活性酸素とは?効率よく抗酸化する方法について解説
- 活性酸素が増えると、身体にどんな影響があるの?
- 活性酸素はどうやって増えるの?
- 効率よく抗酸化するためには、どんな方法があるの?
私たちが生きていくためには酸素が不可欠ですが、取り込んだ酸素のうち2~3%が活性酸素となり、私たちの体内で常に生成されています。
適度な量であれば免疫機能を助ける役割を果たしますが、増えすぎると老化の促進や生活習慣病、がんのリスクを高める要因にもなります。
そこで今回は、「活性酸素とは」「活性酸素の発生原因と増えやすい人の特徴」「活性酸素から体を守るための抗酸化ネットワーク」「効率よく抗酸化する方法」について解説します。
食生活を中心とした栄養管理を見直すことが健康に繋がる第一歩になりますので、この記事を参考に見直してみるといいでしょう。
株式会社サムライフ 代表取締役 坂田 武士
薬剤師の経験を経て、薬に頼らない予防医学の専門家として従事。「日本の死因の第一位を老衰死にする」を目標に掲げ、過去20年間にわたる予防医学や栄養学に関する膨大な臨床実験と、延べ5万人に対する予防医学の指導を経験。
病院の院長や、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど、健康を指導する立場の人間や、オリンピックメダリストをはじめとしたトップアスリートへの指導も行う。
- 株式会社 サムライフ 代表取締役
- 一般社団法人 日本予防医学マイスター協会 代表理事
- 一般社団法人 日本先進医療臨床研究会 理事
著書:
『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉を落とさず健康的にやせる!』
『薬をすすめない薬剤師が教える 脱・薬健康法』
活性酸素とは
活性酸素とは、すべての人の体内で自然に発生する物質です。
私たちは呼吸を通して酸素を体に取り込み、酸素は血流に乗って細胞へ運ばれます。
細胞内のミトコンドリアでは、この酸素を使ってエネルギーを生成するエネルギー代謝が行われます。
このエネルギーを生み出す過程で、取り込んだ酸素のうち2~3%が「活性酸素」として発生します。
活性酸素は電子が欠けた酸素で、少量であれば問題ありませんが、増えすぎると細胞にダメージを与えるリスクが高まるため、過剰な発生が問題視されています。
活性酸素の発生原因と増えやすい人の特徴
活性酸素は、特定の原因や生活習慣によって増えやすい傾向があります。
また、特に活性酸素が多く発生しやすい人には次のような特徴がみられます。
- 食品添加物
- 食べ物による発がん性物質
- 過食
- 魚や肉の焦げ
- たばこ
- アルコール
- 薬物
- 臓器移植
- 電磁波
- 工場や車の排気ガスなど、大気汚染
- 汚染水道水
- 核兵器の放射能
- 職場や家庭内のトラブルやストレス
- 激しい怒りや悲しみ・驚き
食品添加物や発がん性物質、タバコ、アルコール、薬物、電磁波、水道水の汚染、放射能、ストレスなど、さまざまな要因によって活性酸素の量が増加します。
このような状況では、遺伝子が傷つきやすくなり、その結果としてがん細胞が形成されるリスクが高まります。
活性酸素が増えると起こる体への影響
活性酸素が増えると起こる体への影響は、主に次の2つがあります。
- 老化
- がん
老化
活性酸素には、さまざまな物質を酸化させる性質があります。
たとえば、りんごを切ってしばらく放置すると、切り口が茶色く変色しますが、これは酸化が原因です。
人間の体も、同様に活性酸素の影響で酸化が進むことで、シミやしわといった老化現象が引き起こされます。
がん
活性酸素は、細胞内のさまざまな構成要素に対して攻撃し、損傷を与えることがあり、その中には、核内のDNAを傷つけるものも含まれています。
こうしたDNA損傷を受けた細胞が増殖することで、がんが発生する可能性があると考えられています。
癌ができるメカニズム
ミトコンドリアは、糖分と酸素を利用してエネルギー代謝を行い、私たちの生命活動の源となるエネルギーを生み出しています。
しかし、このエネルギー生成の過程で、活性酸素も同時に生成されます。
活性酸素が過剰に発生すると、ミトコンドリアや細胞膜、さらには核内の遺伝情報にもダメージを与えることがあります。
このような損傷が重なると、コピーミスにより正常な細胞ではなく、がん細胞が形成されるリスクが高まります。
がん細胞は毎日5000個発生している
健康な人でもがん細胞は毎日5000個発生していますが、ほとんどの細胞はその場で免疫細胞ががん細胞を攻撃し、核などが溶け出して死滅します。
腸内環境で訓練された免疫細胞が、5000勝0敗という圧倒的な勝利を毎日続けていれば、がんにはなりません。
しかし、免疫細胞が殺せなかったたった1つの細胞、これががんになってしまうのです。
1つめのがん細胞が発生しやすい場所
がん細胞がどこで最初に発生するかは、特定の臓器に限定されるものではなく、さまざまな場所で発生する可能性があります。
しかし、統計的にみると、最初にがん細胞が発生する場所として多いのは、肺、胃、大腸、肝臓、そして膵臓です。
がん患者の約半数は、これら5つの臓器のいずれかで最初にがんを発症しています。
これらの臓器は、活性酸素の影響を受けやすく、特に食事などの生活習慣が関連していると考えられています。
がん細胞が1つ発生してから約9年で早期発見
がん細胞が1つ発生してから、約100日ごとに細胞分裂を繰り返します。
たとえば、お米の粒に例えると、1年後には約8粒、3年後には1024粒、4年後には1万3184粒、5年後には26万2144粒、6年後には29万712粒、そして9年後には約10億7374万1824粒になります。
なぜ9年後に注目するかというと、がんが早期に発見されるサイズがこの期間に相当するからです。
つまり、がん細胞が1つ発生してから9年後に、やっと発見される可能性があると考えられています。
この9年後のがん細胞の大きさは約1㎝角、これが9年後のがん細胞の大きさです。
お米1粒から9年経つと、ここまでのサイズに成長するのですが、この段階では、ほとんど自覚症状がない「早期がん」と呼ばれる状態にあるため、早期に発見できた人は非常に幸運だと言えます。
活性酸素から体を守るための抗酸化ネットワーク
私たちの体には37兆個の細胞があり、それぞれが日々、活性酸素にさらされています。
がんを予防するためには、体内で「毎日5000勝0敗」を続けるような強い抗酸化力が必要です。
体内では、活性酸素と抗酸化ネットワークが絶え間なく戦いを繰り広げており、この戦いに勝ち続けることが、健康を保つための鍵です。
そのためには血流を良く保つことや腸内環境を整えることも大切ですが、体を酸化させないことが何よりもポイントになります。
抗酸化酵素と抗酸化物質
酸化を防ぐ「抗酸化」には、体内で抗酸化酵素を自ら生成することと、抗酸化物質を食品などから取り入れること、この2つの方法があります。
このどちらも行わないと、体は酸化しやすくなり、老化や病気、がんのリスクが増えてしまうため、腸内環境を整えることや、常に抗酸化できているかを、日々意識することが重要です。
抗酸化酵素はタンパク質から作られ、主に肝臓で生成されるため、暴飲暴食や添加物の多い食生活を避けて肝臓を保護し、適度な運動や休養、十分なタンパク質の摂取が欠かせません。
しかし、年齢とともに抗酸化酵素の生成能力は低下していくため、抗酸化物質を摂ることがさらに重要になります。
抗酸化物質としては、ビタミンA・C・E、ミネラル(セレンや亜鉛など)、さらにファイトケミカルといった成分を意識的に摂取することで、体の「錆び」を防ぎ、健康維持に役立てることができます。
効率よく抗酸化する方法
効率よく抗酸化を行うためには、体内で抗酸化酵素を生成しつつ、抗酸化物質を食品から摂取することが大切です。
しかし、抗酸化酵素は40代から急激に減少するため、何も対策をしないと老化が進みやすくなります。
そのため、食事から抗酸化物質を取り入れることで、同時に酸化を防ぐ必要があります。
ビタミンA・C・E、ファイトケミカル、カロテノイドを日常的に摂取することで、体内の活性酸素を減らし、残った活性酸素については抗酸化酵素が対抗できる状態に保ちます。
- 生活習慣を整える
- ビタミンA・C・Eの摂取
- カロテノイドの摂取
- ポリフェノールの摂取
生活習慣を整える
肉や塩分・アルコールを控えた食事を心がけ、タバコを避け、適度な運動を行い、ストレスを溜めずに、良質な睡眠をとることが大切です。
がんは生活習慣病であり、予防によりリスクを半分に抑えることができるため、がんを防ぐ生活習慣を続けることで、がんによる死亡も防げるのです。
また、親ががんであっても、「自分もがんになる」という時代は終わりました。
先天的な遺伝性のがんは5〜10%とされており、それ以外は後天的な要因により発症する可能性が高いです。
つまり、どのような食事や生活習慣を送るかによってがんになるリスクが変わります。
要するに、活性酸素を増やさないようにしたり、腸内環境を整え免疫力を高めたりすることで、がんになりにくい体を自分で作ることができるのです。
ビタミンA・C・Eの摂取
私たちの体を活性酸素から守るために重要なのが抗酸化物質であり、特にビタミンA・ビタミンC・ビタミンEがその役割を果たします。
りんごを切るとすぐに酸化が進むため、レモン水や塩水に漬けることで酸化しにくくなりますが、私たちの体も同様に、ビタミンやミネラルを毎日全身の細胞に行き届かせることで、酸化しにくくなります。
なぜビタミンA・C・Eが必要かというと、ビタミンAとビタミンEは脂溶性で、ビタミンCは水溶性であるため、両方の性質を持つ抗酸化物質をバランスよく摂る必要があるからです。
活性酸素は強い酸化力を持ち、細胞を変質させるため、やがて細胞が傷つき壊れてしまいます。
このとき、ビタミンEがあると、細胞内に入り自分が身代わりとなって酸化され、細胞を守る役割を果たします。
しかし、酸化されたビタミンE自体も、細胞に悪影響を与える可能性が出てきます。
このときに、ビタミンCがサポート役として働き、今度はビタミンCが身代わりとなって酸化されることで、酸化したビタミンEが細胞を傷つける力を失わせます。
このように、ビタミンCとEは連携して細胞を保護しているのです。
カロテノイドの摂取
研究により、カロテノイドには活性酸素を約1/4減らす効果があることがわかっています。
カロテノイドとは、動植物に広く存在する黄色または赤色の色素成分で、緑黄色野菜や果物に多く含まれています。
ポリフェノールの摂取
ポリフェノールは、表面に付着するようにして細胞を取り囲むと考えられてい ます。
そして、自らが身代わりになって酸化されることによって、活性酸素の攻撃を防いでくれるのです。
ビタミンA・C・Eの目標量
ビタミンA・C・Eを毎日摂取できているかどうかも大切ですが、どのくらいの量を摂取しているかがさらに重要です。
国の掲げる栄養摂取基準では、推奨量はほとんどの人が1日に必要とされる最低量を満たすものの、これは欠乏を防ぐための基準であり、予防医学の観点からは十分ではありません。
栄養素 | 推奨量・目安量(30~49歳男性) | 目標量(30~49歳男性) |
---|---|---|
ビタミンA | 900㎍RAE | 1500㎍RAE |
ビタミンC | 100㎎ | 1000㎎ |
ビタミンE | 6.0㎎ | 150㎎ |
そのため、サムライフでは生活習慣病予防と健康維持のラインとして、1日にビタミンA1500㎍RAE、ビタミンC1000㎎、ビタミンE150㎎を目標量として推奨しています。
厚生労働省から具体的に示されている数値ではないものの、当社が20年以上にわたる臨床実験と様々なデータを複合的に分析した上で割り出しています。
また、ビタミンCは水溶性であるため、体内に蓄積されず、どんどん排出されてしまいます。
そのため、4~5時間ごとにこまめに摂取することが大切です。
サムライフのマルチビタミンミネラル
ビタミンA・C・Eやポリフェノールを含む、サムライフのマルチビタミンミネラルを1日3回摂取することをお勧めします。
私たちは常に活性酸素にさらされていますが、体内がきれいに保たれている人は、ストレスや活性酸素による害が入ってきても、それらを打ち消して体を守ることができるのです。
したがって、少なくともマルチビタミンを食後に3回摂取することで、体内が常に抗酸化の状態に保たれます。
この状態を維持することで、活性酸素にさらされ続ける生活を送るか、常に抗酸化された状態で過ごすかによって、がんのリスクが大きく変わってきます。
まずは、ビタミンA・C・Eやポリフェノールを含むマルチビタミンを毎日摂取すること心がけましょう。
まとめ
今回は、活性酸素が増えると体にどのような影響が生じるか、がんができるメカニズム、そして効率的な抗酸化方法について解説しました。
活性酸素が増加すると、シミやしわといった老化の進行や、がんのリスクが高まる可能性があります。
ビタミンAの目標摂取量は1日1500µg RAE、ビタミンCは1000mg、ビタミンEは150mgですが、これらの栄養素を通常の食事でとりきるのには限界があるでしょう。
体内の活性酸素を減らし、抗酸化酵素の消耗を抑えつつ酸化を防ぐためには、食事から抗酸化物質を摂取して補うことが大切です。
そこで、適切な食事に加えて、食事で不足する分をサムライフのマルチビタミンミネラルで補うことをおすすめします。
健康的な身体を手に入れたい方は、トップアスリートも愛用するサムライフのサプリメントを、ぜひお試しください。