しく、イライラが表れやすいことがあります。

身体面では、自律神経失調症や甲状腺機能亢進症などが影響します。

また、女性では、月経前症候群(PMS)や更年期障害など、ホルモンバランスの変化も感情の不安定やイライラの原因になります。

さらに、鉄欠乏(鉄不足による貧血)も注意が必要です。

鉄は神経伝達物質の合成や脳の酸素供給に関わるため、不足すると疲労感や集中力低下、情緒不安定、イライラが起こりやすくなります。

特に女性では月経による鉄損失で鉄欠乏になりやすく、慢性的なイライラと結びつくことがあります。

イライラを予防・改善する生活習慣

イライラを予防・改善する生活習慣

イライラの予防・改善には、休息や睡眠の質の向上、食事の見直しや適度な運動を心がけることが大切です。

イライラを予防・改善する生活習慣
  • 休息をとる
  • 睡眠の質を整える
  • 適度な運動
  • 腸内環境の改善
  • 血糖値を安定させる食事方法

休息をとる

日常生活の中で意識的に休息をとることは、イライラの予防や改善に効果的です。

深呼吸や軽いストレッチ、目を閉じてリラックスする時間を持つことで、交感神経の過剰な興奮を抑え、副交感神経が働きやすくなります。

休息を習慣化すると心身の回復力が高まり、感情の安定につながるため、特に忙しい仕事や家事の合間に意識的な休息時間を設けることが重要です。

リラックスできる環境づくりも、休息効果を高めるポイントです。

睡眠の質を整える

十分な睡眠は脳や神経の回復に欠かせず、感情の安定やストレス耐性の向上に直結します。

就寝前のスマホやパソコンの使用、カフェインの過剰摂取は睡眠の質を下げ、翌日の集中力や気分のコントロールに影響します。

22時〜翌2時の間はホルモンや自律神経の回復が進む重要な時間で、この時間帯に深く眠ることが理想です。

就寝1時間前にはスマホやPCを手放し、光刺激を減らすことで快眠を促すことができます。

規則正しい睡眠リズムを維持することで、自律神経のバランスが整い、日中のイライラや不安感を防ぎやすくなります。

関連記事:不眠症の原因と改善に役立つ栄養素とは

適度な運動

有酸素運動や軽い筋トレは、ストレスホルモンのコルチゾールの分泌を抑え、気分の安定をサポートします。

運動によりセロトニンやドーパミンの分泌も促され、脳がリラックス状態になりやすくなります。

毎日の散歩やジョギング、ストレッチなどの軽い運動でも十分で、継続することで、自律神経の切り替えや睡眠の質の向上にもつながります。

激しい運動よりも、無理なく続けられる運動を習慣化することがポイントです。

腸内環境の改善

イライラの予防・改善には、腸内環境の改善が欠かせません。

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、腸内環境が乱れるとセロトニンの生成が低下し、気分の安定にも影響します。

腸内環境の改善に必要不可欠な発酵食品や食物繊維を積極的に摂ることで、腸内細菌のバランスを整え、心身の安定をサポートします。

さらに、水分補給や規則正しい食事を心がけることも、腸内環境改善に有効です。

暴飲暴食や加工食品の過剰摂取は腸内バランスを乱すため、注意が必要です。

関連記事:腸内環境を改善する方法について解説

血糖値を安定させる食事方法

イライラの予防・改善には、血糖値を安定させる食事方法が気持ちの安定をサポートします。

血糖値の急激な上昇と下降は、神経伝達やホルモンに影響を与え、イライラを引き起こしやすくなります。

朝食を抜かず、主食・たんぱく質・野菜を組み合わせたバランスの良い食事を心がけましょう。

間食には、ナッツやヨーグルトなど血糖値の上昇が緩やかな食品がおすすめです。

加工食品や糖分の多い飲料は控え、低GI食品を意識すると血糖値の安定に役立ちます。

規則正しい食事でエネルギーを安定させることが、イライラの予防につながります。

イライラの予防・改善に必要な栄養素と目標量

イライラの予防・改善に必要な栄養素と目標量

イライラの予防や改善には、脳や神経の働きをサポートする栄養素をバランスよく摂ることが大切です。

栄養素多く含まれる食材目標量
ビタミンB群
マグネシウム大豆製品・海藻類・ナッツ類400㎎
カルシウムモロヘイヤ・水菜・干しエビ・ししゃも・生揚げ1000㎎
オメガ3脂肪酸(EPA/DHA)えごま油・あまに油・さばやさんまなどの魚2.1g
ビタミンC菜の花・赤ピーマン・ブロッコリー・柿・グァバ1000㎎
トリプトファン魚類・肉類・大豆製品・ナッツ類
レバー・しじみ・青のり・ひじき・納豆・小松菜15㎎

イライラの予防や改善には、脳や神経の働きをサポートする栄養素をバランスよく摂ることが重要で、特にビタミンB群は神経伝達物質の合成に欠かせず、感情の安定や集中力にも深く関わります。

マグネシウムやカルシウムは、神経や筋肉の興奮を抑えてリラックス状態を促し、心身の余裕を保つ役割を果たします。

さらに、トリプトファンは幸せホルモンであるセロトニンの材料となる必須アミノ酸で、心の安定や睡眠リズムの調整に欠かせません。

ビタミンCはストレス時に分泌されるコルチゾールの過剰を抑え、抗酸化作用を通じて神経細胞を守ることで心の安定に寄与します。

加えて、オメガ3脂肪酸は神経細胞の膜を健康に保ち、情緒の安定や集中力の維持をサポートし、鉄は脳への酸素供給や神経伝達物質の生成に関わるため、慢性的な疲労やイライラを防ぐのに役立ちます。

これらの栄養素は、日々の食事からバランスよく摂ることが理想ですが、忙しい場合は必要に応じてサプリメントで補うことも心身の安定につながります。

まとめ

今回は、不定愁訴の一つであるイライラが起こる原因や、予防・改善方法について解説してきました。

イライラの予防・改善には、ビタミンB群・マグネシウム・カルシウム・オメガ3脂肪酸・ビタミンC・トリプトファン・鉄などを豊富に含む食材を取り入れたバランスの取れた食事が大切です。

サムライフでは、農薬などを一切使用していない、野菜よりも安全と保障されているサプリメントを提供しております。

適切な食事に加えて、食事で不足しがちな栄養素をマルチビタミンミネラル及び、アイアンプレミアムで補うことをおすすめします。

健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。

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