躁うつが起こる原因は?改善に必要な栄養素について解説

- 躁うつが起こる原因って?
- 躁うつに隠れている病気は?
- 躁うつの改善は、どんな方法があるの?
気分が高ぶって止まらなくなる時期と、反対に落ち込みが激しくなる時期を繰り返す、そんな心の波に悩む「躁うつ(双極性障害)」は、目に見えにくく、周囲に理解されにくいことも多い症状です。
薬による治療が中心となる一方で、日々の食事や生活習慣、ストレスとの向き合い方も、心の安定を支える大切な要素です。
そこで今回は、躁うつの症状と原因、食事・栄養や生活環境の観点から、躁うつの改善方法を解説します。
食生活を中心とした栄養管理を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。
株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士
薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。
病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。
- 株式会社 サムライフ 代表取締役
- 一般社団法人 日本予防医学マイスター協会 代表理事
- 一般社団法人 日本先進医療臨床研究会 理事
著書:
『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!』
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法』

躁うつの原因

「朝は元気なのに、夕方になると急に落ち込む」「数日間ハイテンションだったのに、急に何もやる気が出ない」
そんな気分の波が繰り返される状態は、「躁うつ(双極性障害)」かもしれません。
躁うつとは、気分が異常に高揚する「躁状態」と、反対に意欲が低下する「うつ状態」とが交互に現れる精神疾患の一つです。
ただし、明確な診断に至らないグレーゾーンの方も多く、不定愁訴として扱われることもあります。
その背景には、以下のような体内の不調が隠れていることがあります。
- エネルギー代謝の低下
- 血糖値の乱れ
- 栄養の偏りや不足
- ホルモンバランスの崩れ
- 腸内環境の悪化
精神的な問題であっても、栄養バランスや食生活によって改善する可能性が大いにあります。
実は隠れているかもしれない病気や不調

躁うつ的な症状の背景には、甲状腺の異常や副腎疲労、低血糖症、鉄欠乏などが隠れていることがあります。
- 甲状腺機能の異常
気分の変動や不安感、集中力低下など、躁うつと似た精神症状が出ることがあります。特に甲状腺機能低下はうつ症状、亢進は躁に似た症状を呈するため見落とされやすいです。 - 副腎疲労
ストレス過多によるコルチゾールの分泌異常で、疲労感・不安・うつ様症状が現れます。 - 低血糖症
血糖値の急激な変動が、イライラ・不安・集中力低下・気分の落ち込みなどを引き起こします。 - 鉄欠乏
脳内の神経伝達物質の生成に必要な鉄が不足すると、うつ症状や不安、疲労感が出やすくなります。貧血がない場合でも、フェリチン(貯蔵鉄)が低いことで見逃されることがあります。特に女性に多く、月経や偏った食事が背景にあることが多いです。
こうした身体の異常を見逃さず、根本から整えることが、心の安定へとつながります。
日常の中でできる、躁うつ症状の改善方法

躁うつ(双極性障害)は、気分の大きな波が生活に影響を及ぼす精神的な状態です。
薬物療法が主な治療手段として用いられる一方で、日々の暮らしの中でできる「自然な改善アプローチ」も、心の安定に大きく貢献します。
- 食事:心の栄養を整える
- 生活:リズムを整える
- ストレスケア:心の波に寄り添う
食事:心の栄養を整える
脳の機能や感情の安定には、バランスの良い食事が欠かせません。
特に気分の波を整えるためには、血糖値の安定と神経伝達物質の材料になる栄養素の確保が重要です。
糖質の過剰摂取やカフェイン、アルコールは血糖値を乱し、気分の変動を助長する恐れがあります。
代わりに、良質なタンパク質、オメガ3脂肪酸(青魚・亜麻仁油など)、鉄・マグネシウム・亜鉛などのミネラルを意識して摂りましょう。
中でも鉄は“心のホルモン”の材料になる重要な栄養素で、気分の安定やエネルギーの維持に役立ちます。
特に女性は不足しやすく、隠れた鉄欠乏がうつ様の不調につながることもあるため、意識して補いたい栄養素です。
生活:リズムを整える
躁うつでは、「生活リズムの安定」が症状のコントロールに直結します。
睡眠不足や昼夜逆転、不規則な食事時間は、気分の変動を悪化させやすいため、朝起きて朝日を浴びる・毎日同じ時間に寝る・3食を規則正しく摂るといった基本的な生活リズムを大切にしましょう。
また、軽いウォーキングやストレッチなどの日常的な運動習慣も、セロトニンの分泌を促し、心の安定に役立ちます。
ストレスケア:心の波に寄り添う
ストレスが蓄積すると、脳のバランスが崩れやすくなり、躁やうつの波が強まる傾向があるため、感情を抑え込まず、自分の気持ちを正直に感じて受け止めることが大切です。
呼吸法や瞑想、マインドフルネスは、過度な思考や感情の波から一歩距離を取る助けになります。
また、信頼できる人との会話や、自然に触れる時間も心を穏やかに保つサポートをしてくれます。
心の安定に欠かせない!躁うつの改善に必要な栄養素と目標量

躁うつの症状には、脳や神経の働きが深く関係しており、機能を安定的に維持するためには、タンパク質やビタミンB群、鉄、亜鉛などの栄養素が十分に供給されていることが重要です。
年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として次の目標量を目安にするといいでしょう。
タンパク質(体重×1.2~1.5倍)
タンパク質は、神経伝達物質(セロトニンやドーパミンなど)の材料となるアミノ酸を供給します。
これらの伝達物質は、気分や意欲の調整に深く関わっており、タンパク質の不足は精神的な不安定さに影響を与えることがあります。
良質なたんぱく源である肉や魚、卵、大豆などをしっかり摂ることが大切です。
タンパク質の1日の目標量として、植物性タンパク質、動物性タンパク質のどちらかに偏らず、1:1で摂取したうえで、体重×1.2~1.5倍を目指しましょう。
ビタミンB群
ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)は、脳内の神経伝達物質の合成やエネルギー代謝を助ける働きがあります。
特にビタミンB6、ビタミンB12、葉酸は、気分のバランスを保つうえで重要な役割を担っています。
マグネシウム(400㎎)
マグネシウムは、神経の興奮を抑え、リラックスをサポートするミネラルです。
ストレスが多いと体内のマグネシウムは消耗しやすく、心身の緊張や不安定さを感じやすくなることがあります。
木綿豆腐や納豆などの大豆製品や、アーモンドやカシューナッツ、ひじきやわかめなどの海藻類に豊富に含まれています。
マグネシウムの1日の目標量として、400㎎を摂取しましょう。
鉄(15㎎)
鉄は、赤血球のヘモグロビンを作り出し、酸素を全身に運ぶだけでなく、脳内の神経伝達物質であるドーパミンの生成にも不可欠です。
ヘモグロビンは、全身と脳へ酸素を運ぶ働きがあります。
鉄が不足すると脳が酸欠状態となり、集中力の低下、思考の鈍化、感情の不安定などが起きやすくなります。
また、ドーパミンが不足すると慢性的な疲労感ややる気の低下、不安感、憂うつな気分になるなど、うつのような症状が現れます。
そのため、鉄をしっかり補うことで、気分の落ち込みや疲れやすさ、集中力の低下などの改善につながります。
特に、隠れ鉄欠乏(フェリチンの低下)は見逃されやすいため、積極的に意識しておきたいポイントです。
亜鉛(20㎎)
亜鉛は脳の働きや神経の伝達に関与し、ストレスへの耐性にも関わる重要なミネラルです。
不足すると集中力の低下や気分の乱れにつながりやすくなるため、意識して摂りたい栄養素の一つです。
亜鉛は、牡蠣やうなぎなどの魚介類や、豚レバー、カシューナッツなどに豊富に含まれています。
1日の目標量として、20㎎を摂取しましょう。
オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)(n-3系脂肪酸の目標量は2.1g)
オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)は、脳の細胞膜の柔軟性を保ち、情報伝達をスムーズにする働きがあります。
また、心のバランスを保つ食生活において重要な脂質とされ、イワシ、ブリ、サバ、うなぎなどの魚に多く含まれています。
お肉料理だけでなく、週の半分は魚料理を食べましょう。
ビタミンD(20㎍)
ビタミンDは、セロトニンの合成や炎症の調整に関与しており、心の健康とも深く関わっています。
ビタミンDは食品から摂取する以外にも、日光浴によって生成することができ、日照時間が短い冬に気分が落ち込みやすくなる背景にも、このビタミンDの関与が指摘されています。
鮭やさんま、しらすなどの魚類や、乾燥椎茸、きくらげなどに多く含まれています。
1日の目標量として、20㎍を摂取しましょう。
まとめ
今回は、不定愁訴の一つである躁うつが起こる原因や、改善方法について解説してきました。
躁うつの改善には、タンパク質やビタミンB群、鉄、亜鉛、オメガ3脂肪酸、ビタミンDなどをバランスよく摂取し、適度な運動や日光を浴びるといった生活習慣も意識して取り込むことが大切です。
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