貧血が起こる原因と食事と栄養による改善方法
- 貧血が起こる原因って?
- 貧血が続くと考えられる病気は?
- 貧血の改善は、どんな方法があるの?
貧血は多くの女性が抱える不定愁訴の一つですが、実は男性や子どもにもみられ、日常生活に大きな影響を及ぼします。
貧血のほとんどは鉄欠乏性貧血ですが、その陰に胃潰瘍、大腸がん、子宮筋腫といった重大な病気が隠れている可能性があります。
また、ヘモグロビン値が正常でも体内の鉄が不足している「隠れ貧血」も見逃せません。
そこで今回は、貧血の症状と原因、貧血に隠れている病気、さらに食事や栄養の観点から、貧血の改善方法を解説します。
食生活を中心とした栄養管理を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。
株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士
薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。
病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。
- 株式会社 サムライフ 代表取締役
- 一般社団法人 日本予防医学マイスター協会 代表理事
- 一般社団法人 日本先進医療臨床研究会 理事
著書:
『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!』
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法』
貧血とは
貧血とは、赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度が低下し、身体が酸素不足に陥る状態を指します。
ヘモグロビンは、鉄を主成分とする赤い色素で、全身の臓器や組織に酸素を運搬する重要な役割を果たしています。
鉄が不足すると、ヘモグロビンの生成が滞り、酸素供給が不十分となることで臓器の機能が低下し、さまざまな症状を引き起こします。
貧血の症状
貧血の主な症状は、疲労感、倦怠感、顔色が悪い、動悸、息切れ、頭痛、めまい、立ち眩みなどの症状が挙げられます。
貧血があっても、初めはほとんど自覚症状がない場合や、運動している時だけ症状が出ることもあり、健康診断で指摘されて初めてわかる人も多いです。
鉄欠乏性貧血では、爪が割れやすい、唇や舌の炎症、髪が抜ける、肌が荒れるなどの症状があります。
また、巨赤芽球性貧血では、手足のしびれや舌炎、食欲不振などの消化管症状、進行すると思考力の低下や記憶障害、歩行不安定、意識障害などの神経症状が加わることもあります。
- 全身症状:だるい、疲れやすい、立ち眩み、めまい、頭痛
- 循環器系:動悸、息切れ
- 感覚:寒気、耳鳴り
- 外見の変化:顔色が悪い、目や口の粘膜が白くなる
- 消化器系:食欲不振、吐き気
- 爪の変化:爪が平たくなる・スプーン状になる
貧血が起こる原因
貧血が起こる主な原因は、次の2つがあります。
- 鉄不足
- 赤血球の生成不足
鉄不足
貧血の多くは「鉄欠乏性貧血」であり、鉄不足が最大の原因です。
栄養バランスの悪い食事や、ダイエットによる栄養不足は、体内の鉄が不足する大きな要因となります。
特に、女性は月経によって鉄を失いやすいほか、妊娠中は胎児や母体のために必要な鉄量が増加します。
このため、日常的に鉄分を十分に補給しないと、鉄欠乏性貧血を引き起こすリスクが高まります。
また、男性でも、潰瘍や悪性腫瘍、痔などによる慢性的な出血が原因で、鉄欠乏性貧血を引き起こすことがあります。
赤血球の生成不足
赤血球の寿命は約120日で、骨髄で毎日新たに生成されて、全体量を調整しています。
しかし、葉酸とビタミンB12が不足すると、新しい赤血球の生成が滞り、全体量が減少します。
貧血に隠れている病気
貧血には、鉄欠乏性貧血のほか、骨髄の造血機能に異常が生じる「再生不良性貧血」、ビタミンB12や葉酸の欠乏により赤血球が正常に成熟できなくなる「巨赤芽球性貧血(悪性貧血)」、赤血球が通常より早く壊されることで発症する「溶血性貧血」があります。
鉄欠乏性貧血は、鉄分の内服などで改善しやすい貧血です。
しかし、悪性貧血やその他の貧血には、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、大腸がん、子宮筋腫、慢性腎不全、白血病などの病気が隠れている可能性があります。
特に、動悸・息切れ・めまい・たちくらみが頻繁にある、便に血液が混じっている場合には、早期の検査と診断を受けましょう。
隠れ貧血
隠れ貧血とは、血液中のヘモグロビン値が正常であるにもかかわらず、体内の鉄分が不足している状態を指し、「潜在性鉄欠乏症」や「非貧血性低フェリチン血症」とも呼ばれます。
この状態では、貯蔵鉄を示すフェリチン値が低下しており、貧血の一歩手前や予備軍とされます。
主な症状として、慢性的な疲労感、息切れや動悸、顔面蒼白、集中力や思考力の低下、イライラしやすい、口内炎や舌荒れなどが挙げられます。
隠れ貧血は、一般的な血液検査では見逃されやすく、自覚症状がないまま進行することがあります。
特に、月経のある女性は鉄不足になりやすく、20~40代女性の約65%が隠れ貧血に該当するとされています。
疲れやすさや体調不良を感じる場合は、健康診断でフェリチン値を測定することが推奨されます。
隠れ貧血を放置すると鉄欠乏性貧血へ進行する可能性があるため、早期の発見と対応が重要です。
食事と栄養による貧血の改善方法
貧血を改善するためには、鉄を中心に、葉酸やビタミンB12、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンEなどの栄養素を十分に摂取し、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。
鉄を積極的に摂取する
鉄は、ヘモグロビンの合成に欠かせない成分であり、貧血の改善にはこまめな摂取が効果的です。
鉄には、吸収率が高い動物性食品に含まれる「ヘム鉄」(吸収率10~20%)と、吸収率が低い植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」(吸収率2~5%)の2種類があります。
ヘム鉄は赤身肉、レバー、魚介類に多く含まれ、優先的に摂取すると効率的です。
一方、非ヘム鉄を含む大豆製品や野菜は、造血機能に欠かせない動物性タンパク質や、ビタミンCを含む食品と一緒に摂取することで吸収率を高めることが可能です。
食事の工夫により、効率的な鉄分摂取を心がけましょう。
ただし、鉄は一度に吸収される量が限られており、余分なものは排泄されてしまうため、1日3回バランスの取れた食事を心がけ、欠食を避けましょう。
鉄の目標量は15㎎
サムライフでは、鉄の1日の摂取目標量は15㎎を推奨しています。
年齢・性別によって摂取目標量は異なりますが、ひとつの基準として15㎎を目安にするといいでしょう。
関連記事:予防医学の観点からみる鉄の摂取基準量
造血に必要な他の栄養素と目標量
鉄以外にも、次の栄養素が赤血球の生成などに重要な役割を果たします。
- 葉酸(400㎍)
「造血のビタミン」と呼ばれ、ビタミンB12とともに赤血球の生成のために働きます。不足すると悪性貧血の原因となるため、緑黄色野菜やレバー、豆類などから十分に摂取しましょう。 - ビタミンB12(30㎍)
葉酸と協力して赤血球を生成する赤いビタミンです。主に動物性食品に多く含まれているため、レバーや魚介類から摂取しましょう。 - ビタミンC(500㎎)
赤血球の形成に必要な鉄の吸収を高め、体内での合成を助けます。緑黄色野菜や果物に豊富に含まれています。 - ビタミンB6(7㎎)
赤血球の合成に役立ちます。疲労回復に欠かせないにんにくに豊富に含まれているほか、動物性食品に多く含まれています。 - ビタミンE(150㎎)
抗酸化作用で赤血球膜を保護します。不足すると溶血性貧血の原因となるため、ナッツ類やアボカドなどから十分に摂取しましょう。
鉄の吸収を妨げる食べ合わせを避ける
鉄の吸収を妨げる成分として、カルシウム、ポリフェノール、食物繊維、穀物の外皮に含まれるフィチン酸があげられます。
これらは健康に役立つ成分でもあるため、バランスの良い食事を心がけていれば特に問題はありませんが、サプリメントの過剰摂取には注意が必要です。
また、コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるタンニンは鉄の吸収を阻害するため、食後の摂取は控えましょう。
過剰なカフェイン摂取や偏った食事も、鉄の吸収を妨げる可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
今回は、不定愁訴の一つである貧血が起こる原因や、改善方法について解説してきました。
貧血の改善には、鉄を中心にビタミンB群やビタミンC・Eなどの栄養素を十分に摂取し、1日3食バランスのとれた食事が大切です。
サムライフでは、農薬などを一切使用していない、野菜よりも安全と保障されているサプリメントを提供しております。
適切な食事に加えて、食事で不足しがちな栄養素をマルチビタミンミネラル及び、アイアンプレミアムで補うことをおすすめします。
健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。